第9話 武器製作(石器)刃&柄
更新が遅れてしまいました。誠に申し訳ございません。
そのお詫びに、この話はボリュームを増やすことに致しました。今回もお楽しみになさっていただけたら非常に嬉しいです。
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水は木苺から摂取できるから、
「僕の手で動物を狩ることは出来なさそうだな。時間はかかるが、確実に狩るために武器を作るか」
武器とはいっても簡単なものだ。僕は石器(打製石器)をイメージしている。
動物を仕留めるのに適した武器は
なにより、他の武器(剣や斧など)より作りやすいのである。石を使う部分が比較的少ないからそれほど手間がかからない。
ただ、同時に欠点も複数存在する。携帯に適していないことと、近接戦闘に向いていないことだ。
まあ、僕は動物を少し離れたところから狙う作戦で狩ろうと思っているので、近接戦闘に向いていないことは関係ないと思う。携帯に適していないことは……置いておこう。
このようなことを
では早速、製作に取り掛かるとしよう。
今回作る槍は、
その槍を作るために、まずは材料探しから始める。必要な素材をざっくりまとめると、「石」、「木」、「
では、材料について軽く説明しよう。
石は槍の刃に使う。できれば緻密で硬くて割りやすい石がいい。柔らかいとすぐに破損するし、割れにくいと鋭くならないからだ。
木は槍の柄に使う。これは程よい長さなら何でもいい。僕なら本格的な武器を作るときは柄に使う材料をよく考えるが、今回作るのは狩りのための武器なのでなるべく早くつくりたいからだ。
紐は刃と柄を接着するのに使う。今回は
……槍に使う材料についてまとめていたら、ナイフが必要だということが判明した。
主に柄の先端部に切り込みを入れるときや動物を解体するときなどにナイフを使うだろう。
……予定変更だ。材料はナイフ用と槍用を集める。ナイフは槍と同じ材料(大きさは違う)を使うので、集める量が2倍になった。
「時間が掛かって大変そうだな……。今回のナイフは槍と同じように作るから、槍を作る練習だと思えばいいか」
まずは石から探そう。石は川原に沢山あるので、川に移動することにした。
「今回は早く見つかるといいな……」
あの時は川が全然見つからなくて途方に暮れていた。だから、川の水をそのまま飲んで食中毒になってしまった。
これからはそのような過ちを犯さないようにしないといけない。
僕はそう思いながら前に進んでいった。
*
以前とは違って、出発から数分後に川に着いた――
ことなんてなかった。そうなったらどんなによかったことか。
現在は出発してからおよそ1、2時間程経った頃。僕は川を見つけられなくて途方に暮れていた。
おまけに、これまでは熊と蜘蛛を除いて全くいなかった動物を沢山見かけたのだ。武器がない今では狩ることができないので、ただ見ていることしかできない僕が惨めに思う。
「これがいじめか……」
僕はいじめというものを生まれてから経験したことがなかった(
しかし、今はいじめを体験している。いじめはこんなに辛かったのか……。
他の人もこれを経験して成長していくのだろう。そう考えると楽に感じた。
そして、僕はあることに気づいた。
「そうか、これは普通の人生を歩む為の試練なのか!」
それならば乗り越えなくてはならない。こんなところで
僕はまた一歩を踏み出した。
*
それからおよそ1分後。
無事に川が見つかりました。
「……」
おかしい。やっぱり僕が惨めに見えてくる。「何時間経っても諦めない」と心の中で宣言してからすぐに川が見つかった。
「……まあいい。早く見つかることに越したことはないからな」
川に着いたので目的である石探しを始める。
……ちなみに、この川はあの時にお世話になった川とは別のものだ。形が違うし、魚がいる。
それはさておき、条件にあった石を探さなければならないので目を凝らす。
それから数分後。候補が
石器によく使われていた石は、ガラスに似た「黒曜石」、安山岩の仲間の「サヌカイト(
候補の石はそれらに似た石だ。
では、今からナイフの刃を作っていこう。作り終わったら槍の刃製作に取り掛かろうと思う。
*(石をぶつけ合ったりするだけなのでカット)
およそ1時間後。ナイフと槍の刃を作り終わった。
刃にどの石を使うのか結構迷ったが、最終的にチャートに似た石と黒曜石に似た石に決まった。決め手は、切れ味の良さと、作り易さである。
では、出来上がった刃を紹介しよう。
まずはナイフの刃から。ナイフの刃に使った石はチャートに似た白い石。刃渡りが約15cmで厚さは3mm以下。
次に槍の刃。槍に使った石は黒曜石に似た黒い石。刃渡りは約18cm、と槍にしては刃渡りが短く、厚さは約5mm。
日本で所持していたら、確実に銃刀法(正式には、銃砲刀剣類所持等取締法)違反で逮捕されるだろう。
……紹介は以上だ。とにかく、刃を作り終わったので、の製作に取り掛かかる。
柄を作るためには木材が必要だ。幸い、原木はそこら辺に沢山あるので量は余裕で確保できる。ただ、問題が一つあるんだよな……。
その問題とは、原木を切るのが難しいことだ。ここの木は直径が30cm以上あるし、現在所持しているナイフの刃と槍の刃はもともと原木を切るのに向いていない。
細い木があれば話は別だが、そもそもあったらこんなことは話していない。
「細い木を探しに行くか」
思い立ったが吉日だ。2つの刃を手に持って歩く。早く見つかると嬉しい。
……最近は似たようなことを考えたり、してばっかりだと思った。
*
願いが叶ったのか、割とすぐに高さ1mの若く細い木(直径5cm)が見つかった。
刃渡りが長い槍の刃を使って切ろう……と思ったがやめる。両刃なので怪我をしてしまう可能性があるからだ。
結局はナイフの刃を使うことにした。ナイフの刃は片刃なので
木に刃を当て、そのまま前後に動かすとギコギコと音を立てて切れていく。それを数秒続けたら木が倒れた。
「思ったより簡単に切り倒せたな。もっと時間が掛かると思ったんだが……」
ナイフの刃の切れ味はなかなかのものだったようだ。時間がそれほど掛からずに切り倒すことができた。
木を切り倒したら、次は加工だ。
今のままだと太いし、握り心地も悪いから木の皮を剥いだり削ったりしていこう。
それから数十分経ち、ナイフと槍の先端部に切れ込みのない柄が完成した。加工してわかったのだが、この木は色が白っぽく、柔らかくて軽い性質があった。折れに対する強さは、強くもなく弱くもないといったところ。
そんなことは置いておいて、完成した柄を紹介しよう。……この流れは見たことがあるような気がするが、気のせいだろう。
まずはナイフから。ナイフの柄は長さが――って、切れ込みを入れ忘れているだと!?
どうやら柄はまだ完成していなかったようである。
▽
急いで切れ込みを入れたので疲れた。しかし、まだ紹介が終わっていないので休めない。
……それでは改めて紹介しよう。
まずはナイフの柄から。ナイフの柄は長さが約11cmで、形は円柱。直径は約2cm。
次に槍の柄。槍の柄は長さが約85cmで、ナイフの柄と同じで形は円柱。直径は約2.5cm。
……紹介は以上だ。流れは刃の紹介と同じような感じだったな。
おっと、感想はどうでもいい。今は刃と柄を接続してちょうどいいか試さないといけないからな。
刃と柄を接続していく。少し合わなかったところは削って調節する。
調節が終わった柄に刃を差し込む。
……刃と柄を接続してみたがいい感じだ。ただ、振り回すと外れてしまいそうなので麻紐で固定しなければならない。
麻紐製作はこれまでで最も時間が掛かる。最悪、数日も掛かるかもしれない。
麻紐製作では麻を作るのが一番大変だ。しかし、麻さえあれば紐は簡単にできるはず。
よし、まずは火を起こす用意から始めないと。
僕は麻紐製作の為に動き出していく――
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この話で動物を狩るところまでいきたかったのですが、麻の作り方を調べて諦めました。
次回は「第10話 武器製作(石器)麻紐」です!
動物の狩りは第11話の予定になっています。
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