第22話 異世界へのゲート

 サイケラス王国の、リッチヴァンパイア連中の家族を解散させる前に、サプラ~イズで俺とリタちゃんの結婚式をプレゼントして貰った。


 やもめ暮らしで独り者は寂しいだろうと、やってくれたんだけど相手JS。


 身体がデカイので「成人してま~す」と言う事にしていて、年齢が不確かなので誤魔化していたが、まさか本人もノリノリで準備して来るとは思っていなかった。


 おさわりまんここです、事案発生です。JSと結婚しようとしているHENTAIがいます。


「さあ、リタちゃん、花嫁姿を見せて上げなさい(ホムンクルスの世話焼き叔母さん)」


「はい…… タカシさん」


 こんな時は驚いた顔をして「綺麗だ」以外は言ってはいけない。


「綺麗だ」


「嬉しい……(ヤンデレ笑顔)」


 多少押しかけ女房気味だが、前妻ほど気が狂ってないし、子供産んでイカれるには早いし、経験値倍増の指輪を渡した時も「お受けします(////)」と言っているし、魔国には行かないでここで家庭を持とうと言ってあるので、リタちゃん側にはこれをやる権利はある(JSだけど)。


 俺も結婚式の衣装を着せられた。これも叔母さんの手縫いらしい、この叔母さんは多少後にお別れをして貰おう。


「「「「「「「「「「ウェ~~~~~イ!(聖国語)」」」」」」」」」」


 楽団はいないが、電池作動のMP3ラジカセ(死語)ぐらいはお取り寄せしてあるので、向こうの結婚行進曲。


 婚約状態で別れて死別した連中に使って貰った。こちらでは手を叩いての生歌(なまうた)などが通常の仕様。


 他の連中にも背広や化粧品や日用品は渡してあるし、叔母さん子供にも通販サイトを見せて、装飾品のお取り寄せはしてある。


 多少礼服気味のが「多いな」とは思ったが、自分の結婚式を開催されるとは思っていなかった。


 プラスチックで金メッキのティアラとか髪飾りも指輪も「多いな」とは思ったが、女の買い物で、子供の宝石箱に入る品なので、中国製の安物を大量購入。


 金額は百倍~千倍程と夢を持たせてある。


「家の子にもいいんですか~?」


 と聞かれたが、小さい女の子まで喜んで、キャーキャー言っていたので構わない。


「こんなに沢山買ってくれるなんて~、私もタカシさんのお嫁さんになる~~(ホムンクルス)」


 と言ってしまい、父親の鬼の表情が見られた。


 今は子供の宝石箱だが、今後家族が消えると父親の宝物になって、箱がオルゴールになっていて地球の音楽が静かに流れると「グスウッ」とか、酷い顔をしたオッサンが泣く場所になる。



 向こうの金は唸るほどあるが、現在の各地での生活を鑑みると「坊さん~、簪(かんざし)~買うを見た~」になるので、向こうの世界に高額購入の履歴が残るのは問題行動。


 ヴァチカン辺りで「これは何ですかな? 聖使徒殿」と購入履歴を突き付けられてしまう。


「子供用のコスプレ衣装です」と誤魔化すつもりだが、成人用の背広やネクタイワイシャツ、ドレスに手袋各種指輪髪飾りに真珠のネックレスティアラ、明らかに結婚式装備なので言い逃れできない。


 向こうの世界で「JSと婚約していると、周囲からサプライズで結婚式をプレゼントされました」とバレると人生終了。


 これでは「沢山の幼児に偽物の宝石類を提供して、言葉巧みに部屋に連れ込んでイタズラまがいの事をする」変質者だと確定されてしまう。



 ゴールドマンサックスに就職できるほどのスーパーエリートでも、日本語喋れる面白いガイジンさんでも、未成年でJSの「おはガール」を自室に連れ込んでしまったら芸能人生命もオシマイ。


 実は楽しく一緒にテレビゲームしてただけでも、相手JSなのでオシマイ。


「JSのおはガールが、ガイジンさんの二十サンチアームストロング砲でバージンを貫かれた」


 とイメージが付いてしまうと、女の子の方も次の番組改編で卒業させられて、バージン卒業と共に18でAV堕ち。


 それも男優の方も最初から黒人男性で「おは〇~ル、ゴールドマンセックスの黒人さんと、駅弁スタイルでAVデビュー」とか、30センチぐらいあるデカイ一物を全部根元まで詰め込まれる。


 出し入れされて腹が膨らんだり凹んだりするのは、生殖器じゃないのでモザイク不要。


 あまりにも大きすぎて、血が出たりAVデビューの余りの屈辱に「ヒーヒー」泣いているのは「悲しいのはヌケない」と言う事で禁止。


 でもジャッキーチ;ェンの映画のエンディングみたいなNG集や制作秘話で「おはガー〇さん、泣き止み待ちで~す」とスタッフの声が掛かって、イヤイヤしながら血塗れのオマム〇手で塞いでオイオイ泣いているのは「泣いているのはヌケる」でアリかも知れない。


 乞うご期待。


 マグロッ(ドーーン!)(CV:渡哲也)、撮影快調。



 芸能人と言うのは、全員キメセクとかシャブ落ちさせられているので、芸能事務所の社長には決して逆らえない。


 AV落ちしろと言われればそうするし、衣装代レッスン代を全部出してくれる、金主社主に抱かれてこいと言われればそうする。


 クールジャパン資金550億円を自由にさせて貰えるなら、ナントカ48全員で官僚達の所でストリップでも乱交でも何でもして来れる生き物。


 秋元さんが金使い放題で、政治資金とかにも使い放題なので、ヨッシャヨッシャで三兆円でも何でもできる。



 式次第が進み、キャンドルサービスとかケーキ入刀。リタちゃんが「天国のお父さん、お母さん」に、感謝の手紙を読み上げる所で最高潮。


 世話好きのオバハンも、自分が支度してやったので親になった気分で号泣。顔覆って膝から崩れ落ちるほどの大号泣。


 そこでこちらからもサプラ~イズ、天国のお父さんとお母さんがホムンクルスになって入場。


「おどうざんっ! おがあざんっ!」


 リタちゃんも縋りつく感じで号泣、もうオイオイ泣いてしまって言葉にならないが、早めに切り上げないと、この偽物の両親、魂も入ってないし記憶も殆ど無いのがバレてしまう。


「リタ……(棒読み)」


「ああ、こんなに大きくなって(棒読み)」


 中身入って無くても、もう少しましな芝居しろっ。


「うわあああああああんっ、ああああああああんっ!」


 感動の天国の両親結婚式参列で、もうヨツンヴァインになるぐらい号泣して、大声出して泣いて、えづき始めるぐらい泣いたリタちゃん。


 マリオ君にも中継録画で見せている。デムパの事情でタイムラグはある。でも力技で中継。


「リタ、おめでとう」


「おにいじゃんっ!」


 兄も中継録画で参列して更に号泣、今度は手紙朗読ではなく、生の声で兄と両親に感謝の言葉。


「おにいじゃん、いままでだすげでぐれでありがどうっ、おどうざん、おがあざん、そだででぐれでありがどう…… リタはじあわぜになりますっ」


 もう涙と涎と鼻水でボロボロ、アッチの世界の安い化粧品も大半落ちてしまってドロドロ、ホムンクルス連中もアッチの世界の化粧品しかないから全員ドロドロ。


 コッチの世界の三文芝居程度なら、シンデレラの原作とか本物の母親が箱の中を見ている時にふたを閉めて殺すとか、イミワカンナイ寓話が多すぎて「そりゃあ母親殺してたら継母に虐められても自業自得じゃね?」とか?


 いつものグリム童話ヘンゼルとグレーデルでも、言う事を聞かないので森の魔女の所にやられるのに、妹の体を千切って道が分かるようにして兄だけ生還とか、意味分からなすぎる童話だらけで全く感動しない。


 でもオバハン連中やら子供やら、リッチにまでなって冥府魔道に落ちた元細菌研究所連中まで号泣。おっと眼から汁が。



「「「「「「「「「「ウェ~~~~イ!」」」」」」」」」」


 本日何度目かのウェ~~イ、この後「着たきり雀」と言われないようにお色直し、化粧も泣き顔も酷いことになっていたので化粧直し。


 ここは四股でも踏んで現人神として土俵入りか? と思ったが空気読んで大人しく待っていた。


 こんなオッサンと結婚させられて、リタちゃんの方が気の毒だが、不老不死らしいので逆にリタちゃんの介護?


 真夜中に働いている東京都の公務員さんみたいに、姉をオカルト関係で誘拐されて探し続けていたり、悪魔が恋人を百年程度で亡くしてしまって、若い女を誘拐して来て寄せ集めの体を作って来て、恋人の魂を入れると?


「ちが~~~うっ、また私の体じゃない~~~、どうして眠らせてくれないの~~~っ?」


 みたいな地獄絵図になる可能性もある。まあ恋愛の持続期間は三年で、それ以降は「夫に触れられるのも虫唾が走る」らしいので、リタちゃんでも三年ほどしたら浮気してくる。


 例え長持ちしても子供産んだら発狂、更年期で三十路過ぎたら大発狂。それがメスと言う欠陥生物。


 我慢して弱者男性と付き合って結婚などを目指しても、抱っこされたりナデナデされると「何を思い上がっとるんじゃゴミクズがっ、お前如きに俺様をナデナデする権利なんかねえっ」と追い出して、デブの体で街中に繰り出して強者男性に種を貰いに行く、それがメスと言う生き物。


 細菌研究所にいたような、相手に托卵されているのを知りながら、他人の子供を育て上げる鋼鉄のような人ではないので困る。



 心理検査で、Lさんと言う女がいて、恋人に逢いに行くのに川を渡らなければ会えない。


 まず「金を出したら渡らせてやる」というCさんがいて、金が無いので渡れない。


 次にSさんと言う奴がいて「嫌らしいことをさせてくれれば渡らせてやる」仕方がないので体を売って川を渡ったLさん。


 恋人のMさんは「何というふしだらな女だっ」と罵って別れを告げて去る。


 そこにFさんと言う奴が現れて、全てを知った上でLさんを連れて行って一緒に暮らし始める。と言うお話。


 どの順番に好ましい人物かで判定される。LはLOVE、Cはキャッシュ、Sはセックス、Mはモラル、Fはファミリーと言う検査。



 少女漫画では、ヒロインが逃げまくって誘拐されて誘拐されて誘拐されて、オレサマ王子とか騎士団長とか魔法師団長とか他国の王子が競うようにヒロイン救出に向かって、救い出した物の手遅れで、レイプされまくってズタボロにされて、股から血と精子垂れ流して肉便器プレイされて、誰の子かも分からないのを腹ボテ妊娠中。


 悪役令嬢の思い通りになったかと思うと、王子が「君は汚れてなんかいないっ」とかホザき始めて「君を愛しているのだから、当然お腹の中の子供も愛するっ!」だとか「はあ?」な理論が展開されて、王女がレイプ体験者でボテ腹でも赤ちゃん抱いてても結婚式で大団円。


 他人の子、それもレイプベイビーを孕んでいる状態で王族に加えられて、盗賊か誘拐犯程度のチンピラの子が王子として迎えられるんだとか、明かにアタマオカシイ終局が存在していて、男が読んだら即ゲロ物の終わりがある。


 女からすると、複数の女エンドで、複数の子供エンドで、女同士が殺し合いもしないで仲良く同居しているエンドぐらい気が狂っている。


 あの男咥えこみまくったダイアナ妃ですら、結婚前には処女膜検査があった。


 前は無事でも後ろからは…… おっと、誰か来たようだ。



 式次第後半では、リタちゃんに文欽高島田着て貰って角隠しまで装備して貰った。


 今時ここまで古い結婚式する奴はいない、教会風の建物のビルの中で「アナタワ~~、カァミをシンジュイレマスカ~?」の、わざと片言で喋るガイジンのバイト呼んで、親兄弟友人だけ呼んで、相手方も数人。


 大結婚式場で上司や司会役まで呼んで、大々的に式上げるのは上級国民か社長ぐらい。


 役人やら政治家が来たがって、挨拶したり票田だと思って稼ぎに来るぐらい。


 神職のホムンクルスでも入れて、巫女数人引き連れて神式の結婚式。周囲の人間誰にも分からないだろうけど、日本式の結婚式。


 祝詞を唱えてハラッタマキヨッタマ、イザナギの尊が冥界にまで行った穢れを払い給えとかナントカカントカ。


 俺の方が穢れなんだが? まだ清らかな体をしていたJSは、汚らしいオッサンによって穢されてしまった。


 最後は入り口で、参列者に「引き出物」を配ってお見送り、割れやすい瀬戸物とか半分のエビとか、クリームソースべったりの料理とか。


 お父さんお母さんもいるが、そろそろヤバイ雰囲気に。


 魂が入ってないので「持っていかれた~~」みたいに、錬成陣の中でエビぞって、魔石とかボリボリ食ってないと姿を保てない。


 全員をお見送りした所で、お父さんとお母さんもお帰り。


「ああ、よくここまで育ってくれた(棒読み)」


「おどうざんっ!」


 キラキラ光りながら、昇天していく雰囲気で。


「幸せになってね(棒読み)」


「おがあざんっ!」


 もう一回ボロ泣きして貰ってからお別れ、空の向こうからお迎えが来てしまって、短い時間しか滞在できない感じでサヨウナラ。


「グスッ、ヒッグ……」


 それでも華燭の宴を済ませて、大人の階段を上ったリタちゃん。


 新婚旅行は魔物の討伐とか浄化、魔族の転移ゲートからここまでの出張。でもJSに夜這いと言うか「妻の寝室」に来られて困った。


 二十歳過ぎまで避妊してやらないといけないが、ゴムの構造なんぞすぐに知られて穴開けられて困った。



 元細菌研究所所員


 今は亡き家族と再会できたはずのリッチヴァンパイア連中。


 死別して余りにも思い出が純化していて、クソ家族のはずが良い子や良い嫁に恵まれすぎていて、架空の家族過ぎるのでお別れをして貰った。


 ちょっと唐突だったが結婚式数日後にはガドガード的にお別れ。


 お仲間には「近所の実験体NPCシャ-レイちゃん(仮名)がニワトリを踊り食いしていたので、正常な精神を保てる間にお別れ」だとか、NPCが液体酸素?を飲んで自殺を繰り返し始めたんだとか、適当な事を言って誤魔化して置いた。


「やはり、不確かな手段で魂だけを呼んで、間違った体に収めたので、魂が拒否反応を起こしたのでしょう。私も死者の再生まではやっておりませんでしたので、どこかで不整合が起きたのだと……」


 残念そうに伝えたが、思わず家族と再会?できて、両親とまで再会できた連中は笑顔だった。


「いいんですよ、また家族に会えて伝いたかったことを伝えて、言いたかったことは話せました。この数週間は夢のような出来事でした、ありがとうございました」


「ええ、感謝しかありません」


 やっぱり、あまりにもお綺麗すぎて、夢から覚めてしまって「お前達は家族なんかじゃない~~っ!」とまでの悪夢になる前で良かった。


 ニワトリ踊り食いでも、手塚治虫の火の鳥みたいに、結婚して嫁になったはずの鳥の一族の女を殺して焼いてモモ肉を食ってしまい、鳥の一族を狩猟し始めると、罰として永遠の命を与えられて、死ぬと若返って行き、宇宙船内でも大人ロボボディーに赤ちゃんとして搭乗し続けなければならない。


 そんな酷すぎる犯罪歴がある男を顔と清潔感だけで愛してしまう女さんも、足がいっぱい生えた植物になってまで赤ちゃんを育てるし、猿田彦はいつも通り惑星で二人きりになっても愛されない。



 そこで本来の時間遡行、何故魔族がこの世界に来たのか? その因果、縁の起こりを探って来さえすれば、この国のように観測者が外国人しか存在しない状態なら、故国を元に戻せるかも知れない事を伝えておく。


 希望と言う名の絶望は、何時の時でも人には必要。


「え~、今の私でしたら、魔王と話し合い、何故人類領域に来たのか、過去に何があってゲートを一度だけ開いたかを調べることが出来れば、時間を遡ってこの国が滅びた事実を無かった事に書き換えて来る事ができます」


「は……?」


 こいつらには時間と言う概念も無いので、通常通り時間線を落下していくことしか認識できないし、逆に遡行して因果を滅して書き換えて来ると言う発想が無い。


 レディウスに乗って妹をザレムの瞳等で復活させようとはしても、24時間テレビの手塚枠みたいに、時間を戻ってタイムマシンで書き換えてこようとは考えられない。


 普通の人間でも「祖父殺しのジレンマ」によって、書き換えは不可能と思って実行しようとはしない。


 でも何故か、俺だけその制約から外されている。


 悪魔になって時間という拘束から外れたのか、時間移動が可能な四次元生物に分類されたのか、物理法則でさえ覆す力が与えられたのかは不明だが、俺にだけ時間と言う制約から外されている。


「今後も歴史書き換えをして、皆さんの国が滅びたり、ご家族を亡くす前まで戻そうと思っております、ご期待ください」


「はい……」


 多分全員理解できていない、言葉の意味が理解できない。


 ご期待ください、とは言ったが、渡哲也さんが振り返って太鼓が鳴って「マグロ」と言ったぐらい素材が無くなった。撮影快調ご期待くださいと言っても、素材が尽きたお知らせが来た。



 第三騎士団


 皇国で英雄として迎えられてしまい、最初のうちは良かったが、明らかにガガーリンとかリンドバークみたいに害になるレベルでちやほやされ過ぎて、若いのが数人篭絡されてしまい、マリオ君がエルフのオバハンに筆おろしされたみたいに実印突いちゃって、若い相手やまともな結婚相手ならいざ知らず、オバハンで三十過ぎで気が狂ってるような中古使用済みをニンシンさせてしまい、セキニンを取らされてドストエフスキーかリンカーンコースへ。


 口が酸っぱくなるほど言っておいたのに、耳にタコができるまで言っておいたのに、身体がいいだけか、良い匂いがするように香水付けてるだけのババアに手出しした。


 せめてお前らに似合う十代後半の結婚適齢期か、今後化粧でもして美人になる見込みの奴と言っておいたのに、今だけ美人ですぐに衰えて、年齢×100万の負債になると言ったのに、34×100万で3400万の負債に変化する、妊娠結婚最後の年齢詐称のババアに手出ししてしまった。


 どれだけ香水かけても臭くなって行って、体も以後は幸せ太りと言うかデッブデブ。「私もう化粧とかしないから」と言い出して、布団の中で隣に「もたいまさこ」みたいなブッサイクなのが寝てて、悲鳴を上げて起きることになる。


 と予言しておいたのに「やるな」と言われたことからやり始める発達みたいに、すぐにヤれるからと言って禁止事項からやり始めた若い衆。



「え~~、この度は聖国第三騎士団の若い者が、今は結婚しておられなくても、過去に結婚歴がある方と知らずに関係を持ってしまい、不幸な出来事が起こったようですので、謝罪や金銭による解決で済ませたいと希望しております」


「いやいや、目出度い事、あれだけの英雄が我が国に残ってくれて、種まで残してくれるなど大変な名誉、結婚を祝おうではないか」


 皇国側も英雄を縛り付けておける理由になるので、こちらの要求は「子を流してなかったことにして欲しい」と言っているのに「いやだモ~~ン、英雄はこのまま残って貰うよ~~」と言ってきている。


「もしこれが、適齢期の十代後半から二十歳程度でしたら、騎士団の者もお国に残り、お祝いにもなったでしょうが? 離婚歴がある三十代、今すぐご病気になられて果てる可能性がある方との結婚、騎士団長が魔国に行っておる間を預かる身としては、受け入れられませぬ」


 若いのを騙して誑し込んで、その上「今日は大丈夫な日だから」と女の大丈夫な日で姑息に騙して、妊娠までして責任を取らせようとした卑怯過ぎる女相手と結婚させる気はない。


 べ、別に聖国代表として言ってる訳じゃないんだからねっ、そ、そう、これは若い団員のために言ってるだけなんだからね、か、勘違いしないでよねっ。


 前に結婚させられた旦那も、体や見た目が良いからと結婚したら、嘘しかつかないし、適当過ぎるその場限りの嘘で生活している、記憶力ゼロ以下のマイナス女で家事もしない、もし嘘がバレたり相手の言い分が正しければ正しいほど発狂「ギャオオオオオオオオオン!」を開始して自分がいかに正しいのかを嘘で通そうとするクソ女だったので離婚。


 それで老後の生活が苦しくなって、領主の愛人から英雄を騙して結婚してやろうとしてわざと妊娠、複数の良い子種を受け入れて妊娠して来たか、働きもしないオラオラ系DV野郎の子を英雄の子としたか、これが托卵だったら沼入りさせてやる。


「まずは祝おう、結婚式を盛大に上げて、産まれてくる子供のためにも、出来るだけ盛大に」


 こいつ領主か何か知らないけど、てめえの所のお抱えの売春婦か愛人けしかけて、総動員で若い奴らの子種搾り取ったな? お前の子か?


「それでは、王家への友好の印として献上しましたる「賢者の石」全て引き上げて下がり、サイケラス王国再建への援助と引き換えとお約束したはずの、魔族魔物魔獣魔の森の討伐、浄化した土地の瘴気、全てお返しして差し上げましょう」


 浄化討伐したら元に戻せないと思い込んでいたな、悪いな、もっと悪化させて戻せるんだ、悪魔だから。


「そ、それは困る、それでは儂が王家からお叱りを受けてしまうではないか」


「ははっ、お抱えの売春婦や愛人、総動員して若い者の篭絡に使われましたな? これは戦争の開始で戦いの始まりの合図、再び魔国からのゲートも皇国内に開いて差し上げ、毎年数万人の犠牲の上に立たれ、いずれお国が滅んで行く所を外から拝見すると致しましょう」


 腹の中の子は母親でも気づかないうちに沼入り、やっぱりこいつの子を英雄の子としようとしてた。


 性根が腐った愛人女なので沼入り、お前達には再び地獄の魔の手を味わってもらおう。


「待てっ、待ってくれっ、待たんかっ!」


 交渉決裂で立ち去ろうとすると、半信半疑で足止めようとしたが、やっぱりミストみたいな世界か、エイリアンが卵産んでる世界のゲート開いてやって脂肪。


 領主屋敷内に巨大過ぎる虫がブンブン飛び始め、人間が噛まれたり血吸われたり、領地にゲートが開いて触手が出て来て、複数人が引きずり込まれたりし始めた。


 卵から幼虫が顔に張り付いて苦しみ、腹から生まれてきた後は第二形態、上からよだれ垂らして、誰からも「志村~後ろ~」と言われる前にモグモグタイム。


 魔物魔獣魔族も返却、DOOMの世界みたいにウッホウッホ出現して、違う世界からだから今までの常識も通用しない。


 手からビーム発射したり、口からプラズマガン発射したり、善良な市民にだけ遮蔽を掛けて、残り全員バリバリ食われて行った。


 まだ皇国とは悪魔の契約を済ませていない。「善良な市民は渡せない」と拒否したお貴族様とも無断で悪魔の所業を開始。


 善良な市民は殺さない、働かないクズと泥棒と強盗とレイプ魔だけ殺す、盗賊強盗麻薬販売業者、高利貸し奴隷業者発達糖質だけ殺すと言っても、知能が低すぎて理解できない。


 一体どこが善良なのかは分からないが、よっぽど犯罪業者とその下にいるチンピラからの鼻薬が効いているのだろう。


「シュビシュビシュビシュビッ!」


 プラズマガンの発射音が絶え間なく響き渡る領主屋敷を後にした。


 このまま皇国を後にすれば即座に国が亡ぶのだが、一応滞在先に戻った。



 王宮


「勇者さまぁ! 領主屋敷に魔獣共がああっ、それも知らない種類ばかりいいいっ!」


「で?」


「はぁ?」


 勇者なら、その知らせを聞いたらすっ飛んで行って、すぐに解決してくれると思い込んでいる従者。


 悪いなあ、俺悪魔だから、その事件起こした張本人なんだわ。


 自分の子供を妊娠させてある愛人を、ウチの騎士団の若いのに宛がって「我が子は勇者の子なり~~」とやろうとしたので、今頃その領主も食われたかプラズマガンの餌食。


「兎に角ッ、領主屋敷で新種の魔獣がっ」


「ああ、その上、新しいゲートが開いて、魔族よりも厄介な、新種の魔物魔獣が来てるんだろう。それ俺がやった」


「はあ?」


 のらりくらりと領主が何をやらかしたか説明し、王家からの直接依頼にも、もっかい同じ説明をしてやり、今回は「もっと怖い魔界?」とゲートが開いてると言ってやって、放置すれば三日もあれば国が亡びると、のんびり説明してやった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る