デジタルアリジゴク
ボウガ
第1話
とあるハッカー。ある企業の内部資料をハッキングし、リークしたり、依頼があれば盗んだりする。ある雑誌社がタレントの調査を依頼してくる。その通りにタレントの情報をしらべ、ゴシップネタを捕まえる。
その情報を買った雑誌社、しかしこれは警察のおとり捜査だとつげる。ハッカーは言い逃れをする。情報はこれしかないとか、自分のでっちあげだとか、証拠がないとか。だが言い逃れができない。情報を買う前に、その内部データについて聞き取りを行っているし、そもそもこのハッキングされたデータこそ、偽のゴシップ、ダミーデータだったからだ。
結局捕まるハッカー。警察の取り調べが始まるが沈黙。警察の脅しに屈しず、逆に質問する。
「こんな事をしててもいたちごっこだろ?」
警察は答える。
「新しい司法取引をしよう、君がおとり捜査のための“ダミーデータ”をつくれば、君の計を軽くしよう、どうする?」
そうしてハッカーの検挙率は上がっていき、喜ぶ警察。が、その一方、ニュースでは警察は批判されていた。
「ハッカーがいなくなったせいで、企業間の影での競争がなくなり、活気がなくなった、どの国内企業も、業績が悪化が低迷している、リークし、リークされる事は、グレーであったが、お互いを刺激しあっていたのだ」
と専門家が語り、各地でデモが起きている。実際その国の景気も悪化してしまったのだった。
警察は混乱、上層部が会議を開く
「く、くそう、こんなはずでは、我が国の警察部門のIT知識が低いために、犯罪者をつかったおとり捜査を考えたというのに」
それから警察は、ハッカーの検挙率は一定に保ち、ごくたまに見せしめに捕まえる程度になっていったのだという。
その背後でほくそ笑むハッカー。
「だからいったのだ、この国の警察はネットに詳しくない、高をくくっていたので捕まって驚いたが、どうせ、同業者が関わっているとおもったが、その通りだった、同業者は皆しっている、この国の企業は、真似をしたり盗んだり、仕返しをしたりして皆持ちつ持たれつ、グレーな事をやっているのだと」
デジタルアリジゴク ボウガ @yumieimaru
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