第6話 冒険者試験、ポーター仲間もレベル上げ

 冒険者ギルド


 ついに来ました試験日、マリオ君もレベル上げしてあるし楽勝だろう。


 俺の場合、教官を爆散させないように気を付けなくてはならない。


 ストレングスも桁違いだし、素早さも億とか兆。木剣持たされても軽く「チョン」と当てただけで、両手ごと吹き飛んで数十メートル弾き飛ばして「オコシテ…… オコシテ……」になって脊髄損傷レベルの大怪我。


 相手に「もう、一生ウンコできないねえ」と言い渡してやらないといけない。背骨を損傷すると「摘便」と言って、誰かに掻きだして貰わないともうウンコできない。


 暗黒魔法の軽いので合格させてくれると良いが、意地が悪いクズの教官相手に沼を出現させると、全自動で腕が伸びて来て「柄杓貸せ~~」になるので救いようがない。


「ウィ~ス、試験受けに来ました~」


 俺はいつもの悪役装束で黒系のローブ、マリオ君は特注で作ったタンクトップ、でないとケンシロウみたいに「ほあたああっ!」と一回やらかすたびに上着がビリビリになる。リタちゃんは聖女系法衣と伝説級の杖で身を固めている。


 スター〇ォーズの銀河皇帝かジェダイマスターみたいな黒ローブ装束だが、最初の三部作でべーダー卿に放り込まれて死んだはずが、ババアのレイア姫が出てくる新作の方にも、カイルレンの前に似たような奴が復活しているぐらいにはしぶとい。


 マリオ君もワンパンマンに出てくるタンクトップ一族みたいな感じでマッチョなので、やっぱりスタローンかシュワルツネッガーみたいに、トラウトマン大佐とか将軍が「何が始まるんですか?」「第三次世界大戦だ」と言って貰わなくてはならないほどムキムキマッチョ。


 少なくともチャーリーシ-ンのホットショットぐらいにはマッチョなので、ザコ殺害数新記録を出して貰うか、液体金属のフセインと戦って貰わなくてはならないぐらいにはマッチョ。


 ご本人もタンクトップから出ている、丸太みたいな腕の仕上がり具合を見て、ニヤニヤしているぐらいにはナルシストに変身。


 二日前、追放系の土下座謝罪をさせられていた「貧弱なボウヤ」はもうどこにもいない。


 これからは「ざまあ」街道を突っ走って貰わなければならない。


 手始めに変顔する嫌な勇者パーティーがいなければならないが、マリオ君を踏みつけていた奴らは、あのままでは面子が立たないと、留守の家を襲撃しようとして沼に嵌って貰ったので、もう出て来れない。


 悪役としてホムンクルス作成して、ざまあされる側を演じて貰おう。



 リタちゃんの方は、聖女装束なので下のキンニクが見えない。


 一見橋本環奈レべルでデブっているか、篠崎愛みたいなパッツンパッツンのカダラをしているように見えるが、スカートからはみ出しているキンニクまみれのふくらはぎとか、腕のキンニクがパンパン過ぎるのが見て取れるので、杖でぶん殴られると「あべしいいっ!」と叫んで吹っ飛ばされるのが馬鹿にも分かるだろう。


 と言う訳で「よう姉ちゃん、いい体してるなあ、そんなショボイ男(俺)放っておいて、俺とイイことしようぜ、ギャハハハハ」などと冒険者ジョークをかませる奴はいなかった。


 二人共「シュパアアアアッ!」とオーラが出ていて、見る人が見れば身長5~10メートルある巨人に見えていて、拳王様か伊達臣人ぐらいになっているはずだ。


 同じヘンゼルとグレーテルでも、映画版で魔女を駆除して回っている方の兄妹レベルで、ボウガンとか皮鎧の方が似合いそう。


「マリオです、冒険者試験を受けに来ました」


「ヒュッ!」


 三十路超えの仏頂面の受付嬢でも、身長180センチ超えの逆三角形の二枚目を見ると、メスの顔をして(////)カアアッとなっていたが、マリオ君だと知って驚いていた。


「リタです、私も試験受けさせて下さい」


 リタちゃんも運転免許証かマイナンバーカードでも取るぐらいに、身分証目当てに受けることになって受験。大聖女なので治療呪文唱えられたら合格だろう。


 でも自己申告のステータス表見ると失禁レベル。


「ヒイッ!」


 鑑定眼がある受付嬢からすると、羅漢仁王像みたいな二人がやって来て「ムキイッ!」「モリモリモリイッ!」とか「バアアアアアアアン!」とか、セリフを言う筋肉に取り囲まれている状況だ。


 二人共そんな気合入れなくてもいいのに、明鏡止水モードのGガンダムレベルで、石派天驚ラブラブゴッドフィンガーでも即放てるレベル。



「あ、あれがマリオだと?」


「そんで隣にいるのが妹?」


 何故マリオ君程のいい奴が冒険者連中に嫌われているのかと思ったが「妹を熱心に看病している」こんな奴は人非人の冒険者連中には受け入れられなかったんだろう。


 他人を蔑んで罵って馬鹿にして生きている連中からは、綺麗事で生きている奴が許せなかったはず。


 志々雄さんに救われた宗次郎キュンみたいに「じゃあどうしてあの時の僕を助けてくれなかったんですかっ?」と剣心に問うぐらい、時系列が認識できなくなるようになっていて、偽のエリクサーを掴ませたり、妹を大事にすればする程迫害されたのだろう。


 うん、偽のエリクサー掴ませた連中は全員死刑にしないといけない、忘れる所だった。


 軽く沼を出現させてやると、サーチアンドデストロイで発見次第、サイレントモードで沼入り。


 ポーター仲間の連中まで騙して金を奪っていた、助け合って病気の妹を支えてやって、支援したりしないんだな。


 クズの冒険者連中もエリクサーをちらつかせて、妹を救いたい一心で盲目状態になっていて「後どれだけ金が入れば妹を助けられる」を目標にしていた少年を食い物にして金を奪ったか。


 そいつらには分配金はやらん、今すぐ死ね。サイレントモードで即沼入り。


 マリオ君が「ざまあ」したり、復讐するならホムンクルス作成して、徹底的に叩きのめしても死なないようにしておかないと、でなければマリオ君が捕まってしまう。


 金を盗んだ本人の方は、永劫系の地獄の苦しみでも味わってもらおうか。


 武具や魔獣が売れたら金をやると言ったな、あれは嘘だ。善良な市民にだけ分配する。


 他にも仲間?を囮にして逃げた連中も、新人殺しで魔窟に誘っておいて現地で殺して金を奪ったようなのも死刑。


 臨時収入があった奴見つけたら、ギルドを出た途端取り囲んでボコして金を奪った連中も死刑、ドロップアイテムでいいの見付けた奴がいたら「ころしてでもうばいとる」をやった連中も死刑。


 先輩面をして「体面が立たない」から、稼いだら二割三割金を徴収して来た連中も死刑。ギルドマスターまで汚れ役の若いのを安く使って、残業残業で指名依頼の金を巻き上げていたので死刑。迷宮で殺されかけた連中が申し出ても「しかるべき処分をしなければならない」とホザいて、無視してきたねえ奴らを便利に使ってきたので二重に死刑。


 そうするとあら不思議、鑑定の連中と受付嬢ぐらいしか残らないで、後ろにいたギルドのラウンジにいた冒険者、綺麗に死んで消え失せましたとさ。


 元からクソの役にも立たない発達でボーダー以下のクソガキが、冒険者とか言う大して働きもしないでブラブラしているクソだめの中にストレート入学。


 クソが錬成されて発酵して肥溜めがさらに臭くなって、クソの中のクソが生き残ってクソが生成されたんだから、当然と言えば当然の結果だが、就職難で働く場所も無く、仕方なく冒険者や護衛の傭兵なんかをやって信用を稼いだり、冒険譚に憧れて冒険者になったような奴は生き残った。


「「「「「「「「「「私達は社会の歯車です、夜明けから日暮れまで働きます、週六日働いて安息日には休みます」」」」」」」」」」


「うむ、結構」


 いつもの朝礼を済ませてから試験会場へ、ゴミクズが多少減ったので、試験を受ける奴も減った。


「む、最前列か、俺は後で良いからマリオ君から行って来なさい」


「はいっ」


 試験官は、マリオ君がいたパーティーの連中、急遽割り込ませて貰った。


「ギャハハハハ、マリオ、てめえだけは合格させてやらねえぜ、試験官変わって貰ったからよ、銀等級の俺様が相手だっ、絶対に気絶させて小便漏らさせてやるっ」


 そんな事は不可能なのだが、交代させたホムンクルスがセリフを言っているだけなので、無理な事をホザかせている。


 マリオ君も偽のエリクサーを掴まされた奴を、憎々しげに見ている。


 偽物を掴まされても「俺はエリクサーなんて一言も言ってねえ、お前の妹が治るかもしれないって言っただけだ、ギャハハハハ」をやらかして、言った言ってないをした奴なので、レベル70聖騎士の正拳ぶち込まれても爆散しなように強度を上げてある。


 本物の方は、沼の中で永劫系の苦痛を受け続けているので地獄行き。


 もし本物が出たら、木剣で上半身切り落とされても、暫く生きていて上半身が地面に倒れていて「は?」とか言って自分の状況がつかめなかったり、下半身だけでヨチヨチ歩いてから倒れていたはずだ。


 そんな事をさせると、マリオ君が拘束されて刑務所行きか犯罪奴隷にされるのでNG。


 リタちゃんなら復活させられるが、それはまた別の話。俺が衛兵全員ホムンクルスに加工してやらなくちゃいけない所だ。


「かかって来い、卑怯者っ」


 逆三角形で仁王立ちしているマリオ君が格好良い、剣を持ってサンライズ立ちをしている所も見たかった所だが、それは後日の課題。


「それだけのガタイなんだから真剣でいいよなあ? てめえは木剣か? まだ鋼の剣買う金も持ってねえだろ、ギャハハハハハ!」


 その金はお前が奪った、まあ本人は沼の中だが。


「前からお前は口だけの奴だったな」


 でも騙したり誤魔化したり逃げるのは百人前、そうやって生きて来た奴。


「うりゃあああ、ほせおdarfwgjwrowwo!!」


 やられ役らしく、舌でも出しながら意味不明の言葉を叫びながら突っ込んでくる、予定通りだ。


「ふんっ!」


 カウンターで正拳突きを貰い、前歯に鼻も折れて眼窩骨折して眼球まで両方飛び出した。


 本来脳脱して「パアアンッ!」と鳴って吹き飛んでいた所だが、演出的に生き残らせるためにこの程度で済ませた。


 ビートたけしか千原兄弟の弟ぐらいに、オートバイで事故起こしても、前歯やら顔面の骨がクラッシャブルストラクチャーになって生き残ったアレ。


「ギルドで治療でもして貰うんだな、両目飛び出して治らないか? 恥知らずにも俺かリタに頼めたら治してやる」


 あ、殺しもしないで金も請求しないで見逃してやるんだ。まあ、コイツは金持ってなかったから、預金とか集めてホムンクルスに持って来させる。



 お次は仲間の中でも多少マシだった奴の登場。


「ま、待ってくれ、コイツには(偽)エリクサーの代金返させる、だから見捨てないでくれっ」


 ギルドの治療師程度なら、眼球脱落の怪我まで治せない、マリオ君かリタちゃんのパーフェクトヒールが必要。


「パーフェクトヒール」


 ゴタゴタ言う前に聖女リタちゃんが治してしまった。兄の犯罪歴消去か、世話になっていたパーティーの連中だったので、経緯を知らないで反射的に治してしまったのか?


 マリオ君も妹が仕出かしたことは責めない、漢だねえ。


「ああっ、ありがてえっ、ありがてえっ」


 でも顔面割られて粉々に砕かれて、視界が真っ赤になって両目垂れ下がるまで制裁された奴は、今後壁を背にして頭を抱えて、あらぬことを叫び続けるか、目の前にいないマリオ君に怯えて生きて行くだけの生き物になる。


 すっかり衰えてズタボロ、道行く人に金をせびる乞食になっていて、マリオ君が声をかけたら怯えて逃げだす生き物として観測させてやろう。


「こ、これはお前から奪ったエリクサーの代金だ、受け取ってくれ」


 元から持ってなかったので、俺の懐から出した。収支はおかしいが、マリオ君的には金を奪われた奴らから回収したことになる。


 汚い金だと受け取らなかったらどうしようかと思ったが、貧しさを知っている少年で、金に色は付いていないので受け取った。


 今後俺はホムンクルスを冒険者として使役して金を回収、経験値としても回収する。


 これからはゴブリンスレイヤーさんみたいに、銀等級でありながら貧しい村から安い金でもゴブリン退治を請け負い、受付嬢には「ゴブリンだ」とでも言って貰う事にしよう。


 強さは俺に比例するので、沼を出したら最強。多分、オーガでもトロールでも瞬殺。相手ドラゴンでも大丈夫なんじゃないかな?


 サーチアンドデストロイで、一般の善良な冒険者が、突然凶暴な魔獣に出会わないようメンテナンスして置かないと、予防保守って奴だな。


 リタちゃんの方も、パーフェクトヒールを披露したので治療役として合格。


 まあ、ギルドマスターまで沼の中で、ちまちま金を奪っていたのを解除してやったので、不遇系の安く使われていた若い奴にでも出金開始。


 マリオ君にもリタちゃんにでも、文句を付けて金を奪おうとしていたので即死。


 等級とかも討伐証明も武具も誤魔化して、複雑怪奇に取り締まって金を奪おうとしていたので生かして置く理由がない。



「ええと、この間お預かりした武具ですが、国に提出することが決まりまして、支払いはできないと……」


 嘘だ、旧ギルドマスターが上におべっかを使って、金にしてから自分の配分を取り上げて、上には上納金を上げてそう言うことにして盗んだ訳だ。


「ほう、この程度の事で命を落としたいと言うか」


「ひいいっ」


 レベル八千万のエルダーリッチに喧嘩を売ったんだから、喧嘩買われて怯えている会計士。


「支払ってやれ」


「は?」


 下には「金を渡すな」と言明していたギルドマスターだが、俺のホムンクルスに変更されて、支払えと言って来た。


 矛盾している指示を受けてカウンターの中にいる会計士が困っているが、マスターが言うんだから仕方ないよなあ。


「支払っても宜しいので?」


「支払ッテて、ヤレ」


 ちょっと動作がおかしくもないが、本人が言っているので否定はできない。


「はい……」


 いつもなら怒り狂って物を投げて机バンバン叩いて「誰が支払えと言った~~~っ! 金は全部俺の物だ~~っ!」という、基地の外に住んでいる奴なので、別人と思ったようだ。


「まず、マリオ君とリタちゃんの冒険者証です。聖騎士レベル70、大聖女レベル50という事ですので、最初から白金等級冒険者として登録させて頂きます」


「ハアァ?」


 会計士の方が驚いてしまって、普段は「君」とか付ける奴じゃないし敬語とか使えない、グダグダ文句も付けずに白金等級登録させたりしない。ロボットみたいな喋り方をしていて、金も巻き上げないで登録を済ませる奴じゃない。


 サギれる所からは徹底的に詐欺る奴。


「ああ、それと、俺が試験受けると試験官爆散しちゃうからな、軽い魔法で合格にしといてくれ」


「ハイ、ウケタマワリマシタ、ソレデハサッソクトウロクサセテイタダキマス」


 ギルドマスターの具合が不調になったので、古いテレビの修理方法、右斜め四十五度からの打撃で治してやった。



 試験会場やら大金の引き渡し場所から、受付やラウンジの方に戻ると、目付きがイカれたポーターのクソガキ共が待ち構えていた。


「どうした?金が欲しいか、配ってやる」


 まあ、孤児出身とか冒険者の親父が死んで母親だけとか、幼い兄弟がいるとか特殊事情があるので、今のところ殺していないだけで、マリオ君を騙して偽エリクサーを売りつけた奴は殺してやった。


「旦那、俺達もマリオみたいにレベル上げをしてくれ、頼むっ」


 そちらの御用件だった。例え数十年レベル上げをしても、碌にレベルは上がらないで引退か、手足噛み千切られてブレスに焼かれて引退か、命まで落として埋葬もされずに死ぬかの三択なので、どんな恥晒してでも俺に頼ってオネダリした方が効率がいい。


「うん、マリオ君の仲間ならいくらでもレベル上げしてやる、仲間ならな」


 その意味は分かったようで、ポーター仲間は荷物持ったまま前に出て来て、リーダーらしき子供と偽エリクサーを売りつけた連中は下がらされた。


「さあ、金配ったらレベル上げにでも行こうか、俺はアイテムボックス持ちだから荷物は持たなくてもいい」


 ホムンクルスどもを並ばせ、金貨一枚程度撒いて、この前のお爺さん冒険者とか引退した飲んだくれとか、数少ない真っ当な冒険者とか、愛すべき馬鹿は生き残っているので金貨撒いてやった。


 ラウンジの方にも「今日は俺の奢りだ」で金貨二枚ぐらい渡して置いた。



「行こうか」


 一時的にパーティーメンバーにしてやってレベル上げ、マリオくんやリタちゃんみたいに「奇跡の腕輪」とか「背徳の指輪」付けさせて、数十倍数百倍経験値上げてやらなくても、レベル90村人程度にしておけば以後困ることも無いだろう。レベル1侍大将でも。


 今日もハンバーガーヒルでBBQかな?


「待ってくれっ、こいつらには偽エリクサー売りつけた、謝罪はさせる……」


 謝罪だけ、金は使っちまって返せない。


 その後も働けない(働かない飲んだくれの)母親がいるんだとか、兄弟姉妹がいるんだとか(健康体だけどアタマオカシ過ぎるので採用されない、泥棒歴アリアリ)色々解説されたが、連れて行く理由にはならない。


 どうして天然痘で死んでくれなかった、最後の救済だったのに、まあ第二回散布もあるか。


 何より、君の後ろにいるクズは救う必要がない、もう死んでるホムンクルスだ。


「おいっ、持ってる金全部出せっ」


 後ろの連中に金を出させて集めて、マリオ君に返すが全然足りない。


 結構面倒見が良いリーダー格のようだ。


「君だけ連れて行ってレベル上げして、君が後ろの奴らをレベル上げしてやる分には何の問題もない」


「ほ、本当すかっ?」


 ホムンクルスに変換済みだからレベル上げの必要はない。


 マリオ君にも選別して貰って「仲間」だけを連れて行ってレベル上げ大会開催。


 他にもチマチマと嫌がらせをした奴は除外されて行って、厚顔無恥にも仲間面していた奴らも除外。


「マリオッ、てめえっ!」


「あぁ?」


 マリオ君のキレ顔もゲット、この中にはレベル70聖騎士とか、三次職の者に歯向かえる奴はいない。


 囲んでボコそうとしたり、カツアゲして金を奪った連中は即除外、その前にホムンクルスにしてある。


 仲間として助け合って、妹さんに寄付と言って金を渡した連中には「背徳の指輪」を進呈しよう。


 男に指輪を送って末永く装備されたり、求婚の贈り物と勘違いされるとお互い気まずい。



 ハンバーガーヒル


 いつものように肉フェスで肉祭り、野菜も切って串に刺して、バーベキューコンロでジュージュー焼いて行く。


「た、食べてもいいんですか?」


「ああ、これからレベルが上がるから、一食一万キロカロリーな」


「「「「「「「「え?」」」」」」」」


「おかわりしなさい」


 これだけの人数だから、案分されて大してレベル上がらない。


 マリオ君と仲がいい奴らは指輪や腕輪を渡すが、多分返してくれないで売るか、装着したまま伝説の英雄になる。


 大判の空飛ぶ絨毯の上にもギューギューで、二回に分けようと思ったぐらいだが、全員マリオ君化したいので目付きが変わっているので、インドの列車ぐらいにギューギューでも来た。


 チャリで来た、ぐらい来た。


「あの? レベル上げは?」


 いつもの行事なのだが知らない連中は知らない、周囲に沼を設置してあるので、魔物魔獣がどんどんやって来てドボンドボン嵌って行く。


「別に何もしないでも、周囲に沼が設置してあるから、そこで魔物魔獣が死んで行ってる」


 死んで死んで死にまくって、バーベキューの肉の匂いに釣られた奴らが死に果てて行く。


 鳥類の魔獣、ワイバーンかドラゴン系の奴らでも、近くに設置してある沼に捕まえられて、空気が流体の特性を持つ時速三百キロ以上の速度で飛行していても、瞬時に停止させられて即死。もしくは生き残れても、地面に激突させられて肋骨全損で呼吸を止められて衝撃波でも脂肪。


 ついでに一般人の体に悪い強い瘴気も吸収してやって、魔物魔獣が生きていけない環境も構築。


 瘴気にも経験値判定あって、これだけ濃いとガンガン経験値カウンターが爆速で回る回る。


「お肉焼けましたよ~~」


 リタちゃん謹製のバーベキュー、やはり聖女様に焼いて頂けると何かが違う。


 腐ったオッサンが「ダディクール」とか言って貰いながら焼いて、デブで凄い体形のママが「モーア?」とか言いながら凄い量のポテサラとか配膳して貰えるよりは美味い。


「美味いっ」


 ドラゴンか人狼かデイウォーカーのヴァンパイア並みにデカいのも掛かって、子供なのにドラゴンスレイヤーの称号も付く。


 騎士団総動員して「とっか~~~~んっ!」とか、血管切れそうな大声張り上げて総員突貫しないでも、沼のお陰で死にまくって行く。


 ここは普通人が来れない場所で、来たら魔獣に引き裂かれてミンチになって死ぬ場所らしいが、バーベキューでもしながらレベル上げするには良い場所だ。



「おいっ、俺のレベル村人50だっ、お前らも確かめてみろっ!」


 自分のレベルの異常性に気付いた奴が騒ぎ出した、ただのポーターなら一生到達しないレベルで、何にでも転職できる。


「そんな馬鹿な、俺もレベル80?」


 指輪付きの連中はレベルアップも早い、肉焼いてたのでちょっと無駄にレベル上がったがキニシナイ。


「次は何に転職する」


「「「「「「「「「「へ?」」」」」」」」」」


 イミワカンナイ状態の連中に、次は何に転職するのか確かめる。タマネギ剣士のままレベル99を目指してもいい。


「オススメは僧侶になってヒットポイントも稼いでから、僧侶の呪文を極めて、魔法が使えるサムライとかかな?」


「僧侶を? 極める?」


 普通一日で達成できることじゃなくて、人生をかけて僧侶を極めて、おじいちゃんになってから「ふぉふぉふぉ、私は一度だってまともに魔法なんか使えませんでしたよ、いつも神様が見守って下さっていて、助けて下さっていたのです」とか、入れ歯放出しながら喋るのが普通。


「マリオ君みたいに、騎士から聖騎士になって、治療呪文は勝手について来るのもある」


 リタちゃんも治療魔法は極めそうなので、大聖女から聖騎士コースもある。オヌヌメはサムライか侍大将、何でもぶった切れる次元刀のスキルが入る。


 まあ、全員僧侶に転職して攻撃力が高いサムライ、ニンジャになる奴は魔法師も極めさせてからという編成。


 肉食えるだけ食わせて、昼寝もしたので多少マッチョに。夕方撤収前には変わり果てた姿になって貰って、元の顔とか覚えていないが、全員ケツアゴになってもらった。


 帰りにはデカくなりすぎて、絨毯一枚では乗れなくなったのが問題。

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