第7話 救世主
マリオ君に偽エリクサーを売りつけた連中を始末して、腐った奴も始末すると、ラウンジから冒険者がいなくなるような怪奇現象が起こった。
真面目に傭兵や商人警護に出て働いてる奴らは生き残った。迷宮に降りたりフィールドで魔物狩り、魔石狩りしている連中も生き残った。
酒場で管撒いていて、他人を働かせて上納金で生きているような奴らは全員ホムンクルスの刑。
下の者の上前はねていただけの、若い衆働かせて汚れ仕事させて指定依頼でもピンハネしていたギルドマスターも死んだ。
全員沼入りして貰って地獄の底に落ちて、今もネクロマンサーのしもべとして、新入りを沼に引きずり込む簡単なお仕事について貰っている。
もう蠅の王は交代しないだろうから、ピンハネ野郎は出て来ない。
酒飲んでいるだけで他人の上前はねて、みかじめ料を取るヤクザは根絶しておいたので、次回は早朝にでも行って取り上げられていた分は返還してやろう。
ヤクザ共が全部飲んでしまっていたが、ホムンクルスたちに上納金を上げさせると、結構な金額が入って来た。
「リタちゃん、儲かったからお小遣いを上げよう」
「ヒイイイイッ!」
JSかJCに見せてはいけない金貨十枚で、金貨なんか見たことがない子には上げてはイケナイ金額だったようだ。
「こ、子供に何て金額を」
「いやあ、魔獣も売れたし武具も売れたからさあ。何でもお兄ちゃん通して買って貰うのもなんだし、必要な物は自分で買えるようにしておかないと……」
常識外れの金額過ぎて、マリオ君に怒られてしまった。
お母さんみたいに「こっちも親戚に上げてるんだから」とか「光熱費食費被服費スマホ代」で取り上げられなかったようだが、持ちなれない金額を持っていると盗まれるので、ギルド貯金にボッシュート。
リタちゃんにパパ活させないで済んだ。どうも女と言う生き物は、綺麗な家の家賃に服代靴代バッグ代化粧代ランチ代が決まっていて、必要な金額も固定で、収入が足りないと股開いて稼いでくるそうだ。
冒険者試験も済ませて出てくると、目付きが完全にイカレテいたポーター連中もレベル上げしてやった。
あそこまでイカレタ目をした奴らを見たのは、震災直後に盗みに入るのを勧誘してきた後輩の目以来だ。
そいつも家壊れて大被害に遭って、新車の車も燃えて悲惨な目に遭っていたが、丁重にお断りして置いた。
元冒険者のお爺さんを治療してやれなくて心残りだが、あの場で治療すると俺も俺もとなって身動きが取れなくなったから、目の色が違っていたポーター連中を優先。
全員ケツアゴの巨人になるまでレベルアップしてやったので、サムライレベル20とか魔法全部使えるニンジャレベル1ぐらいだけど、あとは何とかやって行けるだろう。
一昨日見逃した盗賊共と野盗と山賊は、冒険者ギルドにいたやくざ者とも関連があって、盗賊ギルド暗殺ギルドにまで連携していたので、そちらも朝から出動して根絶する。
俺を殺しに来たのは暗殺ギルドの連中なので、丁寧にお返しをしてやらないと。
「さて、今日も聖都巡りだ」
「はいっ」
今日も悪行をやるので付いて来て欲しくなかった所だが、サイレントモードで沼入りして貰ってレベル上げ。
まず麻薬の売人から辿って、麻薬販売組織の拠点へ。
「私達は社会の歯車です、夜明けから……」
「ああ、それいいから元売りの所に案内して」
「はい」
トコトコ歩いて麻薬販売組織へ。
「あれ? こいつら敵国の……」
正常な戦争手順では俺に阻まれるから、不安定化工作として麻薬バラ撒いて国家ごと破滅させようとしている。
国を亡ぼすと言えば阿片で麻薬。中国を滅ぼし掛けた阿片戦争ってのもあるし、今はその意趣返しで中国産のアンフェタミンか何かでアメリカ人全員麻薬中毒。
毒性がコカインの数千倍で、致死量も少量、捜査員が粉末に触れてしまってショック死するレベルだそうだ。
デトロイトとかフィラデルフィアでも、駅前の道路には麻薬中毒患者のホームレスがたまっていて、全員中腰で何か叫んでるし、スーパーコンビニの店員でも仕事中にヤク極めて、バッチリ決まっちゃってるのが普通。
怒られるどころか「HEY,MDMA?コーク?ハッピーだねえ、HAHAHA!」と声かけて貰えるぐらいハッピー。
何時だったか「アメリカ人はこれ以上常時苦痛に晒されなくていい」と言った医師で研究者から、痛み止めがアホほど処方され、それ以降はドクトリンが変更されて処方麻薬で痛み止めが合法的に流通。それを見付けた子供がオーバードーズして麻薬中毒。
今は処方禁止されたそうだが、その難民が痛み止めに麻薬やら笑気ガスにまで手出しして、マイコーでもryuchellでも脂肪。
ヤクのバイニンの性奴隷になってDVに晒されていてもレイプ?され続けても、麻薬の方が欲しいからそこから離脱できない。
「何もんだぁゴラァ! 見せもんじゃねえぞぉ、さっさと消え失せろやぁ!」
建物の警備にガラの悪い凄いデブの巨人が二人立っていたが、沼入りして貰って始末。
外に立って肉串でも食いながら、屋内にも沼を展開して関係者全員始末、権利関係の為か、何故か貴族家の次男三男も関わっていたが始末。
『脳みそ~~』
「ああっ、あああっ、あああああああっ!」
『生きた体~~~』
「ぎゃあああああああっ!」
頭領らしき奴も聖国の貴族だったが、敵国の勧誘に従ったか、元から国を売るつもりだったのか、売国奴も始末した。
「「「「「「「「「「私達は社会の歯車です、夜明けから日暮れまで働きます、週六日働いて安息日には休みます」」」」」」」」」」
「結構」
安息日には「労働の再生産」とやらをやって貰って、疲れも取れないし栄養も取れないから、中国の肉体労働者みたいに強い酒でも飲んで頑張ってもらっておこう。
大体何をしているか、マリオ君にもリタちゃんにもバレているが、そこは社会の浄化のためなので目を瞑って貰う。
麻薬業者を一件壊滅させた。経験値125000を得た、550万ゴールドを得た。
やたら金を沢山持っていたな、金庫を開けると権利関係の書類なんかも契約書もあった。
これを辿れば次にご案内。
「くそう、よくも同志をっ」
「何故ここが我らのアジトだと分かったっ?」
お次はお仲間?のジェダイマスターみたいな黒フードの連中と遭遇した。多分敵国の潜入工作員で、腐ったヤクザ者とは同居したくなかったから、別動隊として母国に報告していたらしい。
「いや、政治的背景は辿ってなかったよ、ただ麻薬販売組織を潰しに来た善良な市民だ」
「ふざけるなっ」
「殺(シャーー)」
刃物持ってかかって来たので沼入り。六、七人に囲まれたが特に問題なく始末。
人間相手なら手練れだったんだろうけど、エルダーリッチには敵わない。刃物は効かないし物理攻撃無効。
愛国者で真っ当な人間?で、IQ高めの教科書でも取説でも読解可能な人間だから、生かして置いても良かったんだけど、阿片のせいで死んだり狂ってる奴もいるから、綺麗な体じゃないから脂肪。
並行してマリオ君とリタちゃんで、屋台巡りなどしながら聖都を散策。
今まで贅沢もできず、焼き串とか果物も買えなかったのも発散。ウィンドウショッピングしたり、下着類や服を着替えを含めて数着買い集め、仲が良い兄妹でキャッキャウフフしながらショッピング。
ただ、周囲の人類は身長150センチ以下のチビ揃いで、碌な物食ってないし腹の中に寄生虫持ち、格ゲー界隈では「人権が無い」模様。
その中を身長180センチの二枚目が歩いているので、女ども全員(////)。相手中学生だぞオバハン。
リタちゃんでも170センチ近くあって、アンダーバストで1メートル越えの奇乳。
男どもでも羨望のまなざしで見て「デケエ(何が?)」とか言ってるが、相手がJSとは気付いていない。
防具屋で皮鎧やローブなどもフィッティング。剣とかメイスとかヘルメットは、敵国から鹵獲した高級品を予備も含めて渡して置く。
「こんな高級品、いいんですか?」
「ああ、敵国から奪った奴だからどうでもいい、高級品かは知らないけど、敵国兵が持ってた奴が嫌なら新品でも?」
「いえ、これで構いません」
鞘の装飾とか掴みがやたら綺麗な奴だけど、三次職聖騎士だから「ころしてでもうばいとる」にはならない。
「剣なんか消耗品だから、刃筋通せなくてもバンバン折って、折れたら次って事で」
「こんな高級品で?」
「ああ、折るの前提だったら、一般兵士が持ってた奴でもいいか」
三次職聖騎士の強力で振り抜くと、鉄剣なんか普通に折れる。五右衛門さんみたいに斬鉄剣が折れて「不覚、拙者の剣技が足りんばかりに」とか言わないでバンバン折る。
名刀子鉄であろうとも、素人が降ると元禄刀とか呼ばれる細い刀なんか平気で曲がる。
三島由紀夫を介錯してやっても、バンバン叩き切りするから一向に切れないで曲がって、引き切りとか首切りの朝太郎さんじゃないからできない。
他の業者はチャイナマフィアなのかロシアンマフィアなのか知らないが、兎に角根絶。
敵対組織があるなら、取引現場か手打ちの場面をデスウィッシュシリーズのバトルガンM-16(動詞)してやって、爆破してから散兵を射殺。
奴隷商人もいたので根絶、高利貸しもいたので根絶、売春宿で薬漬けにして体を売らせていた連中もいたので、の〇ピーに麻薬やってたみたいな連中も根絶。
山のアジトにいる盗賊とかも、聖都にいたまま根絶。捕虜になってた貴族とかご婦人は自分で帰って来ないといけないけど、沼に保護されながらどうにか魔獣に食われないで帰還。
そちらからの入金と言うか金庫の中身が凄すぎたので、証文も焼いてトイチで闇金やってた奴らも、借金取りのチンピラも根絶、借金漬けの奴らも奴隷も開放。
売春させられてた成人で、一体幾つか分からないエルフに、売られていたエルフょぅじょとショタを合わせてとりあえず100人ぐらい、ケモミミのょぅじょもショタもいて大事件。
「もう大丈夫ですよ、檻から出してあげます」
「早く出て、奴隷業者はもういない」
マリオ君を見て、男だと怯える奴と(////)になる奴とで別れた。
さあどうしよう? このまま牢屋に入れておく訳にもいかないし、売春宿に置いて行く訳にも行かない。
奴隷業者の従業員も黒服もホムンクルスにはしてあるが、男と置いておくと嫌がる連中や、牢屋のドアが開いているからと言って脱走して、もっかい捕まるドジっ子属性の奴もいるので放置できない。
「隠蔽」
とりあえず隠蔽魔法で隠しながら移動。それでも逃げようとする馬鹿がいるので、魔法で拘束して歩かせる。
高利貸しとか売春宿の中身を放り出しておいて、売春婦は売春宿、どこかで捕まって奴隷にされたエルフも高利貸しの屋敷で解放。
『え~、皆さんには「独立」と言う概念を持ってもらいます』
『『『『『『『『『『はぁ?』』』』』』』』』』
エルフのショタロリ連中も、聞いたことがない概念に戸惑う。数百歳の連中には分かった模様。
間違えて「皆さんには、これからデスゲームをして貰います」と言いそうになったが、エルフだけで独立して貰う。
ケモミミ獣人にも独立して貰うが、まだ数が少ない。
このまま売られても、エルフの少年ならイスラム武装組織みたいなのに身を投じて、自爆(シャヒード)して散華するだろうが、正しい独立の仕方を学んでもらって独立(タラテガ)(インドネシア語)。
大東亜共栄圏の表の顔みたいに、日本一国で立っても欧米の物量には必ず負けるので、亜細亜の同胞にも立って貰って、鬼畜米英やら植民地経営している連中を追い出して貰って戦って勝つ。
そのためには植民地連中を愚民化工作して「白人には絶対に勝てないんだ」と思わせないで、旧日本軍と一緒で「軍事教練」をしてやる。
ホーチミン叔父さんには日本の傀儡政権は不評だったが、敵なら反射的に引き金をひけて、銃剣で串刺しにしてやる。恐怖心で引けないのじゃなくて、怒りを持って殺させる。
俺の場合はレベル上げをしてやって限界突破させる。
この場合敵国は聖国だが、エルフの正義に従って独立。
エルフょぅじょ合法ロリ奴隷が50人ばかり手に入ったのだから、毎晩とっかえひっかえ、契っては投げ契っては投げしてやればいいのだが「紀元は二千六百年~」と言う訳で独立させる。
エルフの青年奴隷の方は、これまた目の色変わっちゃて、非常にオカシナ目付きになりやがった。
多分、イスラエル独立を認めていないイギリスの軍属が沢山泊まっているホテルに次々と爆弾を搬入して爆破、懲役終わってもメディアの取材には大手柄気分で語って語って「全員吹き飛ばしてやった」と手を叩いて笑顔で答えるだろう。
ちょっとした独立への誘いだったはずが、売春させられていた連中まで目的をもって体を売り始め、資金源のためにも情報収集のためにも、暗殺の為にも売春を始めやがった。
もう目付きがヤバ過ぎる青年部の連中も、元麻薬売買組織の建物を使って、大っぴらに独立活動。
それもグレタとかサヨクみたいな「不屈3000日」とか、車の前で転がってダイイングしたり、警察に取り押さえられると「イタイイタイイタイイタイッ!」やる方じゃなくてガチ目のカクメイ。
対馬海峡とか津軽海峡を中国船ロシア艦が航行すると、一般の釣り船占拠して船長と釣り客撲殺、船乗っ取って体当たりしてわざと沈没してスクリューに巻き込まれたりして、船長以下死体を海に放り込んで「中国船に殺された~~、ロシア船に殺された~~」をヤラカシて自殺する方。
報復にミサイル発射させて、福岡とか札幌に爆撃させる。
「60歳70歳の活動家は沖縄で死ね」というガチ犯罪レベルの方。
今生では独立は叶わなくとも、子孫の世代には必ず独立する、もし死んでも生まれ変わって独立する。などとホザき始め、俺の資金とかも使って独立活動開始。
ちなみに俺の資金は、T資金(タカシ)と呼ばれている模様。
数日後、エルフの長老か古老か、これまた目付きヤバ過ぎる連中が屋敷の方に来客。
『これはこれはタカシ殿、エルフ独立のために心を砕いて頂けているそうで、ありがとうございます』
目付き血走りまくっているのか、眠っていないで阿片食ってで活動しているのか怖い。
『はあ……』
この辺の会話はエルフ語、聖国に来た時に翻訳魔法掛けて貰ってるけど、流石にエルフ語は翻訳できないので自前。
『私共が召喚された世界では、奴隷という者がおりませんでした。債務奴隷や売春宿で性奴隷扱いされている者はおりましたが、基本奴隷は禁止されています』
『そのような平和な世界から、それではこのような穢れた世界では息苦しいでしょうな』
他意はないというか、下心があったりしないのは理解して貰えた模様。
ょぅじょエルフなどはメイドとして採用して、腐った貴族令嬢とか間者は追い出して、不遇系令嬢だけレベル上げしてやって、ょぅじょもレベルアップ。
問題なのが、実年齢30~45歳ぐらいの合法ロリなので、夜這いにやって来る。
こんなのに手出しすると試験に不合格で、ょぅじょに暗殺されるか「もう帰りなさい」と言うと、自室で自決していたりするので手に負えない。
正解は「はい、ベッドで一緒に過ごしました、もうお嫁さんです」と誤魔化して、ナデナデして一緒の布団で寝るだけ。
そうすると「自分達は性奴隷目的で雇われたり救出された訳ではない」と理解して貰って暗殺されない。
エルダーリッチなので刃物で暗殺不可とも言う。
『私も突然召喚されて魔族を倒すよう言われましてねえ、案の定ハズレ職業だったので早々に諦めまして、病原菌撒いて魔族を倒すようにしますと、細菌研究所全員凄いレベルに上がりまして』
『ほう』
天然痘はエルフには感染しなかった。似ているが違う生き物で、タンパク質の形状は同じなので同じ物が食えて、混血してハーフなども出来上がるが、器官や内臓が違うので混血しても長くは生きられない。
でも迫害されている生物のようで、飢饉に陥って食べる物も住める場所も減っているので、冒険者とか騎士団とか使って集落を襲撃され、追い出されたり性奴隷として捕らわれ、奴隷商に売られている。
『私レベルですと、暗黒魔法ですが土地を浄化して瘴気を無くすこともできますし、肉は大量に持っておりますので人間の里でも撒きました』
エルフはビーガンかも知れないので、肉は不要かも知れない。
『申し訳ない、我らエルフは余り肉食はせんのです。それも瘴気に汚染された肉は』
『ほう、やはりそうでしたか。それと魔族共もゲートを開いて異世界から来たようですが、レベルが上がったので私にもできます』
『は?』
長老でも理解が及ばなかったようだが、多少の意味は理解できた模様。独立云々より、こっちを先に話しておけば良かった。異世界からお取り寄せも可。
『私も召喚者なので帰る所を探しておりましてな、似たような世界は見つかったのですが自分の家がある場所は見つかっていないのです』
『はあ』
『まあ「誰も住んでいない世界」というのがありまして『巨大な草食竜が草を食べている世界』『巨大二足歩行鳥がサーベルタイガーと出会ったばかりの世界』つまり「文明人が存在しない世界」を差し上げることもできます』
『ほあああああっ?』
流石のエルフのお爺ちゃんでもビックリ、ビックル吹くぐらいビックルさせてやった。
『まあ、移転したくないご老人もいるでしょうが、若い者だと引っ越しても構わない者もいるでしょう。作物や世界樹などが必要でしたら、移植してみて土壌菌まで同じで育ち始めるかも確認して貰っ……』
『如何ほどでお譲りいただけるのかああっ!』
代表のおじいちゃん、ドバアアアアアアッ!と泣き始めて、文明人がいない世界を欲しがった。
『いえ、無償で結構です、気になさるのでしたら何か記念品とか友情の品でも頂ければ』
『ああああっ、うわあああああっ! あああああああああっ!』
おじいちゃん泣いてしまって言葉にならないようで、独立の話する前に、究極の解決策を見つけてそちらに希望を持った模様。
どうも人数の問題で、聖国に逆らうには雲を掴むような話で、膨大な労力と戦闘力が必要で、独立など夢のまた夢だそう。
エルフの現有兵力は聖国の十分の一以下、レベルを上げたら何とかなるが、被差別人種なので国家事業の細菌研究所に入れる訳には行かない。
つまり移転できる所があるなら、移転した方が楽。魔族に土地奪われ続けているので、エルフの里襲う人間の方も厄介過ぎる。
一階広場
部屋の中でゲート開く訳にはいかないので、安定している平地で。
エルフの古老たちを連れて、広場でゲート開いてやる。
『開け異界の門、競合者がいない平和な土地へ』
『おおおっ、おおおおおおっ!』
俺が住んでた世界じゃないが、エルフにとっては希望の世界。
こっちは夜だが向こうは昼間、今世界がどうなってるかは分からないが、このままならエルフの土地は世界中で占領され続けて滅んでいたそうだ。
『こうやって何種類か作物やら木を植えてみて、育つかどうか試している所でしてな、ランダムに場所選んでも作物も木も育つようでして、土壌菌とかは近い土地のようですな』
恐竜が住んでる所は酸素濃度が高いかも知れないが、二足歩行の巨大鳥がいる方は、パンゲア大陸じゃなくて、どっかの大陸が衝突して巨大鳥とサーベルタイガーで決戦になる場所。
パンゲアだと地球の回転がおかしくなって、バランスとるのに地面の下が外れてコア付近まで落ちて、お釣りが来て巨大マグマがシベリアトラップから噴火して、富士山の四百万倍の火山活動が起こってしまう。
恐竜の世界の終わりにも、近傍天体がユカタン半島に落ちて来て、地殻津波起こすレベルの巨大彗星が落ちてくるからお勧めできない。
オヌヌメは巨大鳥がいる方。
『おおおっ、おおおおおおおっ!』
お爺ちゃん達ヨツンヴァインになって、インディ500が終わってからみたいに、ブリックヤードじゃない所で地面にキスした。
エルフ式の新しい土地への敬意かも知れないけど、南米ぐらい常在菌が違ったら下痢ピー。
『口になさらないように、常在菌が違い過ぎるはずですから、草木は育っても腹を痛めます』
それでもお爺ちゃん達オイオイ泣いちゃって、瘴気に汚染されてない土地見て、口々に「祝福された土地」とか「約束された新たなる大地」とか「乳と蜜が流れる土地」と言って中々離れようとしない。
『水なんか見付けてもまず煮沸してください、生水飲むとひどい目に遭います』
やっぱりメキシコの英雄エイドリアンフェルナンデスさんみたいに、日本に来るとピ-ピーでシャーシャーになって血便出して脂肪。日本人が南米に行くと片山右京さんか中嶋悟さんみたいにモノコック内でゲーゲーやりながら走る羽目になる。
マンセルが下痢ピーの時には、ネルソンピケがトイレットペーパーを全部隠してしまって、非常に恨まれた模様。
『救世主……』
『ああ、貴方が救世主か?』
『は?』
何でか俺がエルフの救世主になった。
今後の話し合いをして、各エルフの里近くに転移門を開いて、移設移築移植などの作業を行うことになった。
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