第3話 パンツの持ち主

「なんで入ってんだよ……ってか、誰のだよ……」


 リュックの中に、誰かのパンツが入ってました。それもエロい奴。

 取り敢えず、落ち着け。落ち着いて考えろ……

 まず、時間帯。お昼の時にトイレ行ってる時に行かれたか?

 それとも……水泳?

 水泳の授業の時にやらかしたのか? 僕は。

 

「んー」


 犯人は誰だ? 考えろ、考えろ!

 

         2分後

 

「やっぱ、しか居ねぇよな」


 2分の死闘の末、思いついたのはだけだった。

 この考えが本当かどうか確かめる為に、俺は自分の部屋を出て、そこから徒歩3秒。奴の部屋に来た。


 ガチャリ


「よっ。どした? 悩みでもあるんか? ハグしよっか? それともチュー?」


 俺がヤツの部屋のドアを開けると、案の定奴は居り、ゲーミングチェアに座りながら右手を上げて此方を向いていた。


「いや。あれ? なんかあったのやっぱり知ってたりするのか?」


「え? いや、昼顔の部屋から唸り声が聞こえたからどうしたのかなーって」


 そう言い、奴——真依はキョトンとしながら首を傾げる。

 真依は、訳あって俺の家に住んでいる。所謂同棲って奴だ。

 中2くらいの時に、真依の母親が病気で入院した。

 その時の真依の母親の心残りが、娘の真依だったらしい。

 ……で、真依の母親と仲の良かった俺の母親に真依を任せたらしい。

 俺は昔から真依と仲良くしていたり、良くお泊まり会をしていた為、変に気まづい雰囲気とかにはならず、結果的に兄弟見たいな関係になってしまった訳だ。

 ……で、今回の件は真依のイタズラだろうと踏んだ俺が真依に聞いたが——


「いや、私じゃないよ? それよりそのパンツ、何処から持ってきたの? エロいね」


 そう、少しニヤケながら言い返された。

 

「マジかよ、真依じゃねぇのか?」


 と言うと、真依は


「違うよー、そんなに攻めたの持ってないし。そんな事より……」


「そんな事より?」


「誰かのパンツが入ってたって事は……!」


「だ、誰かのパンツが入ってたって事は……?」


「そう!」


 そうして、真依は俺に人差し指を突き出す。


「犯人はお前だ! アリバイとか無いし(小声)」


「いやねーよ。俺犯人じゃねーし(小声)。で? だから?」


「いや、言いたかっただけ」

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