空白

私は自慢ではないが恋人づくりに苦労する容姿ではない。たぶん彼もそうだ。でも特定の恋人をつくらないのは、縛られたくない、失いたくないという消極的かつ受動的な理由じゃなくて、もっと積極的で自己中心的な理由だ。二人屋根の下にいようとも、結局は独りぼっちなのだ。決して心を開かないけれど、自分の隙間を埋めるために他人を使う。布団の中の虚空を眺めながら心で思う。

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