第5話 オキザリス

あなたは、努力家です。医者になるために一生懸命勉強して。それでも、思うようにいかなくて、わたしに八つ当たりなんかもしましたね。あなたは言っていました。「チクチクのトゲができて傷つけてしまう」と。だから、できるだけ1人で抱え込んでいたんでしょう。でも、あなたはわたしのことを1度も見捨てなかったよね。どんなに酷い点数をとっても、勉強を教えてくれたよね。いじめられた時、話を聞いて助けてくれたよね。今度は、わたしの番です。わたしが辛い時、逃げたい時、いつも隣にいてくれてありがとう。今度は、わたしが辛い時、逃げたくなった時、あなたを助けます。どんなことがあっても、わたしはあなたのことを嫌いになりません。あなたがわたしのことを嫌いにならないのと同じです。あなたのことをひとりぼっちになんてしません。わたしは、あなたよりも頼りなくて、力もないです。あなたよりも優れていることはほどんどありません。それでも、わたしはあなたのことを決して離しません。

オキザリス…「決してあなたを離さない」

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