第14話 のろい


代わりに、親指の付け根のところにイボみたいなのが出来ていた。中心からは汁みたいなのが出ていた。


気持ち悪い。


なんだかショックだった。


そこは赤カブトの手がささったところだった。


くさったのかな?


おれは泣きたくなった。


体中にバイキンが回って死んでしまう、体中にイボイボが出来て死んでしまう、これは赤カブトののろいだって一気に思った。


けど、今は真っ黒おじさんからにげなきゃならない。


泣いている場合じゃない。


真っ黒おじさんは土管を全部見終わって、周りを一回かい中電灯で照らした。


かい中電灯の光が頭の上を通っていったけど、バレなかったみたいだ。


真っ黒おじさんはさらに森の奥へと小走りで進んで行った。



「絶対殺してやる」



とあらい息で言っていた。

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