第80話 カイル Millennium nine swords その3
さて――
そう言えば笑わなければならない事がもう一つ。
妹のレイラがいつの間にか『千年求敗』と認定されたようなのだ。なんでも、俺が死んでいる間に、妹レイラに向かって邪神テスカポリカがそう言ったらしい。
なんだよ、あいつったら喋れたのかよって感じだったけど……なんで、俺のこと知ってたんだろ?
そう言えば、そんな話しのついでに「いいの?本当は貴方が……その『千年求敗』って言う達人だったんでしょう?」そんな事を、エイドリアンが耳元でこっそりと言ってくれた。
でも、正直なところ俺はそれで良いと思っていたんだ。
だってさ、最強の剣士が女だったなんて、超格好いいよ。それに……俺は前々から本気でやってみたかったんだよね……師匠ってやつを。
最近は、あのエイドリアンの旦那様ロッ◯ーだって……歳には勝てずとうとう師匠側に回ってたしさ。カンフースターのジャッ◯ーだって……師匠役をやったでしょ。あとさ……あの有名なアメリカの戦闘機パイロットの映画だって……
もうね、世の中はヒーローではなく師匠の時代なんですよ……多分……。
いいじゃん……師匠。超カッコいいじゃん。
だから、前世の俺が散々こき使った『千年求敗』の名前は、今日をもって妹にくれてやるのだ。
だって、俺が主人公の物語は……初めから俺が師匠で妹が弟子の『剣なんて握ったことの無い俺がでまかせで妹に剣術を指導したら、最強の剣聖が出来てしまいました』なのだから。
第一章 完
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