第1話 僕から見た彼女
更新が遅れてしまい、誠に申し訳ございません。更新が遅れないように頑張っても、遅れてしまう自分が憎らしいです。
……前置きはこれまで。それでは、本編をお楽しみくださいませ。
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起床してからは朝食をとる。朝食のメニューは野菜がたくさん入った塩味が薄い(というかほぼない)スープに硬いパン。……既にこの質素な食事にも慣れてしまった。日本人は舌が肥えているというが、僕の舌は肥えていなかったのかもしれない。なにせ、病室に籠っていたからな。
朝食をとり終わったら昼まで勉強。今日は歴史学に地理学、政治学を中心に勉強する予定だ。
数学はまだ小学生レベルなので余裕だが、歴史学や地理学はそうもいかない。一から学ぶとなると相当な時間を要する。ちなみに、政治学はまだ歴史学や地理学に比べるとできるぞ。一応、ある程度は理解しているので一から学ばなければならないわけではないからな。
まあ、勉強は好きなのでこの時間は苦ではない。問題なのは午後からだ。
***
歴史を学ぶのは楽しいものだ。あの世界にいた頃は歴史書をいくつも読み、数周したことがある。
……現実逃避はここで終わりだ。そろそろ現実と向き合わなければいけない。
空を白い雲が覆い、太陽の光を遮っている。そんな絶好の運動日和に、僕とソルデウス、ティグリスは家の外へ出ていた。
「まずは準備運動をして、終わったらこの木剣で上下素振り、正面素振り、斜め素振り、早素振りを各50回やってね」
ティグリスがいつものように、トレーニング内容を言っていく。それをソルデウスが「聞き飽きた」と言わんばかりに準備運動を始めるのがお決まりだ。
なお、僕にとっては素振りはまだマシな方。初めの頃は、素振りの種類や方法はある程度知っていたが、
「それも終わったらランニング5周をして、ここに集合。じゃあ、始めてね!」
さて、始めるとするか……。
***
「はぁっ、はぁっ……」
晴れの日以外は続けていることだが、まだ慣れないというか、身体が悲鳴をあげる。少しすればまたよくなるのだが、きついものはきつい。
一方で、ソルデウスは涼しい顔……ではなく、少し疲れているよう。だが、顔が晴々としている。
表情にこそ出ていないが、大分疲弊している僕と比べたら体力の差が目立つな。いずれソルデウスに並ぶくらい体力をつけたいものだ。
それから数分休憩をとると、遂に地獄がやってきてしまった。
「じゃあ、今回も僕と模擬戦をしよう……と思ったんだけど、急用が入ったので、ステラちゃんが相手することになったから。ステラちゃん、あとは頼んだよ」
そう言って去っていくティグリス。……ステラが相手、か。接する機会はあまりないが、彼女の実力は知っている。ソルデウスとステラが二人でティグリスに挑んでいる姿は圧巻だった。ソルデウスは早々に離脱してしまったものの、一人で粘っていたのは凄いと思う。それも、傍から見たらただの華奢で可憐な少女なのだから、初めて見た時は目を見張った。
僕から見てもステラの容姿は整っていると感じる。その容姿に惑わされ、油断してしまえば一瞬にして狩られてしまいそうなので、彼女の一回りほど強い男性よりもよっぽど恐ろしい。
……長々と語ったが、それでもティグリスの方が恐ろしい。強さの桁が違うということは僕でも理解させられる。
なので、今回はティグリスとの模擬戦よりも幾分かマシなのでは……と思う。
――この浅はかな考えを即座に撤廃したくなるほど、ステラとの模擬戦はティグリスとの模擬戦よりも地獄と言えることを、僕はまだ知る
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