第8話 無計画作戦、実行!
俺が教室に戻ると、色葉は自席に座ってぼっち飯をしていた。
で、リュックの中にパンツが入ってたっていつ言おう。
いや、今しか無いか……
よし……
そうして、俺は拳を握り締め、色葉の所へと向かった。
「い、色葉……?」
色葉は話し掛けられると箸を仕舞い、こちらを向く。
「昼顔君、どうしたのかしら」
「そそそ、その……」
「?」
「教科書忘れたから見せてくれ」と言うだけなのに……。中々言い出せない……!
そうやって、俺が言い出すのを躊躇っている中、色葉が疑問符を浮かべる。
あーもう言っちゃえ! 全部言っちゃえぇ!
「その! 5時間目の社会! 忘れたから見せてくれ!」
見事に逃げてしまった。
そして、色葉に言う声が少し大きかったのか、俺はクラス全体の視線を集める。
すると、 色葉は少し恥ずかしそうに
「ちょ、ちょっと! 教科書くらい見せてあげるから、そんな大きな声出さなくて良いわよ!?」
と、言った。
「っ! ごめん」
「……良いわよ、分かってくれれば。……それよりも」
「それよりも?」
俺が相槌をしながら返答をすると、色葉は改まった様な仕草をする。
もしかして、勘づかれてる……?
やはりやらかしちゃったか? これ。
昼顔がドッキドキの中、色葉が放った言葉は——
「その、昼顔君。今日、何か様子が可笑しいけど、どうしたのかしら?」
だった。
そして、案の定、昼顔は色葉にガッツリ怪しまれていた。
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