MpD

——翌朝。

はっと目を覚ました僕は、ボードを見る。


昨日寝てしまったせいで、まだボードは魔力が0のままのはずだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

              魔力 3                    

               ____                    

              |クリック|

               ————

MpD:12.00 MpC:1.00

ショップ◀

称号◀

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「あれ……?魔力が増えてる?昨日クリックしたっけ?」


僕が昨日のことを思い返しているうちに、ボードに変化があった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

              魔力 4                    

               ____                    

              |クリック|

               ————

MpD:12.00 MpC:1.00

ショップ◀

称号◀

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「あれ?また魔力が増えてる?もしかして、魔力って自動で増加するの!?」


もしくは、左側にあるMpDが作用しているのかもしれない。


「とりあえず、クリックして魔力を貯めておこう……」


僕はそのまま100回ほどクリックを繰り返し、魔力を百まで貯めた。

丁度そうしたときに朝食に呼ばれたので、朝食を食べた後、しばらく入学の事などの作業をしてから、再度僕はボードを見る。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

              魔力 105                    

               ____                    

              |クリック|

               ————

MpD:12.00 MpC:1.00

ショップ◀

称号◀

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「やっぱり増えてる……」


さっき、ご飯を食べる前までは104だったのでやっぱり一つ増えている。

大体2時間で1魔力が増えている。


「2時間で1魔力が増えるってことは、一日で12……」


どうやら、MpDというのは、一日で自動的に増加する魔力量みたいだ。


「すごいな、コレ。このまま称号を得続ければ、もっとたくさん稼げるようになるのでは?」


そのためにも、今はクリック回数を稼ぎたい。

でも、その前にもう一つ気になる項目があった。


「ショップってなんだ?お店の事だろうけど、何が買えるんだろう?」


僕はボードのショップの部分をクリックしてみる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

              魔力 105                  

               ____                    

              |クリック|

               ————

MpD:12.00 MpC:1.00

ショップ▼

マジッカーボード 必要魔力1  所持数0  MpD+0.1

鋼の肉体   必要魔力40  所持数0  MpD+0.5

精霊さん  必要魔力150 所持数0 MpD+1.0

???

称号◀

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「えっ!?」


そこには、どうやらMpDを増加してくれるらしいものが販売されていた。


「これって、沢山あればあるほど効果が増すのかな……?」


僕は試しにマジッカーボードを一つ購入してみる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

              魔力 104                    

               ____                    

              |クリック|

               ————

MpD:12.10 MpC:1.00

ショップ▼

マジッカーボード 必要魔力2  所持数1  MpD+0.1

鋼の肉体   必要魔力40  所持数0  MpD+0.5

精霊さん  必要魔力150 所持数0 MpD+1.0

???

称号◀

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ちょっと増えてる……」


MpDの値が0.1増えている。

そして、次を購入する場合には、必要な魔力が増えるらしい。


「とりあえず、マジッカーボードを買えるだけ買ってみよう!」


僕はとにかくマジッカーボードを連打する。

すると……。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

              魔力 11                    

               ____                    

              |クリック|

               ————

MpD:13.00 MpC:1.00

ショップ▼

マジッカーボード 必要魔力21  所持数10  MpD+0.1

鋼の肉体   必要魔力40  所持数0  MpD+0.5

精霊さん  必要魔力150 所持数0 MpD+1.0

???

称号◀

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ちょっと増えた……」


マジッカーボードは合計で10個も購入出来て、MpDが1増えた。


『マジッカーボード購入数が10個突破:実績が解除されました

『マジッカーボードの使い手』

実績を有効化するには称号欄から有効化してください』


「え?」


僕は慌てて称号欄を確認する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『マジッカーボードの使い手』必要魔力量 50 マジッカーボードのMpD×2 MpC×2

マジッカーボードを10個購入した。

これで君も、マジッカーボード使いだ!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「これは……!」


僕は急いで50回クリックして、これを購入した。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『マジッカーボードの使い手』入手済み マジッカーボードのMpD×2 MpC×2

マジッカーボードを10個購入した。

これで君も、マジッカーボード使いだ!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


僕は、ボードを見た。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

              魔力 11                    

               ____                    

              |クリック|

               ————

MpD:14.00 MpC:2.00

ショップ▼

マジッカーボード 必要魔力21  所持数10  MpD+0.2

鋼の肉体   必要魔力40  所持数0  MpD+0.5

精霊さん  必要魔力150 所持数0 MpD+1.0

???

称号◀

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「おぉ!すごい、増えてる!」


僕はだんだんとにやけが止まらなくなってきた。

こうやってどんどん良くなっているボードを見ると、凄く気持ちがいい。


「なんか、もっとやりたくなってきた……!」


僕は、そこからしばらく、クリックしてはアイテムを購入することを繰り返した。

すると……。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

              魔力 342                    

               ____                    

              |クリック|

               ————

MpD:822.00 MpC:32.00

ショップ▼

マジッカーボード 必要魔力1410 所持数50  MpD+16

鋼の肉体   必要魔力244  所持数10  MpD+1.0

精霊さん  必要魔力150 所持数0 MpD+1.0

???

称号◀

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ひとまずこれだけ稼げた。一日に822も魔力を稼げるうえに、ワンクリックで32得られる。

百回クリックするだけでも3200。これはとんでもない!


「ふ、ふ、ふ……!」


ポチポチとして増えていく魔力を見るのは思った以上に面白い。


「もっと、もっと……!」


そう思っていると、扉がバタンと開いた。


「リック!お前、魔力が無尽蔵にあるってことだよな!?」


そこにはキラキラと目を輝かせるルース兄様がいた。


「そ、そうだけど……どうしましたか?」


ルース兄様は僕の肩をがっしり掴むと言った。


「リック、研究者にならないか!?」

「え?」

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