再鑑定

「そうなんだ……」


「そういうわけで私はハイント・ミラベル。ハイント公爵家当主にして、王立ネルスト学園学園長。そして王立魔法研究所の所長もしておる」


「なんか、すごい肩書きですね……」


「何、実際に仕事があるのは公爵家の仕事と研究ぐらいで、学園長なんて肩書きだけのハリボテじゃわい。それよりも!」


ハイント公爵様は、目をキラキラと輝かせて僕のことを見てくる。


「魔力が回復できるというのは本当か!?ルースの言うことを信じてきてみたが……」


僕は少し緊張しつつも答える。


「……はい。確かに回復します」


僕がそういうと、公爵様は机の上にドンと何かを取り出した。


「ちょっとこれに触ってみてくれ!」


「これは……」


前にも一度見たから覚えてる。

これは魔力の量を見る道具だ。


「やっぱり実際に見るのが1番早い!」


「は、はい……!」


僕は恐る恐るそれに手を触れる。

すると、前と同じように自分の魔力が表示された。


        1365/∞


そしてタイミングよく、次の瞬間、


        1366/∞


と魔力量が増えた。

それを見た公爵様は、ものすごく感動した様子で、


「おおおおおぉぉぉ……!」


と声をあげていた。

隣に座っていたミュリエルさんも


「こ、これはすごいですね……」


と感嘆の声をあげている。

兄様は「どうだ、うちの弟は!」といった感じでドヤ顔している。


……正直恥ずかしい。


「こんな能力があるなら今まで止まっていた研究もジャンジャン進むじゃないか!?」


公爵様はすごくウキウキした声で言った。


「あれもこれも、どうしても魔力が使いにくくて進まなかった研究も!なんでハウスト公爵はこんな才有る人物を勘当なんてしたんだ!?うちの子にしたい!」


それを言われて僕はびくっとなってしまった。


「……残念だが、リックはうちの弟なんだ。最終的にはリックの意思が第一だが、ミケアも悲しむし、できれば何とかして勘当を取り消したいからそれは無しで頼む。


ルース兄様は、真剣な顔でそう公爵様に言った。

公爵様は、一瞬厳しい顔をしたが、すぐに柔らかい顔になって言った。


「……そうだね。うちの子にしたいって言うのは軽率だったね。すまない。……まぁどうせ、家族ぐるみの付き合いになるしね。ねぇ、ミュリエル?」


そうやってにやけてミュリエルさんをつつく公爵様。


「まぁ、確かにそうだな、ミュリ?」


ルース兄様も同じようににやけてミュリエルさんを見る。


ミュリエルさんは顔を真っ赤にして「もうっ!!」と顔を隠した。



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