第2項
何気なくテレビをつける。
見るたびに朝のニュースは報道とエンタメのどっちつかずを低空飛行していると感じ、その時の気分によっては辟易する。
髪を束ね、手慣れた様子で身支度を進める。
外は少しずつ明るくなってきている。
コーヒーをすべて胃に流し込み、日が昇り切る前に家を出た。
ドアを開けると、留まっていた冷たい空気が一気に動き出し肌を刺す。
お気に入りのマフラー。
電車に揺られ、彩りのないいつもの1日が始まったことを実感する。
ただ、日々を浪費する感覚。吸うわけでも吐くわけでもない。
周りを見れば、同じような人がたくさんいるように思えて自分が少数派でないことに少し安心を覚える。
そんな自分に少しだけ嫌気が刺す。
間もなく電車はいつもの駅に停まり、いつものように改札を出る。
太陽はすっかり昇りきっている。
マフラーと同じ色の空が広がっている。
喉を刺す違和感の正体が透き通る空を作り出している。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます