第2話 ここからでも入れる保険ってありますか?色葉side
水泳の後、更衣室にて。
「無い……無い、無い無い無い……!」
私は何度か水泳鞄を漁っていた。
水着を脱ぎ、ほぼ全裸の状態のままで水泳鞄を漁る私。
何を探しているかと言うと……パンツだ。
水泳の授業が終わった後、着替えをしていると水泳鞄に私のパンツが入って居なかった。
何度も、何度も何度も何度も……全裸でパンツを探し続けた。全裸で探している私だが、別に露出狂な訳ではない。
そしてパンツを探す事6分、更衣室には誰も居ない頃。ふと時計を見ると現在は10時38分。あと2分で授業が始まる時間だった。
更衣室から教室までは歩いて2分、走って1分と言った所に有る。ので、そろそろ行かなければ。
かといって、ノーパンでスカートを履いたたとする。そしてもし、仮にスカートが捲られるとする。
すると、女子は愚か、男子や教師にまで私のアソコが見られる……
それこそ、公開処刑な気がするのでやりたくない。
ならば、水着の上から……
それはなんか嫌だ。漏らしてる見たいで、嫌だ。
じゃあ、他に解決策は……考えても特に見当たらない。
え……じゃあ、今日はノーパンでスカートを履く……バレたら即終了。無理がある。
ジャージは、今日は持ってきて無いし……
かと言ってこのまま、更衣室から全裸のまま待機も良くない。それにまだ、体も拭いてないし……
結果的に、ノーパンのまま、制服を着て更衣室から出た。
「う、又がスースーする……」
と、いいながら。
*
教室の前の扉に着いた。
そして少し、緊張を覚えながらゆっくり教室の扉を開ける。
よし、第一関門突破。
次、みんなにバレないように席に座る。
何故か分からないが、私は辺りを見回しながら歩いていた。
今の所、誰にも見られて無い……わね。
「夜叉さ……」
「っ!?」
席に座って直ぐに昼顔に話しかけられた事により、私は体を震わせた。
ここで、私はさっきの辺りを見回す行為が怪しい事に気づいた。
もしかして、もう気づかれてる……?
どうすれば。言い訳を……考えなきゃ。
私は少々パニックになりながらも、返事をする。
「どど、どうしたのよ。昼顔」
すると、何故か昼顔も同様した。
どんな事を言われるのだろうか。私がパンツを履いてない事に勘づいたのだろうか。
分からない。でももし、昼顔がそれを知って居るのであれば、広めるのを止めなければ……
と思ったが、その心配は無さそうだった。
「悪い、教科書忘れたから見せてくれないか?」
少し焦っていた私は、その言葉を聞き安心したのか、安堵のため息を吐いた。
「なによ、そんな事だったのね、仕方ないわ。いいわよ、貸すわよ」
そう言い、何も気にせずグイグイと昼顔に近づく色葉なのであった。
*
『コロン』
授業中、私は消しゴムを落としてしまった。
消しゴムを拾……まて私。
ここで消しゴムを拾う時に四つん這いになってみろ。スカートからパンチラ……今の私だとアウトな状況が完成する……
誰かに頼む。しかないか。
誰かに、誰かに。……昼顔
昼顔は席も隣だし、「消しゴム取って」と言うお願いも聞いてくれそう。
良し、これで行こう。全てはノーパンスカートがバレないようにする為……
そう思い、メモ用紙に『消しゴム取って』と描き、昼顔の肩を「トン、トン」と、2回立て続けに叩いた。
すると案の定、昼顔がこちらを向いてくれたのでメモ用紙を指さすと昼顔は机の下に潜り込み、
消しゴムを拾おうとしていた。
この時、私は気づいた。『これだと昼顔にパンツが見られる』という事に。
だがもう、遅かった。
私はもう、スカートを抑える事しか出来なかった。
そして数秒後、昼顔が消しゴムを拾ってくれたので、「ありがと」と一言言った。
昼顔は不思議そうに授業に戻った。
*
家にて。
私は一人暮らしをしているので当然、家に帰っても誰も居ない。
鞄を椅子の上に起き、部屋に入った。
部屋に入ると私はベッドに飛びつき、枕に顔を突っ込んで——
「恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい……」
そう、何度も呪文のように叫んでいた。
本当に私のスカートがめくれていたらどうなってたのかしら。
そう思うと、パンツを取った奴を殺したくなる……。
「盗んだ奴! 本当に死ね! 死んじゃえ〜!」
そうして、いつしか彼女の羞恥心は殺意へと変わったのであった。
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