第2話
「ディア、ダメですよ?話も聞かずに。」
「言われなくとも、ハンナが持ってた資料は盗み見してる。場所は北東の魔の森、それも死域だろう?もともと、寝る前には準備をしていたから安心しろリーシャ。」
数分前に協会を出る前に目に入った資料には
《期限》…3ヶ月
《階級》…C~B
《詳細》
北東の町『アフナ』近郊、『魔の森』にて死域を発見した。町の者に対し聞き取りをしたところ死域中央より魔獣の砲口が聞こえたとの情報あり。死域は拡大を早める可能性があるため直ちに処理を求む。
《概要》
死域…魔の孤島『デ・バベル』の周辺に涌き出た星の膿。絶えず魔の異形を生み出す。孤島周辺は特に酷く生命を寄せ付けないほどとなっているが、死域の名の通りその領域内に漂う瘴気には有毒な成分が含まれる。
「……ねぇ。」
「……あぁ、一応能力の制限は一部外してある。そうそう死ぬことはねぇよ…念のため転移の魔法石と回復薬、後は」
「そうじゃなくてです。やっぱり話を聞いていないじゃないですか、魔獣に加えて何か他にもいるようだとおっしゃっていましたよ?それに瘴気対策に結界の魔法石を持っていくのも忘れているみたいですし…だからハンナさんに心配されるんですよ。」
「うっせぇ…瘴気ぐれぇ俺には効かねぇよ。」
「心配し過ぎだってんだよ。」
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