第40話 新しい仲間との出会い

「じゃあ、コウジさん 我々はこれで」

4名ほどできていた本社メンバーは、トルコや南アフリカに向かう為、コウジとは空港でお別れとなった。


コウジは彼らを見送った後にチェックインカウンターに戻った。


パスポートをスキャンし、予約番号を入力し、エコノミークラスのチケットが出てきた。


ドーハの空港ラウンジが使えるようになったコウジは、すぐさまラウンジに向かい、軽めの夕食をとった。

ラウンジ内にはシャワーもある為、フライト前に浴びるのは必須だった。


コウジは、フライトまでの間 このドーハ滞在中の報告書を作成していた。


するとコウジの携帯にメッセージが入った。

リザルからだ。


「コウジに僕の友人を紹介するよ。名前は セイン というフィリピン人クルーだ。 それと、コウジの座席番号教えてくれるか?」


コウジは、機内に入ったらセインにまずは挨拶をしようと思っていたが、セインがコウジの席にきてくれるということも想定して座席番号を教えた。



数分後、リザルから思わぬ連絡が入った。


「コウジ、今日はエコノミークラスが満席だな。

 ということで、コウジの座席をビジネスクラスにアップグレードしておいた。

 それにセインはビジネスクラスのクルーなので、むしろその方が都合いいよな。」


コウジはびっくりした。

実はリザルは業務歴も長く、役職も上の人間であったのだ。

特権階級というべきか、リザルの予想だにしたい対応にコウジはシャワーを浴び、すぐに搭乗口に向かった。


コウジの搭乗券がビジネスクラスに変わっていた。


コウジはリザルにお礼の連絡をした。

リザルからは「いいってことよ。 それより俺の友達がミャンマーに数日いるので、アテンド頼むよ」と返信がきた。



コウジは機内に入るとすぐにセインを探した。

クルーづたいにセインに連絡がいき、すぐにセインがでてきた。

大柄でガタイのいいクルーだった。


コウジがセインに挨拶をすると、セインも

「あぁ、リザルから話は聞いているよ。ヤンゴンに到着したら飲みに行こう」と非常にフランクな挨拶と約束を交わしたのだった。


コウジはドーハ出張を終え、晴々とした気持ちの中、ヤンゴンに戻るのだった。

これほどヤンゴンに戻るのが心地良く感じたことはなかった。


そしてビジネスクラスという、コウジにとって普段使うことがないようなシートに乗って。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る