第15話 雷雨になった話

会社で導入する新しい受発注システムの説明会に参加する為、出張することになりました。

ウチからは私と課長が参加する事になり、一旦会社に集合してから課長の運転する社用車で出発しました。会場までの道のりは途中で山越えするようなコースでしたが、車酔いにもならずに無事到着。


会場に着き、説明会に参加。まぁ便利機能がついてるのは新しいだけの事はあるけど、結局やることは受発注なんで、そんなに難しくはなさそう。特に問題なく説明会を終えて帰路につきました。



それで、帰り道。

ものすごい「どしゃ降り」になりました。


ワイパーを一生懸命モードにしても前が見えにくい程の豪雨、落雷のオマケ付き。

中央線もわかりにくく対向車がライト付けてなければ事故りそうということで、しばらく自販機のある登山道の入り口?みたいな所に車を止めて様子見する事になりました。


「雨も雷もすごいですねぇ」

『ああ、これは参ったな』

「まぁ夕立ならしばらくすれば落ち着きますかね」

『そーだな。ちょいと缶コーヒーでも買ってくる』

「雨すごいですよ?」

『目の前だし、なんとかなるだろ。買ってくるけど何がいい?』

「あー・・それじゃカフェオレで」

『わかった』


一分も掛からず戻ってきた課長でしたが結構濡れてました。

『ちっ・・甘くみてた』

「結構降られちゃいましたね」

鞄の中から持ってたハンドタオルを渡す。

『ありがとう、助かる。ほいコレ』

「あ、ありがとうございます」


コーヒーを飲みながら取り留めもなく話をしてると、めっちゃ近くに雷が落ちました。


ピシャッ!バリバリバリバリ!


『今のはビビった!』

「今のはヤバイ・・心臓バクバクいってます」



思わず課長の服を掴んでました。



外は豪雨と雷で視界ゼロ。



辺りに誰かいても分からない?



車内という密室で二人っきり?



これがいわゆる吊り橋効果的なやつ?



何かエロい予感がするシチュエーション?




いやいや、妄想してる場合じゃないでしょ。

てか、リアルは絶対しちゃいけないでしょ。

特に今の私は・・。



『さ、さすがに今のは怖かったな』

「・・はい」


止まれ


『早く小降りになってくれるといいんだがな』

「雨・・あと何分くらいこのままかな」


止まれ


『まぁ山の中だから、正直どうなのかわからんがなぁ』

「そうです・・よね・・」


止まれ


『そんなに雷が怖かったか?』

「はい・・」


止まれ


『・・いつも元気なのにどうした。ホントに大丈夫か?』

「その質問に、大丈夫じゃないって言うのは難しいんですよ」

『確かにそうかもな』

「私、割りと本気で大丈夫じゃない時にしか言われないんです、それ」


止まれ


『そりゃすまん。大丈夫じゃなかったか』

「雷怖いです・・大雨も・・」


止まれ


『そうだな。何も出来ないのは怖いよな』

「・・今だけ忘れさせてくれませんか?」


止ま・・らない


『・・どうやって?』

「他のことに意識が向けば、きっと怖くなくなります」


止まれない


『それは・・』

「課長、今だけでいいですから・・」


シートベルトを外し、私は身を乗り出す。少し後ずさる課長を追い詰め、吐息が掛かるくらいに顔を近づける。


「おねがい・・今は私だけ見てください」

『その、いいのか?』

「雨がやむまで、何されてもいい」

『・・まだやむなよ』


お互いの身体をまさぐるように触りながらキスをする。追い詰めてた課長が押し返してくる。

「あっ・・んっ・・」

胸を揉まれただけで甘い声が漏れる。

助手席のシートを倒し、腕枕のように回された腕に捕らわれ、キスしながら覆い被さってくる。寝転んだ私のスカートの中に課長の手が伸び、すぐに下着の中へ侵入してクリを的確に責める。

「あんっ!・・課長・・んんっ!」


しっかり濡れたのを確認するように指が入ってきて、ナカをかき回し、手のひらでクリごと押さえながら激しく動く。

「あっあっあっ!あっ!ああ!」


シテるのとは違い、自分の意思とは関係なく敏感な所をいじり回され、あっという間に限界を迎える。

「か、課長!いくっ!いっちゃうっ!」


強引に与えられた快感にビクンッと身体が弓なりになる。イカされた。


どうしようもなく気持ちいい




『大丈夫か?』

笑いながら課長が聞いてくる。

「だいじょうぶ・・ふわふわしてます」


『いい知らせがあるんだが』

「なんですか?」

『小降りになってきた』

「・・悪い知らせじゃないんですね」


あっさり帰り支度を進める課長。

なんだろう。課長は私とコレ以上したくないのかな。

『お陰でオレも雷の事なんか忘れられたよ』

「私もです。その、すみませんでした・・」

『いやぁ、意外な一面知れたからいいよ』

「むぅ・・」

『続きは機会があったら頼む』

「・・はい」


会社に帰るまで、課長の話を聞けた。

課長はバツイチ。忘れ物を取りに帰宅したら奥さんが自宅で他の男とシテる所だったそうで、修羅場を経て離婚したそうです。

あと、浮気現場を見た影響か・・それ以来ED、つまりアレが元気にならないとの事。

触ると気持ち良くなるし、射精するもするけど、固くならないんだそうです。

んで、先ほどの車内では、ムクムクとしたらしいけど、小雨に気付いた途端縮んでしまったらしい。


なんか重い話を聞かされたのもあって、自分の欲求に走って喜んでた自分が恥ずかしかったです。

会社に戻り、おつかれ、また明日って言われて別れました。




感想。良かった。


欠けてた部分を埋めてもらえたような満足感。短い時間の中で、私的には一番良い結果なんじゃないかって思えました。


ただ、自業自得なのは重々承知してるけど、明日から職場はどうなるんだろう?




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