第41話 3日間の充実感
ミャンマーに戻り、コウジはリザルが紹介してくれたセインと一緒に市内観光と夕食に行くことにした。
仕事を終えたコウジは、すぐにホテルロビーに向かった。
すると何人かのクルーの姿があった。
ユニフォームを脱いで私服姿であったが、コウジの顔を見ると笑顔を浮かべてくれた。
コウジ:こんにちは、あなたカタール航空の方ですか?
マリサ:はい、マリサといいます。あなたはセインの友人ですか?
コウジ:いや、僕の友人がセインを紹介してくれたんだ。今日はこれから食事や観光に出かけようと思って。
マリサ:あら、そうだったのね。ヤンゴンのフライト前のミーティングでセインがみんなに言ってたわよ。 ヤンゴンで仕事している日本人がアテンドしてくれるとね(笑)
コウジ:そうそう、それ僕のことだよ(笑)
コウジがマリサと会話をしているとゾロゾロとカタール航空の面々がロビーに集まってきた。
そこには機長の姿もあった。
セイン:やぁコウジ、滞在中サポートよろしくね! それじゃ出発・・・・・と言いたいんだが、どこがおすすめなんだ?
東南アジアでもメジャー都市ではないヤンゴンである為、多くのクルーが初めての滞在だった。
コウジは、代表的な観光地・シュエダゴンパゴダを案内し、それを終えてから夕食をとることに決めた。
セイン:そういえば、コウジはドーハに何しにきていたんだ?
タクシーの車中でふいにセインが質問をしてきた。
コウジ:今後、ドーハにオフィスを建てる予定なんだ。今はまだ出張ベースで行っている。
セイン:そうか、コウジはこれからドーハにくるかもしれないのか。その時はドーハで一杯やろう!
セインの隣にいたマリサも驚いた表情だった。
コウジはこの日から3日間、彼ら彼女らと夕食をともにした。
シュエダゴンパゴダを見た後に、ホテルで夕食をとり、その後コウジは、セイン、マリサなど5人のメンバーを連れて飲屋街に向かった。
そしてまっ先に潰れかけたのはコウジだった。
翌日の晩はヤンゴン市内でも外国人が多く訪れるカジュアルレストラン&バーで夕食をとった。
セイン:コウジがもしいなかったらこんな場所こなかったな。おかげで楽しい滞在になったよ。ありがとうな!
コウジ:いえいえ、こちらこそ。まだ明日の晩も夕食をみんなでとろうな。明後日の朝帰るんだしさ。
セインやマリサらにとってもだが、コウジにとっても とても充実感のある3日間だった。
コウジはセイン、マリサをはじめとしたクルーらのアテンドを終え、出発の朝 ホテルのロビーに向かった。
時刻は朝の5:45
セイン:コウジ、おはよう。わざわざ見送りありがとう。
コウジ:あっという間の3日間だったな。またヤンゴンに来る時か、ドーハで会おうな。
セイン:もちろん!
マリサ:コウジ、初日の飲屋街からいろいろアテンドしてくれてありがとう。また会いましょう。
この3日間、コウジはセイン、マリサ以外のクルーや機長とも多くの会話をした。
彼ら、彼女らとも握手を交わし、ホテル玄関からクルーを乗せたバスを見送った。
そのバスが見えなくなるまで。
彼らとのお別れの寂しさの中に「待ってろよ。もう少しでいくからな」という気持ちと願いが込められていた。
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