誘拐されたJKと誘拐した犯人

外国かぶりの純血日本人

一話完結

そのJKは塾に向かい歩いていた。

一方で、誘拐を計画する犯人はその背後を付いていた。JKが信号待ちしている誰もいない交差点で犯人は背後からバックハグそしてバックガス、加えて会心の一撃、催涙煙。JK,ひいひょっとぞ倒れける。

----------犯人の家-------------

JKは目覚めると、犯人とご対面した。

「こんにちは。ここはあなたの家ですか?それとも愛人の家?そんなのどうでもいいか。初めましてこんにちは。そしてさよなら。グッバイ、人生。カモンぬ転生。転生って本当にあると思う?どうなんだろう。わいは、あると信じたいね。だって、そのほうが面白いでしょう?でも前世の記憶は残るのかな。もしかして、能力も残ったりして、、。それはやだなぁ。せめていまの150倍、いや1000倍頭良くなりたいな。欲を言えば、金持ちの家に生まれ変わりたい、可愛くありたいものだなぁ。あは、詠嘆を使っちゃった。あっちゃぁー学校の授業ちゃんと受けてることバレちゃった。あー、恥ずかしい。もうお嫁にいけない。うぎゃーーーーー内緒だよ?誰にも言っちゃだめだよ?あ、思い出した。わいの国語の先生はめっちゃ可愛いんだよ。知ってた?もうほんとね、顔がタイプで、、、、、」

「おい。少し黙ってくれないか?この状況においてなぜそんなにも冷静なんだ?普通、犯人が冷静であって、被害者であるお前がもっと取り乱して、困惑するんじゃないのか?なぜ犯人である私がこんなにも困惑しているのだろうか。どちらが犯人なのかわからなくなってきたぞ。」

「安心して、さ、犯人さん。いや犯沢さん。深呼吸しよ、ね?せーの、ひ、ひ、ふーーーーーーーーーー、ひ、ひ、ふーーーーー。」

「いやちょっと待て、私は犯沢さんじゃないし、使っちゃいけないと思うよ?あと、深呼吸になってないから、妊婦さんじゃあるまいし。」

「犯沢さん良いツッコミをありがとう。これで安らかに死ねるよ。」

「いや、勝手に死ぬな。お前は私が殺してやる。」

「あっははっは。」

「なぜ、笑う?」

「うれしいからだよ。」

「何故?」

「わいにとって、死とは人生のゴールだから。」

「何故」

「わいはね、苦しい時に悟ったんだ。ねえ、苦しい時って「死にたい」って、「解放されたい」って思うでしょ?でも、苦しんでるのは自分が限界を超えようとして、努力してるときでしょ?でもその努力をやめれば楽になれるってのは誰にだってわかること。ここでやめるのか、苦しみつつ続けるのかが人生の分岐点だと思うの。わいはここで、苦しみつつ続けることを選んできた。なんでだと思う?」

「将来、金持ちになれるからか?」

「ううん、違う。金なんて普通のサラリーマンの月収と同じぐらいがいい。所詮価値が変動するものなんだから。不景気が来ればそれは価値を成さない。ただの塵と一緒だ。土のほうが価値がある。種を植えれば高確率で育つからね。おっと、脱線してしまった。これ以上焦らしたら、犯沢さん怒っちゃうよね?ごめんごめん許してちょ。それではお待ちかねの答え合わせたーーーーいむ!この答えは、ただ一つ。死を人生最大の楽しみと思っているから。苦しみ続けてれば、死ぬとき「やっと解放される。」って最大の快感を得られると思うんだ。死を全力で迎えられる。これは素晴らしいことだと思うの。人間は誰しも平等に生きる権利があって、死ぬ権利がある。これは誰にも干渉されてはならないのでって、自分で理解していないといけない。せっかく生きる権利を持っているのだから、死に際だって楽しくいたいじゃん?後悔して死にたくないじゃん?だから、全力で努力して、死ぬときが来たら死を噛みしめて死ぬ。これがわいの生き方。どう?素敵でしょう。」

「たしかに、お前の人生観はよくわかった。お前にいじられるのは癪だがな。だが、人に殺されるのはその死ぬときってのに当てはまっていないのではないか?まだ寿命があるのに人によって故意的に切られるのだから。努力が無駄になる。だから、おまえは殺されるのことを拒否すべきなのではないか?」

「それは違う。死ぬときっていうのは何であってもいい。殺害されるでも、病死でも、事故死でも、寿命でも。たとえ、知らない人に殺されるのでもね。さらに言えば、他者によって殺されるのは少し嬉しい。」

「何故」

「その人の瞳に、私の死に際が刻まれるから。その人にとって、わいを殺すときにわいをどう殺すか考えるでしょ?それが嬉しんだ。自分以外の人間がわいのことを思ってくれてるってことだろ?最高じゃないか。そしてわいが死んだら、そいつの頭の中でずーーーーっとわいは残り続ける。死んでも、そいつの頭のなかで生き続ける。つまり、わいの存在が消えることはない。だから、犯沢さんに殺されるのだって怖くない。そして、こんなに人生観を人に語ったのは初めてだ。ありがとう。そんな人の頭の中に刻まれるなら理想の死だね。ありがとう。」

「あー、ね、なんか、殺したくない。」

「殺さなくていいの?まあどっちでもいいけど。殺さないならコーヒーおごってよ。」

「ああ、いいさ。お前みたいなやつはもっと苦しんで生きればいい。そのほうがお前にお似合いだ。」

「あはは、それ褒めてる?」

「ああ、今世紀最大の皮肉だ。」

「いーねぇー。ワースト皮肉賞いただいちゃった。わいたちいいコンビになりそうだね。」

「お前とは今回限りで御免だ。」

「あんなに熱く語り合ったのに?」

「お前の一方通行だったさ。何一つ響かなかったね。」

「嘘つき。」

「お前ほどではないさ」

ふたりの頬に一筋の水滴が伝わっていた。


        ーーーーーー3年後ーーーーーーーー

「犯沢さーーーーーーーーーーーーーーん。」

「いい加減その呼び方変えないか?JK」

「犯沢さんだってJK呼びやめません?もうJKじゃないです。周りの視線が痛いお年頃です。」

「じゃ、名前で呼ぶか。」

「そうしましょう。」

「いくぞ、ジュリエットロバートソン」

「はい、ロミオネア」

         ーーーーーーENDーーーーーーーー

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