宇宙をみている



灰が飛んでいくのをみていた

星がきえるのをみていた


碧い洞窟を楕円にひきのばして

宇宙をこの手につかんでいた


夜になって 街の灯がおちて 星星もきえたなら

百年後に また会いに来ますから


また会えるのなら

たとえ透明な幽霊になったとしても


始まって 

    ──終わって


終わったことで また始まって

空洞が碧に満たされて


同じような別の誰かでも

イデアの影にすぎなくても


光を透かしてあなたを見守り続ける

それだけで百年を待ったかいがあった



──また、宇宙を見ている。

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