#Seven.久しぶりの強者
「ちょっと本気を出させてもらう」
「来いよ」
「コマンドF ロフト」
湯気が発生、湯気の向かう先はそいつの体中。
動きは封じられた。
「こんなので封じられたとでも?」
「そうだな...これくらい抜け出してもらわないと困るが、どうだ?抜け出せるか?空影 呼羽」
「よく名前を憶えてくれたな。うれしいよ。」
「さあ、戦おうか。」
「...あれ」
「抜け出せん...なぜ...なぜかは知らんがこれはやばい!シャドウ!」
シャドウ。この技はただ影になるものではなく、自分の体力を大幅消耗する代わり、自分があらかじめ設定していたもう一つの影に移ることのできる技。
生まれつきであった。
「あっけない。」
遥溜は動揺の隠せない状態で次の4壁内に向かおうとした。
だが、
「すまん、今日はここらへんで引き上げたほうがいい。必要なものがある。」
「?...わ、分かったけど、それって何?」
謎めく遥溜であった。
上空飛行機内未来都市を中心に6900メートル離れている、場所。
孤島。
身に着けている時間はだいぶ少ない。
情報が鉄壁の地獄門場内に広がっているだろう。
「到着~意外と早いね」
「約1時間半かまあいいか。」
孤島の中心、クラーションズ。
「やっと来よったか。」
「こんにちわ~ども~」
「久しぶりです。玖像 禅さん。」
でかい建造物軽く、都会のホテル4つ分の大きさ、そしてものすごい量の障害物。
「久しぶりにお手合わせせぬか?暗夜よ」
「そうしましょう。」
高さは100メートルを超える広さ。横はその3倍はあるかないか。
スタートは二人が位置につき、その場で禅が水晶を落とす。
水晶が天を舞い、地面につく。割れた音とともに始まる戦いのゴング。
お互いは素手、障害物をうまく使い、こぶしを振るっては避けられる禅。
「コマンドF ロフト」
禅の拳は佐に当たった。佐は約100メートルは飛ばされた。
「無傷だ」
「わしゃもう拳を振るうのはお預けじゃ。」
「クラック!!!」
ものすごい物音、今にも崩れそうなこのとても丈夫そうな建物。
「行け、インディアンズ!」
「そう来るか、なら、」
「コマンドT ブレイズ」
佐の上に浮かぶ特大の炎の矢。禅の右肩上にはインディアンの像と、持ち槍。
ぶつかった矢と槍。衝撃波と共に遥溜を包む煙。
煙が晴れて遥溜が目を向けた先はほっぺに2センチほどの傷口を負った、佐。
ケガは全くないでも気力をなくしている禅は仰向けにして倒れている。
「久しぶりにケガ負ったな。」
「暗夜。おぬしは相変わらず最強じゃの。…ふぅ」
2時間がたったころ食卓にて。
「佐は人間の域をだいぶ離れておる。そんな彼が学びたいと今にして言い出したのは予想もつかんが、教えられることはすべて叩き込んでやるからのう。」
「手短に頼むよ。急いでいるんで。」
「ちょっとまって」
「どうしたのじゃ若いものよ。遥溜じゃっけのう?」
「そうだけど、いやいやそうじゃなくて~
何を教えてくれるんだ?何も聞いていないんですけど、」
「イメージだ」
「へ?はい?それは何…」
「イメージだけで相手を倒す。コマンドより、もしかしたら使えるかもよ。」
「あ、は~い…」
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