2章 2話

3000年前​───────



バウマンさんのおかげで2人分の防具が完成


というわけでロミオン王国へ出発することに


「本当にお世話になりました!!」

今は、お別れ会的なものが開かれている


多分、帰ってくると思うから大袈裟じゃないかな...とも思ったけど、まぁいいか


「こっちこそ、アマネにはお世話になった

旅のこと、応援してるぜ!」


「それじゃあ、そろそろ行きます」


「あぁ、行ってこい

お前らなら大丈夫だ!」





というわけで、ドライド王国を出て

西へと進み始めた



「アマネ、魔物がいるわ」


アメリアが指している方を見ると


「ほんとだ 戦うか」


鞘から剣を抜こうと、剣に手をかけると


「大丈夫よ あれぐらい、一撃で倒せるわ」


「え? あいつ、レベル高そうだけど...」


俺の心配を他所に

アメリアは既に魔法を発動するところだった


氷雪陣アイスサークル


アメリアが冷たい声で、呪文を詠唱すると


「わっ!?」

アメリアの足元に氷の魔法陣が出現し

魔物へと段々広がっていく


そして、魔物の足元へ到達した瞬間

魔物は...


「グワァァ​────」

悲鳴を上げながら凍りついた


今まで俺が使っていた魔法とはレベルが違う

全く無駄のない、それでいて美しい魔法だった



「これが、氷の女王....」


「そういうことよ!」

アメリアは余裕ありげに笑ってみせる


本当に氷の女王と一緒に旅をするのか..

今までの俺には想像もできなかっただろうな..


俺も足手まといにならないように、頑張らないと!!




​───────​───────


夜になり...


「結構進んできたな」

「そうね..今日、これ以上進むのは危険かもしれないわね」


暗くなり、視界もだいぶ悪くなってきた

「それじゃあ、今日はこの辺にしておこうか」


夜にどこで寝るかだが..

大丈夫


この話は、まだドライド王国にいた時に遡るが...


「夜になったら、どうする...?」

部屋で旅の準備をしていた時に、ふと考え込む



元いた世界では、テントとか張ったりするもんだろうけどこの世界には魔物がいるからな..


野宿したら下手したら死ぬぞ


なんかないかな...

と、ステータス画面を見漁る


「あっ!」

これ、応用すれば行けるか...?






そして、今に至るのだが​───────


「どうするの?」

当たり前だが、アメリアが心配そうに聞いてくる


「これがあるから!」

手を前に出し、手のひらを広げる


そして、「はっ!!!」


思いっきり力をこめ、手に魔法を展開する


「これは...?」


次の瞬間には、2人を囲うように

結界が出現する


「ねぇ、一体どういう原理で!?」


「あぁ、これな

これは、俺の施錠スキルをちょっと応用したんだ」


「施錠スキルを?」


「そう、扉を閉めるために使うだけじゃなくて、この空間を周りから隔離したんだ」


ドライド王国でも試しに使ってみてるから

性能面も問題なし!




「そんなことが出来るのね...

あのダンジョンから1人で抜け出したことも含めて、あなたは本当にすごいわ...」


「まぁ、これに関してはたまたま上手くいっただけだから...」


「頼りになるわね」


「まぁ、戦闘スキルに関しては

アメリアの方が強いからな

俺もこういうところで頑張らないと!!」


「ふふ...

明日も頑張りましょうね」


「おお!!」


2人で手をグーにして、軽くぶつけ合う


コツン、と音がなった...


そして、2人とも布を地面に敷き

目を瞑ったのだった

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