第13話:終幕

「お前たち、動くんじゃない」

雨草あまくさ先生はナイフのようなものを紫苑しおんに突きつけている。

擁斗ようと、君は僕が思っていた以上に優秀な生徒だったみたいだね」

「紫苑を離せ」

「君の言う通りだよ、すべて僕が仕組んだことだ。僕はね、前の学校で受け持ったクラスでいじめがあってね、それを防げなかった。だから、アプリを仕込んで、このクラスを支配しようと決めた。いじめを事前に察知し、未然防ぐために」

先生はゆっくりとレクレーションルームの教室を出ようとする。

「雪乃さんが悪いんだ。僕の計画に気づいてね。だから死んでもらった。無念だったろうよ、汚職事件を調べて真相に辿り着いたのに、それが全部無駄になったのだから」

「無駄にはしない!」

「そうか、彼女の想いに答えるのか。まあそれも良いだろう」

雨草先生はグッと紫苑を羽交い締めした腕に力を入れる。

「きゃー、助けてー」

紫苑の叫び声が教室に木霊するのだが・・・紫苑、大根すぎだろ・・・。

僕は先生ににじりよる。

「紫苑を離せ!」

語気を荒らげて、僕は先生に飛びかかろうと構えた時・・・バッバババババーッという音とグェという先生の声。

紫苑がスタンガンを先生に押し付けていた。

「どっから持ってきたんだよ、そのスタンガン」

「言ったでしょ、ワタシの義足は特別製なの」

どうやら、義足に隠していたらしい。紫苑の義足には他にもスプレーのようなものなどがセットされていた。

四次元ポケットか。


紫苑は雨草先生を後ろ手にして縛る。

「さてと、最後の仕上げに行きますか」

皆があっけに取られていた中、一人淡々と作業をして話を進めようとする紫苑。

「何がどうなっているのか、よく分からねーんだけど」

重音流の言葉はいつも的確だ。

「ここからは、ワタシが話すね」

そういって紫苑はズンズンと歩き教室の前に立った。

「雪乃さん殺害の方法については、もう1つ明らかにしないといけないことがあるの。それは雪乃さんのスマートフォンが機内モードになっていたこと」

「機内モードって、飛行機とか乗るときのやつ?」

重音流が疑問を口にする。

「そう。機内モードにすると電話やWi-Fiが使えないのよね。つまり、外部から遠隔で操作ができないわけ。おそらくだけど、雪乃さんは勉強に集中するために機内モードにしてたんじゃないかなって思う。それが逆に、今回の事件を難しくしてしまった原因でもあるのだけれど」

「外部から操作できないってことは、そのさっき擁斗が話した信号音を鳴らすのも無理なんじゃないのか?」

「その通り。電話やWi-Fiでは無理なの。でもね、もう1あるの」

「もう1つ?」

「そう。それがBluetooth。機内モードにしてもね、Bluetoothはオンになったままなの。Bluetoothはキーボードとかワイヤレスイヤホンとかのペアリングに使われたりする機能なんだけど、Bluetoothには制限があってね」

「制限って?」

「電波の届く範囲が大体10mぐらいなんだよね。だから、校舎にいた先生には無理なの。雪乃さんのスマートフォンを操作して、信号音を鳴らすことが」

「でもさっき、先生は自分でやったって・・・」

「それは擁斗に言ってもらった通り、半分はそうで、半分は違うんだよね。先生はアプリを用意しただけ。実行したのは、雪乃さんが亡くなったとき10m以内にいた人」

そう言って紫苑は顔の向きを変える。

「でしょ、明沙良ちゃん」

みんなが一斉に明沙良を見た。明沙良はすでに泣き止んでいる。

「そっか、そこまで気づいてたんだ」

「嘘泣きだったのすぐ気づいちゃったわ。もうちょっとうまく演技しないとね」

紫苑に言われなくはないと思ったが、それはひっそりと心にしまっておく。

「その様子だと、私のこともすべて知っているのね」

「うん。8年前に贈収賄事件で亡くなった議員秘書の娘で、雨草先生と兄妹ってこともね」

「えっ、二人って兄妹なの・・・でも、名字が違うよね?」

僕も知らなかった。というか、ここから先は台本が無かったから僕もほとんどしらない。

「そうなの。少し前に両親が離婚して、別々な姓を名乗ることになったからね」

「そこまで調べてたんだ。紫苑さん、すごいね。たった1週間程度でそこまで調べちゃうなんて」

「1週間じゃワタシも無理だよー。最初にさ、気づいたのは久里亜くんなんだよね」

「いえ、俺は何もわかっていなくて。ただ、雪乃さんから付き合ってるフリをして欲しいと言われて、その後雪乃さんが亡くなってしまい、かなりモヤモヤしていたのもあって師匠に事件の概要だけ話したんです。その時は雪乃さんと付き合ってるフリの話はしなかったんですけど」

そんな早くから、考えていたのか・・・。先読みの天才・・・フォーサイトジーニアスという言葉が頭をよぎる。

「孫子曰く『かれを知りおのれを知れば百戦あやうからず』って言葉があってさ、相手を知り自分を知れば百戦しても負けないという意味なのね」

紫苑、急にどうしたんだ?

「だから、まずは相手を知らなきゃいけないなーって思って、学校とかクラスメイトのことを調べ始めたんだ。そうしたら、いろいろな事実が判明してさ。でも、ワタシが出ていくのは違うかなーって思って、擁斗にメールしたんだよね」

えっ?

「もしかして、『雪乃の死は自殺じゃない』ってメール、紫苑だったの?」

「そだよ」

何だよ、それ・・・。僕はずっと紫苑の手のひらの上で、踊らされていただけだったのか・・・。

「で、その中に明沙良ちゃんと雨草先生が繋がっていることがわかって、もしかするとそうなのかなーって。殺害方法はいくつか考えたんだけど、仮説を排除していって、今のBluetoothを使って信号音を鳴らすってのが残った感じかな」

Bluetooth、青き歯の音。

「そうだったの。全部、紫苑さんが絵を描いてたのね。じゃあ、私のお父さんが道路に飛び出して自殺したのも」

「知ってるよ」

紫苑は明沙良を優しい瞳で見つめた。

「そっか、知ってるのか」

そう言って明沙良は過去の事件について話始めた。


「もう8年も経つのね。私の父は雪乃ちゃんのお父さんの議員秘書をしていたの。いつも忙しそうにしていて、家にいるときも仕事をしていたわ。なかなかかまってもらえないのが寂しい気持ちもあったけれど、ひたむきに働く父を見ているのは、そこまで嫌ではなかったわ」

その当時のことを思い出したのか、明沙良の笑みから幼さを感じた。

「父は真面目だけが取り柄で、悪いこともせず、車が通らないのに信号を守るような人だった。実直って言ったほうが良いのかな。悪く言えば融通が利かないとも言えるかもしれないけど」

明沙良の瞳は遠くを見つめている。

「そんな父が、ある日、家に帰って来たときに、すごく暗い顔して言ったの。『お父さんはみんなを幸せにするために仕事をしているんだ。その中には母さんも明沙良も含まれているんだよ。みんなが笑顔で楽しく毎日を過ごせたら良いだろう。ごめんな』って」

明沙良の瞳から一筋の涙が溢れる。心に染み入るものがあった。

「次の日の朝、お父さんが道路に飛び出して自殺したことを知ったわ。当時は私が子供だったからでしょうね、父は車の事故で亡くなったと言われた。その後、私は雨草家に引き取られることになったの。そして中学生の時に偶然、父の自殺について知ってしまった。事故じゃ無くて自殺だったんだって。

それからいろいろと調べたんだけど、なかなか情報は得られなかった。そんな時、お父さんが自殺する日にもらったぬいぐるみのことを思い出したの。

その中に裏帳簿について書かれた手帳があったわ。ああ、父は無実だったんだなって」

明沙良は握りこぶしにギュッと力を入れ、少し震えていた。

「許せなかった。本当に許せなかった。だから・・・同じ苦しみを味あわせてやろうって決めたの。雪乃ちゃんのお父さんに。大切な人を失う苦しみを。その意味を知らないまま、苦しませて苦しませて、そして8年経ったら真実を教えてやろうと思った。

だから、雪乃ちゃんも道路に飛び出させて、自殺させる必要があったの」

そういうことだったのか。

「それがすべてよ。紫苑さん、それにしても、何でこんなに手の込んだことをしたの?」

明沙良の言うことは最もだ。わかっているなら、最初から紫苑が全部話しても良かったんじゃないのか。

「それは雨草先生の暴走を止めるためかな。明沙良ちゃんと雨草先生って、付き合ってるんでしょ?」

「それも知ってるんだ」

「探偵雇ったからね。雪乃さんのスマートフォンを調べた時、着信が無かったことと、機内モードになっていたことから、雨草先生が1人でやるのは無理だと思ったの。

そして二人の関係を考えれば、雨草先生が自分1人で罪を被って、自殺する可能性があるなあって思って。

というか、ワタシだったら好きな人のために自分が犠牲になることを厭わないと思う。本当に好きなら。

で、人質に取るなら女子の方が良いし、それならワタシかなって思ったの」

「何でもお見通しなのね」

「何でもじゃないよ。全然上手く行かないこともいっぱいある」

紫苑は僕の方をチラリとみた。

「これで大体事件の全体像は判明したかなー。あっそうだ。1つだけ、どうしてもわからないことがあったの。明沙良さん、何でうちのクラスは名前で呼ぶことにしたの?」

「それは先生が・・・」

僕が言いかけたところで紫苑が遮る。

「誰がじゃなくて、どうしての方」

「・・・それは、気づいて欲しかったからかな。雪乃ちゃんに。小さい頃、一度だけ会ったことがあるの。もうかなり前だけど。私のことに気づいてくれるかなって。名字は変わってしまったから、名前だったらもしすると気づいてくれるかもって思ったの。でも、気づいてもらえなかったわ・・・」

「そっか。雪乃さん、話してなかったんだ。雪乃さんね、明沙良ちゃんのこと気づいてたよ。それがきっかけで父親の贈収賄事件を調べ始めたんだから」

明沙良が目に涙が溢れる。

「そんなこと、一言も・・・」

「他の人のスマートフォンが見れるとしても、ずっと全部を監視するのは難しいからね、仕方ないかも。それに小説はPCメインで書いてたみたいだから」

「小説・・・」

「そう。贖罪ってタイトルで、父親の汚職事件を知った少女が友達の少女と二人で力を合わせて告発するお話」

「そんなの・・・」

紫苑は明沙良の言葉を遮るようにスマートフォンの画面を明沙良に見せる。

明沙良はその場にへたり込む。明沙良の表情がすべてを物語っていた。


「そう言えば、紫苑は何で先生を怪しいって思ったの?」

「最初にさ、学校とかクラスメイトのこととかを調べていた時に、先生が大学時代、いじめについての研究をしていることを知ったのね。その時は、面白いなーぐらいに思ったんだけど、学校に来て気づいたのよね」

「ああ、ゲーム理論だっけ?」

「それは例の1つね。でも、先生も、いじめは絶対に起きてしまうけれど、起きた時にすぐに対処するのが重要だと考えていたみたいね。その方法がわからなかったんだけど、アプリ『みんなで投票くん』を生徒にインストールさえていることで、わかっちゃった」

「どういうこと?」

「アプリ『みんなで投票くん』は表向きは投票アプリなんだけど、裏でスマートフォンのルート権限を握って、何でもできるようにしてたの。最初に警告文が出たでしょ。普通はそこで止めるんだよ。でも、先生が作ったものならってみんなあんまり考えずにインストールしちゃったのね。それでスマートフォンが乗っ取られて、スマートフォンの情報を先生に抜き取られてたの」

そういうことだったのか・・・。

「KINEとかでさ、裏グループを作ったり、ハブったりするのも、先生は把握できたわけ。で、すぐに対処してたのよ。たぶん、個別にかな。で、さらに個別に指導した生徒を使って情報も集めてたと思う。だから、うちのクラスにはいじめが無かったし、何人かの生徒がいくつかのグループを渡り歩いていたの。だよね、重音流くん?」

重音流は何も言わなかった。

「あと、莉杏ちゃんもね」

莉杏もこちらを見たまま微動だにせず、絶句しているようだ。

「二人を責める気はないわ。二人がいじめをしたとは思ってないし。スマートフォンの情報を全部先生が見れる状態だったんだからね。何か弱みなのか、それとも隠したい秘密があったのかはわからないけど」

「でも、どうやってそのことに気づいたの?」

「情報の出て来方があまりにもタイミングが良すぎたのよね。あと、写真の件かな。前にも言ったけど、たくさんの写真を誰かに一気に送るのって大変なの。結弦くんが使っていたデロップボックスとか、そういうのを使うのが楽なのよね。でも、普通の人はそんなこと知らないのよ。それなのに裏アカウントでは、かなりたくさんの写真が使われていた・・・ということは、デロップボックスから直接写真をダウンロードしたんじゃないかなって」

「よくわかってないかも・・・」

「デロップボックスから写真をダウンロードするには、特別なURLを使うの。で、そのURLを知らないとはダウンロードできないわけ。でも、それがダウンロードできたということは・・・」

「そのURLを知っていたということか」

「そう。じゃあ、そのURLってどうやって知ったのかなーって思って。たぶん、スマートフォンの情報を見ていたんじゃないかなって思ったの」

「でもそれはあくまで紫苑の推測だよね?」

「そうね。だから、リバースエンジニアリングしてコードを見る必要があった。そこに少し時間がかかっちゃったかな。まあワタシが調べたわけじゃないけど」

リバースエンジニアリング・・・。なんか凄そうな言葉だったが、すでに頭がパンクしそうでそれ以上、その場で聞くのはやめてしまった。

後で知ったことだが、簡単に言えば、製品を分解してその仕組を調べることらしい。

アプリというのはコンピュータが読みやすいバイナリという形式になっていて、そのままでは人間が読むのは難しい。

それをリバースエンジニアリングで元に戻して人間が読めるようしたようだ。それ以上は僕には理解できなかったけど。


「それにしても、紫苑ってすごいな。何でも知ってるんだな」

「うーん、何でもじゃないよ。みんながさ、おしゃれとかに興味を持っている時、ワタシは家から出たくなくて、ずっとゲームしたりインターネットしたりしてただけ。ブランドとか全然知らないし、美味しいスイーツのお店も知らないわ」

確かに言われみればそうかもしれない。

普段の紫苑はおしゃれからは程遠い、ボサボサの髪にダボダボのサイズがあってないような服だし、スイーツの話とかほとんど聞いたことは無かった。

「人間はそれぞれ能力の違いがあるのは確か。でも、『その能力をどう使うか?』は人それぞれなんだよね。リソースって考えた方がわかりやすいかな。ワタシは料理のこととか全然知らないし、する気も無い。だから、料理が好きな人からすれば、ワタシなんて何も知らない無知なやつなの。ワタシの場合、それがゲームとかインターネットとかだっただけ」

そうかもしれない。

「フォーサイトジーニアスなんて呼ばれてるけど、1日中そのゲームのことばっかり考えて、自分でプレイするだけじゃなくて、プロのプレイもいっぱいみて、動きを研究して、分析していけば、誰だってある程度の先読みなんてできると思う。結局、『それにどれだけ時間を費やしたのか?』ってことに尽きるかな」

『どれだけ時間を費やしたのか?』か。

「今回の事件だって、ワタシは2週間も情報収集してるんだよ。探偵だって使ったし、ゲーム仲間からアプリに詳しい人紹介してもらったり、自分で調べたり。相当な時間を使ったわ。だから、先読みできた・・・というよりも、全体像をかなり早い段階で掴むことができたと言った方が良いかな」

そうか。僕は目の前のことにばかり集中しすぎていたのかもしれない。


才能のある人は何をやってもある程度のことができるのは間違いないだろう。

ただ、すべてのことを知ることは難しいし、経験するのも難しい。時間とリソースの制約があるからだ。

だから人はそれぞれ知っていることの領域、経験したことの領域が違う。

そして自分が知らないこと、経験したことが無い分野では、どんなに才能があったとしてもモブでしか無い。いやモブになってしまう。

僕はそんな単純なことも忘れてしまっていた。

そうか、だから僕はこの物語ではモブなのだ。


こうして、雪乃の件はすべて終わった。

フォーサイトジーニアスこと、青き義足の紫苑によって。

その後、警察やらなんやらで、かなり学校はバタバタしていた。

結局、信号音を聴かせただけで殺人になるのかは、今後の判断を待つことになるようだ。


僕は今回の件で様々なことを学んだ。

すべてが終わった今、僕はどうしてもやらなければいけないことがあった。

雪乃の件に決着をつけたら、絶対にしようと決めていたことだ。

そう、紫苑に想いを伝えるってこと。


僕は気づいていなかった。紫苑がとても大切だってこと。

そばにずっといて、近すぎて、当たり前過ぎて、見えていなかった。

誰かが言ってた、『伝えられなかった想いは一生纏わりついてくる』って。

だから、僕は紫苑に伝えなきゃいけない。



事件が落ち着いた頃、僕は放課後に紫苑を呼び出した。

そして、重音流と莉杏と久里亜も。

みんなの前で、宣言する。そう決めていた。


事件の後、重音流と莉杏からは謝罪があった時、僕は逆に二人に猛烈に謝った。

僕は何も気づくことができなかったことに対して。

友達だったのに、すごく近くにいたのに。

雪乃のことばかり考えていて、二人の様子がおかしかったことに気づいてやれなかった。

気づこうとすらしなかったのだ。

重音流と莉杏、そして僕がお互いに『ごめんなさい、ごめんなさい』と頭を下げる。

その様子が、とてもおかしかったのか、紫苑が笑いを堪えられず吹きだしたのをきっかけに、すべて水に流れて元通りになる。

いや、正確には元通りじゃない。以前よりも絆が深まった。

だからこそ、二人にも聞いてもらいたかったんだ。僕の想いを、そして決意を。


「何々話って?」

重音流がいつものように軽いノリで話しかけてくる。

莉杏は何が起こるのかわかっているのか、それともよくわかってないのか、不安な感じでソワソワしているように見えた。

久里亜は、僕をジッと見つめている。

紫苑と目が合った。

僕はゆっくりと話し始める。

「あのさ、本当にみんなには感謝してるんだ。ありがとう」

「どうした? 急に改まって」

「何の本で読んだのか、忘れちゃったけど『伝えられなかった想いは一生心に纏わりついてくる』って言葉があってさ。雪乃の件ですごく身に沁みたんだ。だから、言える時に、ちゃんと言っておきたくて」

僕は皆を見回した後、紫苑の顔をまっすぐ見る。

紫苑が居なかったら、きっとこの事件は解決しなかっただろう。

紫苑が居なかったら、僕は立ち直れなかっただろう。

紫苑が居なかったら、僕の人生は真っ暗になっていただろう。

紫苑!

紫苑!

紫苑!

僕は勇気を振り絞る。

「俺は擁斗が好きだ!」

えっ?

久里亜が叫んでいた。

待ってよ。いや、ちょっと待ってよー!

紫苑はゲラゲラ笑っていた。

でも、その笑顔はめちゃくちゃ僕を幸せな気持ちにさせてくれた。


おしまい♡


※余談:Bluetoothという名前は、デンマークの王 ハーラル1世ゴームソン、通称『青歯王』に由来しています。ハーラルはデンマーク語で、英語ではハラルドです。

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青き歯音(あおきしおん) 祐里葉 @yuriharami

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