第15話 死ぬ


おれはかい中電灯の光が小さくなるのを待ってから、手の平をかきむしった。


しびれるくらい気持ちよかった。


でも、汁がヌルヌル出て気持ち悪かった。血も出てきた。変なにおいもする。


はやく病院に行かなきゃ。


おれはこっそりと、速足で元来た道をもどることにした。真っ黒おじさんからもはなれられるし。



「おい」



真後ろから声をかけられた。


ふりかえることも出来ずに、首をうででしめられた。


死ぬ!死ぬ!殺される!


おれはせめてのろいをうつしてやろうと、手を後ろにのばして、手探りで相手の首にこすりつけた。あばれた。さっきの首つりおじさんと自分がダブった。



死ぬ。


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