【邦画】THE FIRST SLAM DUNK【2022年】
アニメ スポーツ
あらすじ
ここは本州から遠く離れた島。高校生と小学生の兄弟が1on1をしている。
弟はビビりながらも兄に挑む。弟の名前は宮城リョータ、この物語の主人公だ。
二人の交流の途中、兄ソータは友達と漁に行くという。しかし今日はリョータの相手をする約束。
リョータはソータに悪態をつくがこれが二人の最後の会話になってしまった。
宮城家はつい最近父を失ったばかり、さらに長男まで失ってしまい母は呆然とする。
リョータは兄との絆でもあるバスケを続けるが周囲からは優秀だった兄との比較の目が注がれる。
宮城家は悲しい思い出に満ちたこの地を去り神奈川へ引っ越す。
そして湘北へ。
スラムダンクは既読のものとして話します。
まず本編は山王戦と宮城の過去が交互に入れ替わりながら話がされます。そうゴッドファーザーⅡのように。
原作・アニメファンからすると宮城の過去はかなり重い話です。脳みそ空っぽで山王戦の映像を楽しむ作品には出来てないです。またその尺の都合上山王戦の前半やギャグシーンのほとんどがカット、構成上試合中のテンポもあまりよくない。
でもかなり面白いです。見て損はないですし何ならまだ公開中ですから見ましょう(23年7月31日現在)
ストーリー
世間での評価を見るに「もう少し賛否分かれるかな」と思いました。先にも述べたように宮城の過去がとにかく重い。小学校から中学、そして湘北の1年生時代と基本的に重いです、ゆえに山王戦のカタルシスが素晴らしいとも言えます。
赤城からの信頼、三井との因縁ここら辺は掘り下げられててよかったですね。桜毛とは原作と同じくだが相変わらず流川とは浅い(本編中のセリフにすらある)
山王戦のストーリ―はいいに決まってるので割愛。
キャラクター
まずは主人公宮城リョータ
原作だけはわからなかった打倒山王への思い、スレスレの学生生活。
穿った見方をすればリョータが山王戦にいる以上バスケを中絶することはあってもやめることはありえない。そうわかっていても気が滅入る展開でした。
試合中はポイントガード、司令塔としての成長しチームを引っ張て行くシーンがより濃く描かれていて良かったです。
でも「生き残ったのが俺でごめんなさい」の手紙(結局やめたけど)は辛過ぎる。
三井寿
湘北では3番目に目立ってたかな、試合展開的にも絶対目立つがリョータの過去にも多く絡んでくる。神奈川に越したばかりのリョータと出会い、一人バスケをしているリョータに声をかける。この時リョータは三井に兄ソータの影を見る。
リョータにとってやっぱ三井は特別なんだなって思えるシーン。
桜木花道
原作主人公、彼については映像の項目で触れる。
赤木剛憲
原作もそうだが基本やられ役。河田のヤバさを目出せるためにボコボコにされる。
過去の部員との軋轢は先輩との温度差という形で回顧される。
もちろん見せ場はあるが上3人ほどではないしキャプテンシーも最後はリョータに譲ることになる。
流川楓
空気。
深津
山王のキャプテンでPG。
宮城視点ということもあってこいつの怖さがよく出ている。
対人ゲームで何を考えているかわからないという恐怖。リョータとの体格差、ゾーンプレスという無理ゲー。
宮城アンナ
リョータの妹。母は壊れかけだしリョータはグレ気味。そんな中で空気の読めない発言をしばしば発する。
この子がいないと宮城家はとっくの昔に崩壊してたと思う。影のMVP。
宮城カオル
リョータの母。旦那、長男と立て続けに失う。しかも引っ越し後にはリョータまで原付の危険運転で死にかける。精神不安定で当たり前みたいなキャラ。
彼女なりに過去を乗り来ようとする術(思い出の品の処分)がリョータと対立したりとこの映画が重い原因の9割くらい担わされてる。
だからこその最後の海辺のシーンがあるわけで。
世界観
原作準拠。現代スポーツマンガで異能力バトルでもないので特に語ることも無い。
映像
この一点だけでもう見る価値がある。
OPとともに描かれながら歩いてくる悪者軍団。
「ああ、ついに山王戦を映像で見ることが出来るんだ」スラダン愛好家はワクワクしない人はいないでしょう。
試合のシーンのキャラクターの動きは実際の選手の動きをモーションキャプチャーで撮ってそのうえでマンガの動きに修正を加えたもの。
ここだけの話ですが体育以外でバスケをしたことのない自分(プロ観戦もなし)には動きを見て「本物のバスケだ!」とはなれませんでした。
ただ素人にも「動きが違う」と思わせてくれる要素があるのです。
それが桜木花道。
皆さんご存じの通り彼はバスケ歴の浅い素人。彼だけ明らかに他の9人と動きが違うのです。
実際の動きをモデルに作ってるため物理法則を無視したような破天荒な動きをする選手が少ないのでスポーツ観戦のような没入感が味わえます。
そう少ないだけです。
後半の桜木のリバウンドは桜木のヤバさがよくわかります。
映像に関してはここで何千字述べようが見たほうが早いです。
是非見ましょう。
音楽
音楽は二点を持って素晴らしい出来栄えとなっています。
1つはリョータのダブルチーム突破のシーン。
ここで主題歌の第ゼロ感のサビが流れるのですが本当にかっこよくて体が震えましたね。今年であった曲で今のところ一番好きです。
もう1つは原作でもあった無音というBGMです。
総評
本編でカットされてた場面
魚住のかつらむき→尺の都合上しゃーなし
「好きです、今度は嘘じゃないです」→今度はの振りが本編中にないので
「左手は添えるだけ」のセリフ→シュート2万本が本編にないので
それでも嫌だという意見があって当然。
山王戦を純粋に楽しみにしてた人には少し拍子抜けかもしれない。
CGの良さ、音響などを鑑みるに映画館でこそ見る映画。家で見るとかなり評価が変わるかもしれません。
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