第五話 お侍さん、冒険者の話に驚く(1)
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とりとめのない雑談をぼんやりと聞き流しながら、
命を救われたなどと
先ほどの戦いの様子や使い込まれた武具の具合から察するに、ずぶの素人ではない。しかし、初対面の武芸者の前でこれだけの不用心を
女
◆ ◆ ◆
何年か前、気まぐれで立ち寄った港町で新鮮な海の幸に
港の辺りが急に騒がしくなり、何事かと
「お武家さん、異人が珍しいのかい?」
不思議に思っていたのが顔に出ていたのか、
「ああ。話には聞いたことがあるが、実際見るのは初めてだ。あれが
「そいつぁ古い呼び方だ。お侍なら
「鎌倉の時代に攻めてきたという異人か。なら奴らは?」
「ありゃあ
どこか得意気に語る男は気を良くしたのか、こちらに煙管を勧めてきた。
「異人に種類があるのか? 皆同じ所から来ているとばかり思っていたが」
「俺の
いやに薄汚れていると思ったが、なるほど、永い船旅を終えたばかりならば
「遥か遠くの国か……。道理で随分と
黒須が素直に感心すると、男は照れ臭そうに無精髭の生えた
「いやぁ、実はその友達に誘われてな。船の中に南蛮の
「
「ははっ!! そいつぁ
「…………ああ、礼を言う」
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