ノインとアイン

1話

「今回は俺に付き合ってもらえないか?」

 ある日、ノインが、こんなことを言った。

「いいけど、何をするのよ」

「俺の故郷に来てほしいんだ」

「ノインの故郷って何処?」

「プロイセン王国」

「そう」

 モモちゃんがエンジェルフォンで行き方を調べる。

「ここから寝台特急に乗って行くのが近いわね」

「しんだいとっきゅう?」

「寝ている間に目的地に運んでくれる乗り物よ。ロッソとシアンは汽車に乗ったことある?」

「ない」

「じゃあ、初めて見るわね。楽しみにしてなさい」


 駅に着いた。

 汽車や普通電車を見たロッソとシアンは、はしゃいでいた。

「大きい!」

「これが私達を遠くまで運ぶのよ」

「すごい」

「じゃあ、切符を買って、乗るか」

「きっぷ?」

「汽車に乗るための厚紙よ。これがないと汽車に乗れないのよ」

「へえ」


 切符を買って、ロッソとシアンにも渡す。

「絶対になくさないようにね」

「「うん」」

 寝台特急に乗り込む。4人部屋を取り、モモちゃんは寝る時だけモモンガ姿に戻ることにした。


「先に飯でも食うか」

「食堂車があるわよ。行きましょう」

 食堂車はビッフェ形式になっていた。

「食べきれる分だけ取るのよ」

「「はーい」」

 ロッソとシアンは大食いなので、ビッフェ形式は有り難かった。

「おいおい、食べ尽くしちまわないようにしろよ」

「分かってる」


 満腹まで食べたロッソとシアンと共に、葉月達は部屋に戻る。

「おやすみなさーい」


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