1章 6話

3000年前​───────



「​───い、おい、アマネ!」


どこからか声が聞こえる

これは...バウマンさんか?

...瞼が重い 目が開けられない


バウマンさんだけじゃないな...

もっと多くの人の気配がする


でも、これ以上は​───────









「ここは...?」

目を開けると、見慣れた景色が広がる


宿屋か... でも、どうして俺が帰ってこれたんだ?


記憶を辿る


「あっ、あの時...」

そういえば、一瞬バウマンさんの声が聞こえたな

助けて貰えたってことか?


って、「あの子は!?」

思わず体を起こし、ベッドから降りたが


「ぐえっ!?」

身体中に痛みが走り、そのままベッドに激突する


「痛い....」


「おい、大丈夫か!?」

バウマンさん...


「大丈夫です、ちょっとベッドにぶつかっただけで​────」

「お前はまだ絶対安静だ。 ベッドで寝とけ」

と、バウマンさんに持ち上げられ、優しくベッドに寝かされる


「あ、あの バウマンさん

俺、どうやって帰ってこれたんですか?」


「どうやっても何も、お前はダンジョンに向かってから、6日音信不通だったんだからな」


まじか、俺倒れてから6日あのままだったのか...


「だから、王国総出で捜索隊が出されたんだ

そうしたら、ダンジョンの前でお前と女の子が倒れてた」


「あっ、あの女の子は今どこに?」

「あの子ならまだ寝てるさ」


行かなきゃ

どうしてあんなとこにいたのか、聞かないと

また立ち上がろうとして


「お前はあと2日はここから動くなよ

剣はちゃんと作ってある まずは、傷を治せ」

「はい...」


強行突破も今の体じゃ出来ないもんな....

大人しくするしかないか...



特にやることもなく

なんとなく、ステータス画面とにらめっこをしていた時...


「回復魔法が解放されました」

「うわっ!???」

急に出た!?


「回復魔法

その名の通り、自分や味方の傷を癒せる

しかし、回復速度や回復の質は使用時の魔力量に左右される」


「回復魔法アンロックに伴い

ステータス項目​──魔力を、攻撃魔力

回復魔力に表示変更します」


試しにステータス画面を見ると...

川口天音 レベル127

攻撃力 35000

守備力 25000

攻撃魔力 40000

回復魔力 20000

敏捷 30000

運 20000



スキル

鑑定

異世界からの放浪者

勇者の素質

魔法剣

転移魔法

攻撃魔法

(使用可能属性 火・水・風・土・光・闇)

回復魔法

解錠

施錠




「めちゃくちゃレベルも上がってるし、

攻撃力と攻撃魔力が高いな...

これが、攻撃スタイルで魔法戦士を選んだ恩恵ってやつなのか...?」


「あっ! いい事思いついた..」

自分に回復魔法使って動けるようにすりゃいいじゃん!!


お試しってことで!

「神の癒し《セラフィックヒール》」

詠唱すると、自分の体が白く光出した


「え? これ、大丈夫なやつか?」

確認のために、腕に巻かれた包帯を外してみると...


「傷口が塞がっていってる...!」

よかった、これで体も動く!!

ベッドから降りてみて、軽くその場で跳ねてみる


「痛くない!!」

これで、あの子に会いに行ける!





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