アインとリリィ  ~出会い~

1話

「葉月、お前に後輩ができるぞ」

「わーい、やったー!」

「さあ、後輩の登場!」

「リリィデース。シクヨロ」

「アメリカ出身で、これから異世界人の守護天使になるんだ。まだ誰の守護天使になるかは決まってない、葉月と一緒に決めてもらう」

「分かったよ!」

 リリィの肩から、ぴょこっとハムスターが現れる。

「パートナーのハム次郎だぜ! よろしくだぜ!」

「二人共よろしく~」

「じゃあ、早速、異世界へレッツゴー!」


「葉月先輩の後輩のリリィデース。シクヨロ」

「葉月と一緒に旅をしているノインだ。よろしく」

「俺はロッソだぜ」

「シアンだ。シクヨロ」

「皆さんは異世界でどんな冒険してきたノ?」

「最初はドラゴンを倒したり」

「オー、ドラゴンがいるデスネ」

「妖怪とバトルしたり」

「日米混合ネ」

「俺が間違って地獄に落とされたりな」

「オー、それは大変デシタネ」

「とにかく色々あったんだよ」

「私も早く冒険したいデース」

「その前に誰と冒険するかを決めないとね」

 葉月は今まで出会った人物を思い浮かべる。

「あっ、アインさんとかどうかな?」

「確かに、いいわね。私達より良い暮らしができるのは癪に障るけれど」

「アインサン」

「優しい良い人だよ」


             ◆


 私は絵を描くのが好きだった。

 その日も絵を描いていた。

 何か物足りないな、そう思った時だった。


 天使が舞い降りた。


「君は?」

「リリィと申します。よろしくお願いします」

「リリィ。君は天使かい?」

「はい。アイン様の天使でございます」

「そうか、私の、天使か……」

「はい」

「君の絵を描いてもいいだろうか?」

「はい。私なんかで良ければ」

「君だから良いのさ」


             ◇


「何か作風が違―うっ!」

「これは翻訳の問題ね」

「翻訳?」

「リリィは私達の前だと本来のカタコト外国人風だけど、アインの前だとお嬢様風でしょ。それはアインが、そういうリリィを求めてるから、そう聞こえるようになるのよ」

「そういうものなんだ」

「そうよ」


 こうして出会ったアインとリリィ。

 二人の冒険?は、まだ始まったばかりだ。

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