第2項

何気なくテレビをつける。

見るたびに朝のニュースは報道とエンタメのどっちつかずを低空飛行していると感じ、その時の気分によっては辟易する。


髪を束ね、手慣れた様子で身支度を進める。

外は少しずつ明るくなってきている。


コーヒーをすべて胃に流し込み、日が昇り切る前に家を出た。


ドアを開けると、留まっていた冷たい空気が一気に動き出し肌を刺す。

お気に入りのマフラー。


電車に揺られ、彩りのないいつもの1日が始まったことを実感する。

ただ、日々を浪費する感覚。吸うわけでも吐くわけでもない。


周りを見れば、同じような人がたくさんいるように思えて自分が少数派でないことに少し安心を覚える。

そんな自分に少しだけ嫌気が刺す。

間もなく電車はいつもの駅に停まり、いつものように改札を出る。


太陽はすっかり昇りきっている。

マフラーと同じ色の空が広がっている。

喉を刺す違和感の正体が透き通る空を作り出している。

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