1章 5話
3000年前───────
「間に合ってくれ!!!」
魔物を魔法で薙ぎ倒し、減速することなく
廊下を進んでいく
....「ここだ!!」
空間把握によればここにいるのは間違いない
でも──────
「鍵がかかってる...」
ここまで来たってのに...
諦めたくない
人が俺の手の届く場所で死ぬなんて
いくらここが俺が本来いるべき場所じゃないとしても、助けたい!!
スキル「解錠」が解放されました
「解錠
どんなに複雑に鍵が掛けられていても開けられる。魔法結界なども無効化できる」
これで!!
「解錠!!!」
ギィィィィイイイ
「開いた...!」
「暗い...」
何も見えない
廊下までは明るかったから、───────
「うわっ!?」
一瞬で当たりが眩しい光に照らされる
そして、少しづつ部屋の全貌が見えてくる
「これは...」
部屋の中央には、1人の女の子が...
鎖に両手を縛られ、うずくまっていた
「綺麗な青い髪...って、そうじゃない!」
思わず見惚れていたが、自我を取り戻し
女の子へ駆け寄る
...息はある
よかった、間に合った
「ギャウアアアアアア!!!!」
魔物!?
声に驚き、入ってきた扉の方を振り向くと...
「なっ!? いつの間にこんなに...!?」
あいつらが入ってきたら部屋ごと埋め尽くされる...
恐怖で体が..動かない
い、今までこんなこと1度もなかったのに
そうか、今は自分以外の命を抱えてんだ
だから...怯えてるんだ
でも、助けるって決めただろ
「動け!! 動け動け動け!!!!」
必死に体を叩く
「ギャアアアアア!!!!!!!」
ヤバイ、来るっ!
「たすけ、て」
後ろから声が聞こえる
さっきの女の子か
今はもう振り向く余裕もないけど、
きっとそうだ
「大丈夫、俺が助けてみせる」
「かかってこい!!!」
「グワァァアアアアア!!!」
鳥型の魔物! ものすごいスピードで突進して....
「危ねっ!」
なんとか体を後方に反らしかわす
後ろにいる女の子
どうにかして鎖を外して、逃げるしか....
魔物と鎖ごとまとめて斬ってやる!
まずは、
「アケローン」!
これで、こっちに視線が集ま───────
「ギャアアアア!!!」
鳥の次は猪か!
「ぐぅ、早い!!」
後ろは───────
「ダメだ! 完全に囲まれた!!」
剣でいなすしか....
威力が抑えられないっ!!!
これ以上入ってこられたらまずい!
さっき、解錠と一緒に施錠も解放されてたはず
「施錠」!!!!!
バタッ!!
勢いよく扉が閉まる
これでこれ以上は敵が増えな───────
ドゴオオォオオオオ!!!!
「なんだ!? 爆発...!」
扉が崩れて...
やばい、魔物がなだれ込んで...!!
焦るな、こういう時の魔法だろ!!
転移魔法があるけど、2人以上で転移できるかがわからない、これは最終手段か...
なら! まずは、相手の前衛を削る!!
「
広範囲に炎が拡散し、相手を焼き払う技だ
これで!
数が減った?
「いましかない!!!!」
魔法剣!!!
「岩属性が追加されました!!」
これだ!!
急いでスキルを選択する
隙がなくなる前に!!!
「
剣が岩のように、硬度が上がる
そのまま、女の子を縛る鎖ごと辺にいた魔物を消し去る
縛りが解けた女の子が倒れ込む前に、
なんとか抱き上げる
さっきの扉が爆発したおかげで、廊下にとびだせるか...?
明らかに魔物の陣形も乱れている
逃げるなら、今しかない!!
動く、大丈夫
体は動く!
「行くぞ!」
覚悟を決め、一気に速度を上げ走り出す
「ギャアア!???」
魔物も動揺している
知性があるからこその弱点ってやつか...
「はぁ、はぁ....」
追いかけては来てないのか...?
なんとか、ダンジョンの外に出れたけど、
止まってたらダメだ
早く、王国まで戻らなきゃ....
「あ、あれ?」
不意に疲れがドッと出て、目の前がグラつき始める...
「こんなとこで倒れちゃ...ダメなのに───」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます