第8話ミーちゃんの優しさ・・・。

しばらくして満面の笑顔がミーちゃんの顔面一杯に形成されて、「分かってくれている。」

くも膜下出血で倒れたミーちゃんは左半身麻痺の様で、右手を翳していたので、しっかりとミーちゃんの右手を握り締めた。両手で包んでいたが、誰よりもミーちゃんの右手は温かだった

。小さい頃、喘息を発症した苦しそうな僕の背中を擦ってくれたし、僕が中学に上がる時、祝いに万年筆を贈ってくれて、担任の話に

「甲ちゃんの山名先生は私が中学生の時と同じ先生よ!?」と、言って喜んでくれた

。そんなこんなを想いだし、ミーちゃんが僕の顔を観て安心したかの様に寝息を立てて、寝入った頃を見計らい帰る事にしたが、看護婦に「もう帰るの?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る