第4話
…数分後、魔の森。
「ここが魔の森かぁ、、結界の魔法石は何個あるんだ?」
「4つです。万が一を考えて多めに。」
「そうか、早速向かうぞ。」
霧がかかり、鬱蒼と茂る森を抜けて中心部へと向かう際、結界の魔法石を使い瘴気を防ぎ、同時に魔獣から産み出される魔物などを相手にしながらも着々と森を進んでいる。
「思ったより魔物の量が多い、それに瘴気も濃い。この先にいる奴は生半可では倒せなさそうだな…面倒だ、能力の制限を外しておいて良かったな。」
「ですね。中心に行くほど強くなってもいるみたいですし、気を引き締めて行きましょう。」
「あぁ。」
そうこうしているうちに中心へとたどり着いた。その場所は濃霧のような瘴気と守護者のように主を守る魔物がいた。
「っ…予想以上に魔物の数が多い!蹴散らすぞ!!」
そう言ってディアが自身の手を切った。するとそこを起点に血液が身体中をおおった。額の部分には鬼のような角が2本生え、全身が騎士のような鎧に変わる。
「《血纒》」
そう言ったディアが姿を消し、魔物の背後に現れたかと思えば今度は先ほど切った傷から剣の形をしたものを造り出した。その剣はディアの背丈を優に越している。その剣を凪払うように振ればその瞬間大量にいた魔物が跡形もなく散り、瘴気の濃霧を払った。
「ディア!!」
「流石に魔獣も、とはいかねぇか。だったら直接やるしかねぇな。」
ディアがその場から飛び退いた瞬間、魔獣の大きな足がその一帯を抉る。
その直後だった……何かの奇声が森を揺らした。
「なんだこの金切り声は、リーシャ!!」
「分かりましたっ!《探索》!!」
リーシャが周辺に魔力を張り巡らせ、そこから情報を得ることで見えたものは、
「っっ!!?魔族!?」
「なっ!?こんなところに!?でもまだ気付かれてねぇな!魔獣優先で行くぞ!!」
影と血の王 みやむち @miyamuchi
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