はひふへほ

『犯人はアナタですね?』

 推理小説で、様々なトリックを施したにも関わらず、たまたま紛れ込んでいた名探偵に言われるショックな言葉。

 推理小説の探偵役は、理詰めで相手を追い込んでいく必要があるが、食堂にみんなを呼んで、ひとつひとつエピソードを振り返りながら、あの時はどうだった、あれは何だったと、細かく説明して、

「犯人はアナタですね?」

 とやるわけだが、その間の犯人の気持ちを考えると切ない。

 トリック系の犯人って、ホント、めちゃくちゃ頑張って知恵を絞って、自分の痕跡を消しているのに、全部、無にされるし、ずっと説明を聞かされるのって本当に辛いと思うんですよね。

 チクチクとミスを指摘するだけの探偵を見ると、応援する気もないのに、♥を押して、チクチクといらん指摘だけをする毒コメユーザーにも見える。

「じゃじゃじゃあ、お前も、殺人してみろよっ!」

 って言いたくなるよね~。




『ひ、ひぃ!!』

 肝の小さい弱敵の台詞。相手が卑怯で傲慢なほど、この台詞で、矮小な存在だと強調できる。是非、縮こまった姿勢、かつ半べそで、両手を顔の前で重ねてほしい。

 もちろん、このセリフの人物は、虎の威を借る狐レベルで、役職的には係長クラスだ。なかなか出世できない門番役、もしくは、親が裕福なだけで本人は何の力もない場合が多いだろう。

 ちなみに、これが「ひ、ひぎぃ!!」になると、何かを体に突っ込まれている表現になるので、話が違ってくる。「ぎ」が入るだけで、だいぶ印象が違う。




『ふっ』

 自嘲気味に主人公以外の美形キャラが話し始めるときの、笑い声として使いたい。

 壮絶な過去は、必ず自嘲から始まる。

 何故かって?

 ふっ。……かつての俺がそうだったからさ。あれは、カクヨムを始めた頃の話だ。

 みたいな使い方。

 



『へぇー』

 娯楽小説では使うなといわれ、ラノベでは多用しても気にならない台詞No.1。

 相手に同意するときも、相手をバカにするときも、相手に驚いたときにも使える優れもの。

「へー」

 もあるが、どっちがいいのかは雰囲気次第。

 だいたい、なんでも使えるが、話が進まないから、娯楽小説では嫌がられるらしい。




『ほう?』

 会話中に思い通りの展開に相手を追い込んだり、相手の失言を引き出して有利に立った時に、してやったりと使う相槌。

 窮地に立ったように思わせて、優位さを保つときに使う。

 ひとつ前の「へぇー」も同様だが、基本、娯楽小説では台詞内で相槌を使う作品の評価は低くなるそうな。「相槌なくても話が進む」とか、「字数稼ぎ」「行稼ぎ」と思われるっぽい。

 でも、ラノベは関係ない。バンバン使う。

 確かに無くても不便はない。だけど、あったほうが、臨場感があるんだよね。



★★★作者より★★★

毎日13時頃と18時頃に更新しますー!

普段は真面目なのを書いています!!


書かない勇気

https://kakuyomu.jp/works/16817330660744562477

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