2章9話

3000年前​───────


「おーい、大丈夫かー?」

返事がない...


なんで、こんなところにこんなチビがいるんだ?


ひとまず、村に運ぶしかないか

放っておくのは、ちょっとな...



​──────


「....。」

あれ? 外じゃない...


ここ、天国か?

あんなところにいて、助かるとは思えないし..


でも、天国って本当にあったんだな


1回、死んで異世界に来たわけだし

ないと思ってたけど


「おーい!」


部屋の扉の向こうから声が聞こえる


「はい」


何も考えず、ほぼ反射で返事をする


すると、扉が開き...

誰か入ってきたのだが、俺の意識は扉の外に向いていた


入ってきた人は誰か知らないが、その奥にいた人は見覚えが...というか、知らないわけがない


「アメリア...だよな?」


「あなたこそ、アマネなの...?

随分小さくなっちゃったみたいだけど..」


「あぁ、これな

ちょっと色々あって、小さく...​──」


俺が事情を説明しようとすると

アメリアは、何かを言い

部屋にいた他の人達に席を外してもらう


そして、俺とアメリア以外誰もいなくなり..


「心配したんだからっ!!!」


無意識に勢いがついていたのか、思いっきり抱きつかれ...


「ぐえっ!?」

情けない声が飛び出す


「ねぇ、私を転移させた後、何があったの?」


「実は、俺もすぐ意識を失っちゃったから詳しくはわからないけど...」


「どうやら、魔力暴走っていうのが起こったみたいで...」


「魔力暴走...?」

アメリアは、首を傾げている


知らないのか...?

まぁ、一旦それは置いておいて


「あぁ、それで魔力は足りなくなって

体が小さくなったってことなんだ」


「そんなこと、今まで1度も聞いたことないわ」


そうなのか...てっきり、魔法のスペシャリストのアメリアなら何か知ってるかと思ってたけど


「でも、魔力が足りないのは面倒ね」


思わず、アメリアはため息をついている


「どうしてだ?」


普通に自然回復するし、大丈夫じゃ..?


「自然回復はするけど...魔力ギリギリまで使っちゃうと、回復までかなりの時間かかっちゃうことになるの」


「そんな...何か方法はないのか?」


このままだと、不便なんだよな...

戦えもしないし..


「一応、ないことはないけど...」


アメリアはどこか、不安そうだ

何か、条件でもあるのだろうか...


「少し村の人達と相談してくるわ

ちょっと待ってて」


「あ、あぁ」


そう、言い残し

アメリアは部屋の外へ...


どうにかなるといいけど...


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