創作物

@Gpokiu

俺はクズ

「私、もう死のうかな……」

『まって、どうしたの突然!早まらないでもう一度考えようよ!』


キタキタキタァー!こういうのだよ〜、俺が欲しかったのは。


「何回も考えたよ!でも、もう無理なの……ぐすっ」

『そんなことないよ!ほら、涙拭いて。まずは落ち着こう、ね?』

「……うん。」


うんうん、悲しいよね〜。誰かに認められたいもんね〜。あぁ、ぴえんぴえん。全くもってぴえんですなぁ〜。


「もう、話聞いてくれるのもシュンくんくらいだよぉ。」


あたりまえだろ。誰が好きでお前みたいなやつの話なんか聞くんだよ。ま、それを聞いちゃうのが俺なんですけどねぇ〜。


『うん。俺でいいなら好きなだけ話してよ、好きなだけ聞くからさ。』

「ううぅ、ありがとうぅ、シュン君。」

『どういたしまして』



人間ってのは、焦ったとき、追い詰められた時に本性が出るらしい。

でも、本当にそうだろうか。

俺が思うに、焦った時は焦った時の性格になるし、追い詰められた時は追い詰められた時の性格になるだけだ。

一見当たり前のようだが、その一見もできてないやつが多い。

つまり人間にはバカが多いってこと!



バカ「私、カレシに振られちゃったのぉ。」


俺「え!クッッソしょうもないじゃん!相談乗って損だったわ〜。」


バカ「え?」


俺「ん?聞こえなかった?お前の話、めちゃくちゃしょうもないし、すごーくどうでもいいってこと!」


バカ「え?ぇぇえ?な、なんでぇ?」


俺「なんでって、なんでそんな酷いこと言うのかってこと?ウ〜ン、それはね、」


俺がぁ、すごくぅ、たのちいからぁ!


俺「大体さぁ、死にたいって他人に言い出すのね、すごぉくきもいよ。そこらへんわかってる?だから彼氏にもフラちゃうんじゃな〜い?」


バカ「……。」


俺「あらら、ダンマリですか。まあもういいよ、お前。他人に心配してもらいたいだけの、承認欲求モンスター。あぁ、いっそのこと、死んじゃえば?確か死にたいんでしょ。おー、ちょうどいいじゃん!」



モクモクモク……、なーんてね!思ってても、俺はこんな酷いことは言わないよ。

人間にはホンネとタテマエがあってー、人と話すときは主にタテマエを使用すること!

これは常識ですね〜。

でも、タテマエばっかり使いすぎると、あんまり体によくないんだって。

たまにはホンネも使ってあげないとね!



「私、カレシに振られちゃったのぉ。」

『なんで振られちゃったのさ』

「それがね、あの人。浮気してたの!信じられる!?」


信じられるかって?知らねーよ。てか誰だよ、カレシ。どんなやつかも知らねぇのに、そんなのわかるわけねーだろがYo!


『それは酷いね!そんなやつ、別れて正解だよ!』

「だよねぇ!……でも、やっぱり忘れられないの、その人のことが。」


Foo!こいつは度を越したバカだぁ!まあ、別にこいつに限った話でもないが、グズ男に引っかかる女の心理ってやつ?国は義務教育で、恋愛の仕方について勉強させた方がいいんじゃないのか、女限定で。


『うーん、それは困ったなぁ。いつまでも引きずってても、君がすり減っていくだけだよ?』

「それもわかってるの!」



人ってのは常にわかりやすい答えを求めてる。

でも、世の中には答えのない問いってのに溢れてるからねぇ。

え?だからなんだって?

知らないよーん!!!

それこそ、これが答えのない問いなんだからさぁ、自分で考えてみてよ。

……理不尽だよねぇ。他人の言ったことってのは全て、わかりやすい答えに見えるもんさ。

でも、それは大きな間違い。

君がわからないことを、なんで自分と同レベルであろうそいつがわかると思ったの?



〜2時間に及ぶ激論がありました。〜


『おっと、話し込んでたらこんな時間になっちゃったね。終電、大丈夫?』

「……なくなった。」

『そうか……。じゃあさ、うち、泊まっていく?』

「………うん。」



結末のわかってる物語ほど、面白くないものはないよね。

でも、日常の中ではわかってないってことが、何よりの恐怖だ。そうでしょ?

だから、人は創作する。ドキドキハラハラするようなオハナシをね。

そして、読者もそれを求めてる。you know?

ほら、そろそろ時間だ。

ん?あぁ、僕のじゃなくて、君のね。

君は学生かな?それとも働くお父さん?もしくは……、

いや、やめておこう。別に君たちを傷つけるつもりはないんだ。罪深いボクを許しておくれ……。

さあ、起きて起きて!現実が迫ってる!もう、すぐそこに___

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