第9話 ざまあ街道

 長老古老が挨拶しに来た集落では、世界樹が奇跡的?に復活し、悪魔なんか来なかった?のに何故か治った。


 ついでに「世界樹の力で」里全体の瘴気が浄化されたことに。


「ああっ、世界樹様が復活なされた~、これでこの里も安泰」


「世界樹様のお力で、瘴気が浄化された~~」


「私は世界樹様の声を聴いた、神の力により復活なさり、この里も浄化されたと」


 と言うことになった。


 エルフさんは世界樹から「命の水」というのを摂取しているらしい。詐欺広告や詐欺じゃなくて不老長寿の水が本当にあるそうだ。


 俺は不老不死だからいいけど、マリオ君リタちゃんもクエスト達成のお礼に飲ませて貰った。


 周囲の結界も人類では破れないように細工。今までは里の者が手引きしていると入れたが、人間が来ると永遠にエルフの森の中を彷徨い続けるように工作。


 略奪に来た奴らなら、沼を設置しておいたので「脳みそ寄越せ~~」の刑。


 レイズナー的にエルフの里をこの星から隔離、居残り組は未来永劫人間とは出会えないようにした。援助を求めるなら新天地へ。


 ドラクエff的には、ラーミアとか飛空船でもないとマップは見えても行けない感じに。



「新たなる大地よ~、遠き呼び声よ~、我らは往かん~新天地へと~」


「新世界樹様がおわす大地へと~、今こそ旅立たん~~」


 何やら新天地(ユートピア)の歌とか、救世の安息地(エデン)の歌が出来上がっていて、泣きながら引っ越し道具を持って、台車引いて子供の手も引いて移動しているエルフ達。


 僻地に追放されたハズレスキル領主みたいに、土魔法で家屋だけ建設してやって、ドアとか窓とか中身のシーツやら布団は自前で。


 サーベルタイガーが来ても、沼入りして貰うか周囲の壁で阻めるように。


「痩せた土地だぁ、蕎麦から始めねえとぉ」


 と言う訳で、土に関してはプロにお任せして、肥溜めとか堆肥とか山土だけでも準備。


 土のりん分とかポタッシュの効き具合とか、カリウムカルシウム分の調整はお任せの方向で。


 一時的に瘴気は取り払われたが、俺がメンテナンスしないとすぐに汚染されて住めなくなるので、穢れた方の土地は捨て去って、新たなる大地へ旅立とうというコンセンサスらしい。


 一応瘴気も移転不可で、越境できないように。


 聖国内でエルフ解放戦線として活動していた連中も、順次新天地へと旅立ち、でも聖国への仕返しテロ何かは実行する模様。


 聖国内、周辺国で捕らわれていたりしていたエルフも、どこかの骸骨騎士様かチヨメちゃん(誰?)みたいに解放して、新天地か旧エルフの里へと送り返した。



 それから、エルフの各集落を回って、各地で転移門を開いて引っ越し開始。


 その集落の者しか入れないようにして、例え人間の軍隊が追走しても、魔族の軍団が押し寄せても、転移門は潜れないように細工。


 何か所かは既に人間の軍隊か、傭兵や冒険者の襲撃を受けて、エルフの集落は解散させられていた。


「そんな…… 地域最大の集落が」


「これは酷い」


 焼き討ちを受けて、家屋は焼失するか倒壊していた、帰って来たものは居ない。大半は連れ去られて性奴隷。


 同じ里の者でも明らかに敵意が認められて、人間を手引きして里を崩壊させようとしたり、世界樹を枯らせようとしたり、ビッグモーターみたいに除草剤撒いたり塩撒いたりしたら沼入り。


 今日はょぅじょエルフ、ネコミミ巫女メイド仕様の戦闘メイド達も連れて来たのだが?


「救世主様、我らはこのまま残ってお世話をするよう、長老古老から仰せつかりました」


「へ?」


 家族の元に帰って、奴隷からも解放されて、こいつらならサーベルタイガーにも勝てるので、新天地を目指して貰うと出発前に言ったはずなのだが?


「我ら五十一名、救世主(メシア)様を悪辣な聖国からも、魔族敵国からもお守りして行く、名誉ある任務を仰せつかりました。救世主様が新天地(ユートピア)にお出でになるまで警護せよとのお達しです」


 ガッツリと笑顔、でも病んでいる笑顔。いつも通り涙垂れ流し、カタカタ小刻みに震えているのが特に怖い。


 この間なんか敵国の間者に襲撃されただけで「お逃げ下さいっ!」と言って盾になって散華する気満々。


 沼を出しさえすれば、生身の刺客なんか楽勝なのだが、ご本人様自分を盾にして死ぬ気マンマン。


 死番が決まっているそうで、故郷であるエルフの里を救われたので「命に対しては命で答えなければならない」と言う訳で全員死兵。


 全員順番に夜伽をする気もおマンマンで、一晩にニ三人相手にしなければならないそう。


 何でも「孕み番」というのもできたそうで、年上から順番に妊娠させていかなければ帰らない模様。出産時だけ実家で出産するそう。


「故郷全てを救われたのですから、命は命で返さねばなりません。全員で乙女を捧げて我らの里にも救世主(メシア)様の種を残して、引き継いで行かなければなりません。我らがまずお種を頂戴して、子を産み残す栄誉を受けました」


 エルフ解放戦線ヤバイ目付きして、独立計画立てていた連中並みにヤヴァイ目付き。


 その笑顔は宗教的法悦に満ち溢れていて、救世主の子を産む気もマンマンで、エルフの里での地位も約束されていて「神の子」を産むのだから「神の巫女」で、俺の方は青き衣の人みたいに、エルフ族を清浄な大地に導いた功績で、向こうで神扱いされる模様。


 尚、この世界に残るとか、魔族の世界に出張(デリバリーキル)するとか、元の世界に帰るという選択肢はない模様。


 五十一人の巫女と共に末永く暮らして、子供も沢山残して「神の系譜」とやらを残さないとイケナイらしい。


(タスケテーーーー)



 エルフの泥棒猫?が夜這いに来るのは許せないらしく、リタちゃんが俺の部屋に居座って穢れた性行為とか許さないし、バスタオル一枚で入室して来て嫌らしいことをしようとすると何故か俺が怒られるし、全員エルフ語で会話しているので話通じない。


 一回翻訳魔法を使って話し合い「ナゼ夜伽のジャマをするっ、人間っ!」と言うと、俺が見ている前で「私がお嫁さんになりますっ!(////)だから変な事しないでっ!」と言われてしまった。


 JSに告白されちまったよ、甘酸っぺえ~。


 でも「救世主様の子を成シテ、産み育てていくのでアレバ同志ではないカッ?」となると「アレ?」と思ったのか、丸め込まれたのか考え込んでしまった。


 リタちゃんはまだJSだという事で断れたが、エルフの奴らは合法ロリ30~45歳。


 欠食児童なのでガリガリで、ミニマムAVに余裕で出られる130センチ以下で、あべみかこを超える逸材揃い。中にはミャンマーかどっかのハーフみたいに1メートル少々しかない真正ロリも。


 奴らは人間の閉経年齢、45歳ぐらいから初潮が開始するらしい。でも外見年齢は一桁かようやく二桁、あそこに毛も生えていないロリ。


 細菌研究所でもネコミミロリ巫女戦闘メイド警護兵が見つかってしまい「ロリコンの人だ」「ロリの人だ」「幼女趣味の人だ」と見られている。


 肉撒いてオバハンからの評価は上がったはずだが、少女漫画風の周囲全員から白い目で見られている。


 一回、警護についている連中がオバハン達に翻訳魔法をかけて会話した時、何度夜這いしてもヤってくれないと相談したみたいで「夜のお勤めを受けて貰えない」「お〇ムコして貰えない」と言ったので、五十一人もエルフょぅじょ奴隷抱えている件からは許して貰えたが「我々はエルフ解放戦線でアルっ!」と言っちゃったので、以後テロリスト扱い。


「見て、エルフ解放戦線の人よ、怖~~い」


「テロリストだわ、エルフを奴隷から解放するそうよ」


 うん、まだょぅじょ趣味でロリコン野郎の方がよかった。ショタを雇っておらず、美青年も雇っていなかったので細菌研究所ではガチホモ疑惑は無かったが、エルフの青年戦士とかも屋敷に通って来るので、屋敷ではホモ疑惑は消えていない。


 ょぅじょ奴隷ネコミミ巫女メイドからも、自分達がヤってもらえないので、ホモ疑惑が上がっている。


 そうすると「you来ちゃいなよ」と呼ばれたと思っているのか、マリオ君が(////)となったり、試しにショタや解放戦線の戦士まで俺の部屋にやって来てしまう恐怖体験。



 貴族家から寄越されている15歳以下の不遇系の令嬢には手出ししてないし、商家から送られている成人前の妾腹の子なんかにも手出ししてない。ババアとか傲慢系のブサイクは家令と一緒に追い出した。


 エルフみたいに夜這いされても「はい、ベッドで一緒に過ごしました、もうこれでお嫁さんです」と言ってナデナデ以上の事はしないので、令嬢にもタマナシ野郎でホモだと思われている。


 不遇系の令嬢達は三日以上床を共にしたので、キズモノ扱いでセキニンを取らなければならない。元の世界だと15歳以下なんかレイプでタイホ案件じゃないか。


 外見の方はレベル上げによって、獣人ロリが「ご主人様、こんなになっちゃいました~」の法則により、寝ている間にゴキゴキ言って大成長。


 イギリス人とかプリンセスダイアナみたいに身長180センチ越え、アンダーバスト1メートル超えのキンニク奇乳で、ガイジンさんらしくヒップ130超えの人間兵器。


 ウエストもフトモモ周りも80センチ超えの、自転車部みたいな足回り。


 レベル300越えのサムライで、俺如きがチャランポ100発入れようが、チンケな魚雷やエクゾセミサイル100発打ち込もうが沈まない不沈空母だ。


 商家から来た子で妾腹の不遇系も、身長175センチの巨女で「ボウズ、この俺に勝てるとでも思ってるのか?」の系統のカッチカッチでムッキムキの浅黒い皮膚で、スゲエ大剣持って胸板か顔辺りに魔獣の爪痕が似合いそうな、ホットパンツとチビTで腹筋とフトモモのキンニクを見せびらかしている系統の傭兵かギルドマスターか剣術の師匠みたいな外見。


 抱かれるか夜這いされると、俺の方が「ゴキゴキゴキゴキッ」と言わされて、背骨を鯖折りで折られる方向に。


 二人共キン肉フェニックスかキン肉マリポーサぐらいムッキムキ。俺みたいな「貧弱なボウヤ」ではもう太刀打ちができない。



 第三騎士団


 第三騎士団と社畜なので、バラの花が咲き誇ったりガチホモの花が咲き誇るかもしれない。


 拷問じゃなくて、どっかの野球部みたいに「ケツ出せっ」で柱に縛り付けられたままセンパイに掘られたり、パイセンやらカントクに輪姦されてしまうかもしれない。


「洗いざらい吐いて貰うぞっ!」


 取調室に通され、周囲は騎士団員で取り囲まれているが、最初に話しかけた奴が「レベル八千万のエルダーリッチ」とバラしてしまって台無し。


 周囲全員足が産まれたての小鹿で、もう俺に歯向かうことができない。


 こういう時は事情を知らずに偉そうにして「さあ吐けっ!」とか、拝一刀みたいにぷりぷりの系までして、散々拷問を加えてから全然効いてないのを知って、沼に放り込まれて失礼な態度をとった奴から死ぬのがお約束なのに。


「え~、細菌研究所の洗濯婦のオバハンから飢饉だと聞いたんで、周辺の村やら街で肉撒きまくって、瘴気が来て不作だと聞いたんで浄化もして作物取れるようにして、ついでに村と街の周りに沼張ってやって、人類の敵人狼もヴァンパイアもサキュバスもザブンザブン沼に嵌って貰って処刑。魔物魔獣も魔族も悪人も嵌って貰って、山賊の下見に来た奴も盗賊が街に入って調べてた奴も全員沼入り、ついでに高利貸しも麻薬業者も、エルフや獣人の里を襲って奴隷にして売ってた奴も全員沼入りして貰いました。どうです?治安大分よくなったでしょう」


 騎士団の副団長のオッサンも口をあんぐりと開け、騎士団連中もガクブル。


 治安がどうこうじゃなくて、騎士団でも取り締まれない人狼とかヴァンパイア、人に隠れて忍んでいる化け物でも平気で区別して処刑、見分けが付かない山賊やら野党の密偵でも区別して処刑したのが悪かったらしい。


 こいつらも大抵グルだから、鼻薬効いてて捕まっても逃がしそうだから死刑。


「おい、どうする? こんな奴取り締まれるのか?」


 まだ茶も出して貰ってないし、かつ丼もkatuduunも食わせて貰ってない。


 質問も途切れたようなのでセルフでティータイム、アイテムボックスからコーヒーでも出して飲む。


「待て、それどっから出しやがった?」


「ああ、アイテムボックスでしてね、ここまでレベル上がったら空間魔法でどこでも転移一発でさあ」


 ここにも魔法禁止の結界ぐらいはあるが、レベル40~50程度の奴が貼ってるから無効。


「転移っていやあ、エルフ達が迫害されてて、瘴気で土地も死んでるんで、新しい土地やって転移門開いて、今引っ越しの最中でして」


「ハア?」


 空間魔法を知らない連中で、魔法使いなんぞ不倶戴天の敵らしいから何も知らない脳筋。


 一応エルフ解放戦線の主催者なのは伏せておく、ん? エルフ?



『突入っ!』


 外でエルフ語が聞こえると、ドンドン爆破する音が響いて、即ここにもエントリーして来た。


『ウゴクナアアッ!』


 一応人語だがアクセントが違う。イスラエルのTAVORみたいなプルパップのライフル持ったロリエルフネコミミ巫女メイド部隊が突入して来て、俺の安全を確保しようとしてきた。


 やっぱり隠蔽スキルとか使って俺をつけ回していた、それで騎士団に取っ捕まったから突入してきた。


 ちなみに俺の趣味でそんな恰好をさせているが、尻尾を取り付けるには「アナルプラグ」を使用しないとイケナイので「ヤダァ、尻尾がぁ」プレイはしていない。


 こっちの連中は俺が錬成したライフルなんか見た事も無いから、子供相手でも即剣抜いて反撃しようとしたから射殺。


 やっぱりガンスリンガーガールか、マージナルオペレーション並みにロリが射殺。


 副団長は座ってたから銃床でぶん殴られて殴打殴打、その人俺のマブダチだからね。


 ここに第三騎士団は壊滅した。



『もう、遊んでただけだから捕まってないし、即射殺しない事』


『サーイエッサー』


 自分の身を守るために武装させたはずが、留守中訓練してたみたいで、爆破エントリーまで使って突入して来た。


 テロリストとは交渉不可で、例え超法規的措置でも取引は敗北になると教えてしまったのが間違い。


 コイツラもエルフ解放戦線の戦士だった。オネダリされて解放戦線の青年部も同じ武装を持ってる。


 カウンターテロのはずが、テロリスト扱いで何度も放送中止させられるフルメタみたいな感じ。ダンクーガNOVAとガンダム00は何故か中止されなかった。


 テキサスやらスイスみたいに堂々と街中でも武装している、こちらでは武器に見えないそうで、デザート仕様迷彩だと捕まらない。


『みんな射殺されちゃって、悪魔が来るけど勘弁な』


 第三騎士団のタヒ体を修復してやって復活させる。正確に脳を討たれて弾け飛んでる、エルフ、恐ろしい子。


「エンヤ~~トトオ~~、ユックラショ~~~、ワッショイ、ハア~ドスコイ~ドスコイ~」


 またヘブライ語の暗黒魔法が出て、ついでに悪魔も出て来て完全治療、死んでる奴には死者蘇生。格ゲーのコンティニュー画面みたいな副団長も復活。


「お、お前……」


『ワレワレハッ、エルフカイホウセンセンダッ!』


『テヲアゲテ、ユカニフセロオッ!』


 反抗の意思があったのか、また銃床で殴打される副団長。周囲の奴らも生き返れたけどガクブルで、おしっこ漏らして何なら大きい方も漏らしてガッタガッタ震えて制圧されていた。


『救世主様、制圧完了しましたっ』


『結構だけど、ここ騎士団だからね、平民同士で国内の犯罪取り締まりとかしてる人だからね』


『サーイエッサー、しかし、こやつらはエルフと見れば犯罪だと言い出して、取り調べて変な事をしてこようとする変態です』


『そうなん?』


 犯罪者からは鼻薬効いてるし、捕まえても盗賊ギルドなら逃がすし、暗殺ギルドの取り締まりなんか命が惜しいから絶対にしないし、やっぱりこいつら全員ホムンクルスの刑にした方がよくないか?


 立場も逆転したことだし、副団長に聞いてみた。


「あの~、エルフの言い分だと、お前さんらはエルフを見ただけで取り締まって、ぶん殴って撃退しないと指やアレ突っ込まれて、嫌らしいことを要求され続けて、犯罪者捕まえても盗賊ギルドなら即逃がすし、暗殺ギルドなんか絶対に取り締まれないと聞いてるんだが、全員ホムンクルスにした方がいいんじゃないか?真面目に働くし暗殺ギルドでも取り締まるし、犯罪者ややくざから鼻薬効いてないし?」


「そ、そんな事はない」


 目泳がせまくり。


「オマエラには街の治安は守れん、そこで提案だが、お前ら全員を真面目に働くホムンクルスに変更しようと思う」


「「「「「「ひいいいいっ!」」」」」」


 床に伏せさせられて、両手を出して頭の上で組まされているので抵抗できない一般騎士。


「やめろっ、こいつらはちゃんと働いてるっ」


「それが働いてないんだなあ、若い者ぐらいは真面目だけど、笑われて蔑まれて馬鹿にされて腐って行くんだ、30歳以上の団員全員ヤクザから金貰っていて、盗賊ギルドとはオトモダチだ、他にも盗賊や山賊に情報送って小遣い稼いでる奴もいるし、病膏肓に至るって奴だな」


「そんなっ?」


 戦隊レッドみたいなやつは副団長だけ、他は腐り果てていて、貴族の団長も見て見ぬふり、裏では金も受け取らない馬鹿な奴だと笑われているのも知らないのか?


 まず最初に、床で制圧されてる奴を調査。


「お前、山賊と取引があるだろ? 幼子を誘拐されても平気で城門を通す、ヤクザがみかじめ料取っても無視、なんならヤクザとお友達だって市民に思い知らせて払わせる手伝いまでした」


「ヒッ!」


 邪眼で全部バレてる、言い訳言い逃れ不能、まずはコイツからホムンクルスの刑。


 何で捕まった騎士団の中で、逆に取り締まりしなくちゃいけないんだ。


 結局、汚染されていなかったのは20代の若い衆と第二騎士隊隊長と副団長だけ。それ以外は汚染されまくっていて、どちらかと言うと犯罪者側。


 市民が被害を届け出たら、そいつが犯罪者として取っ捕まって処分される世界。犯罪やってる野盗にヤクザに麻薬組織は守られる。


 もし間違って犯罪組織のシノギを邪魔したらいけないので、軽い窃盗でも取り調べしない。こいつらが犯罪者、おさわりまんここです。


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「私達は社会の歯車です、夜明けから日暮れまで働きます、週六日働いて安息日には休みます」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 騎士団総出でお出迎え、貴族の団長まで50人以上でお出迎えされると壮観だな。


「結構」



 残されてガクブルしている副団長と若いのが残った。


「さあ、君たちこそ正義だ、バンバン取り締まってほしい。今まで君たちを馬鹿にしていた犯罪者の仲間は死んだ、賄賂を貰って犯罪行為を見逃して、野盗盗賊に情報を流し、山賊が幼子を攫って行くのに城門を通し、ヤクザ者と一緒にみかじめ料を取って行くのを手伝って、犯罪にあったと申告して来た奴がいたら、そいつを捕まえて取り締まる犯罪者に加担した奴らはもういないっ、君たちがこのホムンクルスどもを使役して、犯罪行為を取り締まるんだっ」


「…………」


 流石に絶句している、まさか騎士団が犯罪者の巣窟とは思わず就職すると、犯罪者を取り締まろうとすると怒られ、逆に賄賂を貰える経路を開拓してくると褒められる腐り果てた組織、それが一瞬で覆るとは思ってもいなかった模様。


 レイプ被害を訴え出たら「そんなこと世間に知られてもいいのか」「黙っておかないと恥ずかしい思いをする」と訴えを取り下げるよう説得され、韓国みたいにレイプ被害者をレイプする警察。ヤクザや半グレはお仲間なので捕まえたくない騎士団。


 結局、盗賊ギルドや麻薬販売業者や奴隷販売業者や高利貸しを訴えると、自殺「させられる」のが今までの騎士団。


 存在してる方が害悪じゃねえかよ、犯罪者と完全にべったり。神奈川県警と兵庫県警と一緒でヤクザの企業舎弟でフロント企業。


 横流ししてただけの奴らが可愛いほどで、それすら取り締まろうとしたり注意すると、逆にボコられて適当な犯罪歴を取り付けられて処罰されてた。ソッチは名誉回復してやろう。


「出るは出るは、騎士団ってのは犯罪者の巣窟で、犯罪の総合商社だなあ、副団長?」


 逆に取り締まられて、椅子に後ろ手に縛られて拘束され、エルフ解放戦線に殴打され続けてる。


『ハケッ、ハンザイシャメッ』


「す、済まない……」


 それでもこんな奴が純粋培養で、まだ正義の心をもって勤務していたって言うから驚きだ。


 貴族の団長は阿片漬けで悪の限りに手を染めていたのに、上から互い違いにまともな奴らも雇われていた。副団長、第二騎士隊隊長、その下は若い騎士。


 まあソイツラに通常勤務させておいて、表の顔だけ整えるって寸法だろう。


 捕まった奴がヤクの売人だったら、アメリカみたいに弁護士でも来て即釈放されるから、パトカーの中でドーナッツかマクドでも一緒に食って、景気は良いかヤクは売れてるかジョークでも言って日常会話して、100ドルほどポケットにお小遣い突っ込んで貰って、捕まえないで「気を付けろよ」と声かけて、オトモダチになる方が賢い。


 でないとヤクを買えない客に「あの警官を殺したらヤクをやる」と言われて、正義の警官なんぞすぐ射殺される。


 最初は捕まえないで見逃してくれたらお小遣いが貰えて、家も貧しいから賄賂を貰うようになる。犯人は捕まえて帰ったら上に怒られるから、その次は阿片でも貰って自分を誤魔化し始めると転落コース、ってのが黄金のパターン。


 ちょっと正義の人をリクルートしに行こう、今まで正義を執行しようとして罠に嵌められ、濡れ衣を着せられてまともな職にもつけなくなった連中に復職して貰おう。



「ちわ~、第三騎士団の方から来ました~~、貴方の冤罪が認められて、濡れ衣着せて追放した奴らがタイホされました~」


「は?」


 追放されてからは、貴族街の下水道清掃とか肥溜め用のウンコ回収ぐらいしか仕事が無かった奴が驚いていた。


 悪の巣窟が清潔になるはずが無く、犯罪者組織の方がはるかに強いんだから、心が折れて惨めに生きて来た連中。心の芯まで腐ってなければいいんだけど。


「もう放っておいてくれ、こんな世界の方が間違ってる」


「いえいえ、正義の人をリクルートしに来たんです。今までの騎士団は壊滅しました。俺の沼に嵌って貰ってホムンクルスに変更。賄賂や阿片貰ってない奴らだけでやり直す所なんですよ、是非正義感が強すぎて、横流しすら見逃せなかった貴方には、騎士団に復帰して貰いたいんですが?」


「あんたは、一体?」


「いやあ、聖国からも睨まれてるレベル八千万のエルダーリッチでしてね、騎士団に取っ捕まったら、逆に酷すぎる騎士団取り締まることになって。今まともな奴って言えば副団長と第二騎士隊隊長と若い衆だけなんで、是非貴方にも復帰をお願いしたい、給金はとりあえず前の倍でどうです?」


「わ、分かった」


 肥え汲みとか給料が安すぎて、すぐに転向してくれた。世間体も良くないし、犯罪者扱いされていたのも名誉ある騎士団に復帰できる。


 生き残った連中も給料倍、ホムンクルス分上納金に出させれば楽勝。


 親兄弟や親戚一同から蔑まれていたのも大逆転、ざまあ街道を突っ走れる。

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