Zakkan



たったひとつの確かな現実なんて ない。


人の心が目に見えたなら、

化け物のような異形だろう。


きっと目は鋭く尖り、

鼻は広く、口は大きく、舌は長い。


おまけにいつだって温もりに飢えて、

毛むくじゃらにひしめき合う。


猫みたいだよな、と脳裏が笑った。


千差万別の感覚器官に立脚した世界に、

ひとつとして”同じ”なんてない。


あなたの捉える世界は、

 きっとわたしの世界と違う、

  共に星を眺めていても、きっと。


だから、


あなたの世界を教えて欲しい。

 永遠に答えの出ない、

  間違い探しをしよう。

  

  同じ星の、同じ宇宙の、

  違う世界を生きるあなたと、


  今日も明日も生きていくために。

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