第2話 黄昏プリンス

『イエローな王子様へ』


 ある時は、誠実そうに振る舞い、またある時は、子供のように悪戯っ子にもなる。 

 そんな、王子の本当の正体は?!高田純次の生まれ変わり、ザ・テキトー人間!!

 おっと、気を悪くなさらないでくださいね。私、褒めております。

 世間様が、肩ひじ張って真面目に頑張っている中、貴方様は肩の力を抜いて、風のように自由気ままに立ち回る。

 そのご様子が世間様には不真面目に見えることもあるようで……嫉妬や妬みから、炎上する事もあるでしょう。

 誤解される事もままありますが、本人は、『言いたいヤツには言わせておけ』と言ってる割に、地味にグサッとハートに突き刺さり、心で泣いてるクセに、批判なんてどこ吹く風を装ってございます。

 仕事も人間関係もゴチャゴチャした事が嫌いなので、効率性や合理性を望んでおられる。

 その割には、王子の頭の中は、いつも混沌と化した思考の渦。考え事に整理がつかずいつもゴチャゴチャ取っ散らかっている。

 頭が整理されてない状態でお話しすると、時系列も主語も飛び飛びで、ついたあだ名は、壊れかけのラディオ……

 普段、サボっているように見えて、実は頭の中は、誰よりもハードワークなんですね。

 基本的に飽きっぽく、人の話を聞かない所から、どちらかというと……差し出がましいようですが、ダメ寄りの人間(笑)


 しかし、頭の中の混沌と化した思考の渦から、ピカッと光る閃きやセンスを発見すると、王子は人が変わったように、とことん集中します。

 本人の自覚もなく、努力し知識やスキルを磨いております。

 そのご様子、まさにネコまっしぐら。


 王子にとって、混沌からの閃きが人生最高の瞬間。

 王子から、その“自由時間”が奪われてしまうと、心身ともに衰弱し、メンブレしてしまいます。

 そして、たま~にw良い事もするようでございますね。

 王子が幼少の頃でございます。覚えてらっしゃいますか?


 身体が不自由になってしまったばあやが、皆の迷惑になるからとお屋敷を去ろうとした時の出来事でございます。


 いつもワガママばかりの王子が、珍しく真面目な顔して背筋もピンッとし、ばあやの方に歩いていくので、

 王子がまた何かイタズラするのでは?!と、私が心配していたら……


 王子は、ギュッとばあやを抱きしめ。


「僕が、ばあやのママになってお世話するから、行かないで」と仰った瞬間、私はじめ、お屋敷の皆が滝のように涙を流しました。

 王子の意表を突く行動により、その感動は波及してゆき、やがて全米が涙しました……


 あの時の事を振り返ると、ばあやは「私は絶対に泣いてなんかいない!」と、意地を張るんですが、ばあやが一番ボロボロに泣いてましたけどね(笑)


 大人たちが何人も説得してもダメだったのに、王子の一言でばあやの心を動かしてしまうなんて……まさに奇跡を起こした瞬間でございましたね。

 決める時はしっかりと決める!さすがにカッコ良すぎます。


 王子は子供ながらに、大人たちの会話をずっと観察なさって、ばあやに身寄りがない事や、病気で老い先が短い事など全部知っていたんですね。


 なのに……あんなに感動したのに、あとで理由をお尋ねしたら、お小遣いくれて、おねしょを黙ってくれるからと聞いて、心底ガッカリしましたよ。

 でも、そんな打算的な所が王子らしいなとも思いました。


 王子の皆からの印象は、出来るだけ楽したい怠け者。ああ言えばこう言う偏屈な曲がり者、すぐ調子に乗るお調子者。

 でもお傍にいるほど、全く逆だって良く分かります。

 いつも、本当の本音の部分は、ユーモアや気の利いた嘘で影にかくしてございます。

 王子、良い所いっぱいあるのに、なぜ隠そうとするのか……

 私のもなんとなく王子の気持ちが判って来ましたよ。。。

 だって、『その方がカッコイイから!』www


 そんな貴方様は、敢えて空気を読まない事も出来る気遣いの天才でございます。

 ただ、プレッシャーに弱く、調子に乗ると、ドミノ倒しのように一気に崩れてしまうのも、王子のお茶目な所にございますw


 褒められると、クールを装ってるけど、実は内心メチャクチャ嬉しがる王子。はにかむ表情でバレバレです(笑)


 王子は、目立ちたがり屋なクセにシャイな恥ずかしがり屋さんですから、私が貴方様だけに聞こえるよう耳元で囁きますね。

 やっぱり、王子がイチバンです!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る