第9話 両立が難しい話


アパートに帰り、一緒に階段を登り、おじさんの部屋の前で立ち止まる。ちょっと名残惜しい気がするのは私だけだろうか?


「今日は一日、ありがとうございました。楽しかったです。」


『俺のほうこそ、何からナニまで、本当にありがとう。』


「なんか言い方がヘンですが?」


『あはは、伝わったようで何よりだ』


「もう・・私との事はちゃんと秘密にしてくださいね。誰にも言っちゃダメですから」


『もちろん秘密にする。・・きっと忘れないよ』


お互いに近づき、触れ合い、優しいキスをする。


『「おやすみなさい」』





私の部屋に戻り、ベッドに倒れ、そのまま爆睡しました。


翌朝、平日なら遅刻が確定している時間に目を覚ます。休日定番の朝風呂を準備し、フルグラ牛乳な朝食を摂りながら昨日の洗濯物を片付けていく。カーテンを開けて外を見ると、駐車場におじさんの車は無い。すでに出掛けたようだ。


昨日は朝から夜まで、非常に濃い一日だったなぁと思いながら、今日は何しようかと考える。


おじさんが在宅中なら、壁をコンコン叩いて反応を・・・とか思ってしまったけど、昨日の別れ際のやり取りがすっきりしてたから、これ以上余計なのをひっぱるのは良くないよね。もうこのままそーっとしておこう。


・・そういや、最後のごみ出しを引き受けちゃったけどどうしよっかな。まぁ月曜の朝にでも受け取ればいいか。



おじさんに言われた事を思い出す。私はエロいらしい。しかもそれによって男性が自信を無くすという意見は衝撃でした。


過去に私をエロくなるよう仕込んだ男がいるんじゃないかと思われてしまう。それで自分がそれ以上にエロい事をしてあげる自信が持てず、戦意喪失してしまう。


私がエロい?のは私がそうなだけであって、誰かにそうなるようにされたつもりはないんだよね。基本的にネットの参考動画による知識と独学?です。

いっそのことそういう相手との肉欲の日々とか興味津々です。


そもそもセックスってそんなに気持ちいいと思わなかったのがスタート地点だった気がする。どうすれば気持ちよくできるんだろうというのがソロ活動の始まり。


最初にエッチな事が気持ちいいと知ったのはクリでの刺激。触ってると気持ちよくなって、さらに続けると我慢の限界を越える。これがイクって事だと知った時は達成感もありました。


それから自分の身体にどう触れれば感じるのか、胸は?お尻は?乳首は?ナカで感じてイクにはどんな風に刺激されたらいいのか?指とか鉛筆とか色々と試しました。今思えば、気持ちいいと思わなかった事を繰り返して、いつかコレが気持ちよくなるはずだからと経験値稼ぎをしていた気がしますね。


高校を出て社会人になり、自由になる資金と一人暮らしの時間を得てからは、色々と練習用の器具も調達して私の快感研究は大幅に加速しました。


電池で動くローター。その次は乳首を刺激してくれるやつだったかな。そこから男性のアレそっくりなディルド。振動やらピストンやら高機能なやつも導入。某通販サイトにはお世話になってます。


いい感じのもあれば期待外れだったものもあります。あと、精密機器っぽいヤツは割とすぐ壊れて動かなくなり、何度も試せなかった事が多いです。使い方の問題?


そういった自己鍛錬のおかげで、ちゃんとナカでもイケるようになりました。気持ちいいけどイク事はない時期が続いたので、ある日突然絶頂した時は感動しました。一番奥はトントンしたりぐっと押されるのが、Gスポット付近は撫でるような刺激が私には一番いいと知りました。


私の場合、ナカは気持ちいいと思う感覚を段々広げていかないとだめな感じ。なのでソロ活動でナカをいじる時は、かなり時間を掛けてやらないと満足な仕上がりになりません。


ちなみにソロ活動でナカイキするまで頑張ると、部屋が大変な事になる確率が高い。


単にクリだけの時とは汁?の量が違ってくるのでベッドの上だとタオルとかを敷かないと、お尻のほうに垂れるのが気になって集中できません。以前、新型器具を遠慮なく堪能していて潮を吹いちゃった時は、カーテンまで飛び散ったせいでエッチな気分が一気に冷めてパニックになりました。


お風呂ですればいいかと思ったんだけど、ベッドに横たわったりできないため、基本立ちっぱなしになるから疲れやすいのも難点です。昨日のラブホくらい浴室が広くてマットまであったら色々出来て良さそう。ちなみに浴槽に片足上げた状態で後ろからっていうのがお風呂でのお気に入り。


これがクリだと話が変わり、最初から強くしてもある意味問題なし。絶頂の浅い・深いは別になりますが、電マ君+ローターでの挟撃攻撃を行うと一分も持ちません。


世の中には問答無用でナカを突かれて感じられる人がいるのならば、まだまだ研究の余地はありそうです。




今更だけど、私が引っ越ししなきゃいけない時は、各種器具の処分に困るだろうなぁ。



あれって燃えるゴミでいいんだよね。



外からは見えないように古いタオルとかで包んで捨てればバレないかな。




後からごみ出しにきた人に見つかったりして・・



私が元の持ち主だってバレたりして・・



どうなるかな。気まずいだけ?私がソロ活動してるとこ妄想されちゃったり?





いかん。つい妄想ネタ探しに走ってしまいそう。考えようと思ったのは何だっけ。



私がエロいと思われないエッチとは、どういうものなのか?これに自分なりの答えを探さないといけない。



思いっきり受け身のほうがいいのかな?相手からサレてる事だけに反応すれば、私を気持ちよくさせてるって自信持てるんじゃないだろうか?




そういやこの週末、筋トレしてなかったな・・・やりながら考えてみよう。


EMS装着して電源オン、強さをそこそこ締め付けくるまであげます。


「ふっ・・・」


痛くなる手前まで強さをあげたら、ちょっと慣れるまで維持。


その後いつものように胸を触ってたときに思った。


きっとこれのせいで腹筋と一緒にナカの締め付けも鍛えられたんだよね?


じゃあ、今は意識せずにナカも締め付けるように動いてたりするのかな?





入れてみたらどうなるかな。




試すしかないよね♪



かさこそ・・・ディルド君一号登場。


ディルド君は電動とかではありません。割と柔らか目な材質でリアルな外見をしています。全長が私の手で約一握り半?初心者向けってなってましたがお気に入りです。ちなみに二号はふた握りある兄弟モデル。カタログ上は三号もあったけど手を出していません。


ローションを塗って準備完了。ずっと腹筋しながらの状態だったので入れるのに一苦労。緩んだ時を狙って半分、次に緩んだ時に全部挿入できました。


片手を股間にのばしたままの姿勢で腹筋締まるとキツかった。

なので右足を曲げて、踵でディルド君を押さえ、両手はいつもの乳首に移動させてクニクニ開始。


意識するとナカで捕まえてるのがわかる。勝手に締めて緩めて、でもそれだけ。気持ちよさが増したとかは特になく、思った通りの気持ちよさまで。

なんといっても勝手に締まる腹筋と、踵でディルド君を動かす事の両立ができない。難易度高過ぎた。


「あぅっ!」


頑張って踵を動かそうとしたら乱暴に突っ込まれた感じになった。セルフ強姦プレイなんて求めてないよ・・・




感想。期待したほど良くなかった。


ちょっと痛いと思ったら、怖くて動かしたくなくなってしまい、乳首とセットの絞めつけで、じわっとした快感はあるもののそこまで。何かもうちょい工夫したら発展は期待できそうだとは思いました。



ん・・・?何かやろうって思ってたような。なんだっけ。








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