2章 3話
3000年前───────
翌朝...
「眩しい...」
目を開けると、結界に朝日が反射して
鋭い光が飛び込んでくる
アメリアは...
まだ、寝てるみたいだな
それにしても、寝顔も綺麗だな
「って、わっ!?」
「おはよ、アマネ」
「お、おはよう」
ビックリした
不意打ちは勘弁してくれー...
「さ、さて...」
「どうかしたの? すごく慌てているように見えるけど」
「な、何でもない..」
アメリアは何も知らないとは思うけど
思わず目を逸らしてしまう
「まぁいいわ、朝ごはん作りましょうか」
深呼吸して、まずは心を落ち着かせる
「そうだな...材料もある程度揃ってるし」
持ってきたバッグに、軽く1週間分の食料は入っている
はっきり言って、めちゃくちゃ重かった
そのおかげで自由に移動が出来なかったから、
戦闘は基本的にアメリアが担当してくれた
「スキル アイテムボックスが解放されました」
「アイテムボックス
空間を捻じ曲げ、様々な物を異空間に収納することができる」
今かよ...時すでに遅し、なんだけど...
思わず、一瞬力が抜けてしまう
「やべっ」
そのまま体は制御を失い、倒れ───
なかった
あれ? なんで倒れてない..?
「アマネ、大丈夫?」
上を向くと、すぐそこにアメリアの顔が...
ち、近い!!
「ご、ごめん
ちょっとフラついただけだから大丈夫」
思わずアメリアから距離を取ってしまう
「アマネ、今日朝からおかしくない?
少し顔色も悪いような気もするし...」
「本当に大丈夫!!」
これに関しては、元いた世界で
ロクに女性と話したことがないのが原因だ
俺は悪くねぇ!! (完全に自業自得)
その後、とにかく大丈夫と言い張り
何とか乗り切ったのだった...
──────────────
いやー、朝ごはんが美味いな
今日の朝ごはんは2人で作った
俺が元いた世界で言う、ピザトーストだ
野菜とかはもちろん、この世界のものだが
名前が...長いんだよな
覚えきれない...
だから、材料の仕分けはアメリアに任せてる
俺がやると、料理を作る段階にまでたどり着けない可能性があるからな...
異世界に来た弊害がここで来るとは...
それにしても、
「本当に美味いな、これ」
「そうね、中々上手く仕上がったんじゃないかしら」
もちろん、味付けなどの基本アメリアが担当
元いた世界では俺もそこそこ料理出来たが
ここじゃ、その知識がほとんど役に立たないからな
「今度、時間がある時に
料理..教えてくれないか?」
「もちろんいいわ」
「助かる...
いつまでも頼りきりじゃ申し訳ないからな...」
「そんなに気にしなくてもいいのに..」
いやいや、それは罪悪感が半端ない
こんな風に共同生活をしてる時に
仲間に料理を任せ、俺だけゴロゴロするのは嫌だからな
いつの間にか食べ終わっていたので
軽く片付けをして...
そうだ、早速アイテムボックス使ってみるか
アイテムボックスを創造してみると
自分の横にぐるぐる回る渦が出現した
「それ...何なの?」
驚いた表情でアメリアが聞いてくる
「これは、アイテムボックスって言うらしい
異空間に収納できるみたいだから、早速やってみようと思って」
「あなた、本当にすごいわね
アイテムボックスなんて、今まで神と昔の勇者ぐらいしか使えないスキルだったのに...」
「そうなんだ..」
多分それも、「勇者の素質」のおかげだろうな
「まぁ、使えるもんは使わないと損だし
全部入れちゃおうぜ」
「まぁ、そうね」
というわけで、「アイテムボックス」解放のおかげで、荷物重すぎ問題は無事解決したのだった
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