間違った心霊法

1話

「今日は、こちらのお宅に行ってもらおうかな」

 コノハが快斗とりんね達に書類を差し出す。

「わかった」


 二人が今回向かう場所は渡辺さん宅である。一年ほど心霊現象に悩まされており、霊能者に相談したが、その霊能者がエセであり、心霊現象が悪化してしまったそうだ。

「間違った心霊法ですね。このテキトーに書いた呪符が逆効果になっています」

 快斗は部屋中を貼りめぐらされた呪符を、りんねやハリ太郎、ユキちゃんと共に剥がしていく。

 その呪符には悪い気が吹き溜まっており、一つ一つ浄化していくのが面倒臭くなった快斗は聖水を吹きかけ、一斉浄化を行った。

「これで完了です」

 辺りは清浄な空気に包まれた。

「また怪しい輩が現れたら言って下さい」

 快斗は名刺を渡す。その名刺には天界に繋がるメールアドレスが書かれている。


 天使はこういう地道な仕事も請け負っている。


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