第8話 友人

おはよ〜。

おはよ。ねぇ、課題やった?うちやってなくてさ〜。

まじ?やばくないそれ。


女子高生って感じの会話だ。

と思うたびに、俺も男子高校生だろと思うが、コミュ力の低い俺は、いかんせん女子と話す機会が少ない。

俺がもし、コミュ強で、イケメン高身長であれば……


「光くん、聞いた?」


そんな、俺の欲しいものを全て持ち合わせている男、翼。


「何が?」

「高橋さん、今日学校来てないらしいで。」


はぁ。


「別に、学校休むことぐらいあるだろ。なんでそんなこと、なんでお前が知ってるんだよ。」

「いや、高橋さんね、転校してきてから、無遅刻無欠席だったらしい。それで、先生たちが話してたのを聞いたのよ。」

「へぇ〜。」


まあ、それなら、ちょっとした話題にはなるかもしれないが。


「残念やね、光くん。」

「?」

「いや、部活で会えなくなっちゃうでしょ?」

「???」


だからなんなんだというんだ。

まぁ、今日、自作小説のことを質問しようと意気込んでいたので、少し拍子抜けではあるが。


「別に、残念ではねーだろ。」

「ふ〜ん……。じゃあ、いいけどね。」


………、


「何が言いたいんだよ。」

「べっつに〜?」


人をおちょくりすぎだ。


しかしまぁ、今まで欠席なしなのか。らしいっちゃらしいな。

俺は、部活以外の高橋を知らないので、普段はどんなキャラなのか知らないが。


(多分、普段もあの感じなんだろうな。)


となると、今日はなぜ休みなのだろう。


「え?なんで休みか?う〜ん、そこまでは知らないなぁ。」

「そっか〜。」

「何、やっぱ気になるの?」

(病気か?あいつに限ってサボりってことはないだろうし、多分。)

「お〜い、聞いてる。ねぇ、ねぇってば〜。」


まぁ、いないならいないで、一人で部室を使えるのだ。


「まぁ、どーでもいいか。」

「えぇ〜、なんか冷たいね、光。」


冷たいも何も、そんなこと気にする間柄ではないのだから、普通だろう。


「ま、俺もそんな気にならんけど。友達じゃないし。」


……お前の方が、100倍冷たいよ。

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