通釈⑤ 七、燕の子安貝
1、『古活字十行甲本』を底本にしています。
2、おおむね、『評註竹取物語全釈』松尾 聰著(武蔵野書院)を参考書にしています。本文中、『評註』と表記しています。
3、底本の変体仮名等解釈は、『竹取物語』翻刻データ集成 https://taketori.himegimi.jp/ の『古活字十行甲本』を信頼して利用しています。
4、解読にあたって、『全訳読解古語辞典』(第三版)鈴木一雄 他著(三省堂)を用いた。
5、私説を参考として掲げる場合、★印をつけた。
七、燕の子安貝
●28表のづづき
中納言いそのか
○
中納言
◎
中納言
●28裏
みのまろたかの家につかはるゝをのこ共
のもとにつはくらめの巣くひたらは告
よとの給ふを承てなしの用にかあらん
と申答ての給やうつはくらめのもたる
こやす貝をとらんれう也との給ふをの
こ共こたへて申つはくらめをあまたこ
ろしてみるたにもはらになき物也但子
うむときなんいかてかいたすらんはらく
かと申人たに見れはうせぬと申又人の
申やうおほいつかさのいひかしく屋の
○
の①まろたりの家に使はるる
のもとに、「
よ」とのたまふを承りて、「②
と申す。答へてのたまふやう、「
ども、答へて申す。「
してみるだにも、腹になき物なり。ただし、子
生むときなむ、いかでか
か」と申す。「人だに見れば
申すやう、「⑤
◎
のまろたりの家に使われる男たちのもとに、「燕が巣を作ったら告げよ」とおっしゃるのを承って、「何にお使いなのでしょうか」と、申し上げる。
(それに)答えておっしゃられるには、「燕の持っている子安貝を取るのに必要なのだ」とおっしゃる。
男たちが答えて申し上げる。「燕をいくら殺してみても、腹にないものです。ただし、子(卵)をうむときに、どうやってか出すらしい
①底本「まろたか」だが、3裏には「もろたり」とある。ここの「まろたか」の「か」は、「り」に読めないこともない。「まろたり」とすると、「磯の神のまりたり(便をした)」と洒落に通じるので、「まろたり」に統一する。
②底本「なし」を「なに」とした。
③「
④底本「はらくか」を「
⑤底本「おほいつかさ」を、歴史的仮名遣い「おほひつかさ」に改めた。「
●29表
むねにつゝのあなことにつはくらめは
巣をくひ侍るそれにまめならんをのこ共
をいてまかりてあくらをゆひあけてう
かゝはせんにそこらのつはくらめ子
うまさらむやはさてこそとらしめ給は
めと申中納言よろこひ給てをかしき
事にもあるかなもつともえしらさり
けり興ある事申たりとの給てまめなる
をのことも廿人はかりつかはしてあな
なひにあけすへられたりとのよりつか
○
巣を
を
かがはせむに、そこらの
め」と申す。中納言、喜び給ひて、「③をかしき
ことにもあるかな。もつとも、えしらざり
けり。
なひに上げ据へられたり。⑤
①底本「つゝ」は、従来「つく」と読まれていたが、「つゝ」であることに、ほぼ間違いない。★『これまで「つゝ」を「つく」と二か所読み間違えてきた』を、一読願いたい。
②「あぐら」は、一応、櫓のこととした。
③「をかし」は、明るく晴れやかな感興を表す。
④「あななひ」は、一応、足場のこととした。
⑤「
◎
棟に、煙抜きの穴ごとに、燕は巣を作ります。それに、要領の良い男たちを連れて行きまして、櫓を組み上げて見張らせたら、たくさんの燕が(たまに)卵を産まないこともありません。そのようにしてお取らせなさいませ」と、申し上げる。
中納言は、お喜びになって、「それはよい提案であることよ。なるほど、気がつかなかった。興味深いことを申したものだ」とおっしゃって、使えそうな男たち二十人ほどをお遣りになって、足場の上に配置なされたのだった。
家から使
●29裏
ひ隙なく給はせてこやすの貝とりたる
かと問せ給ふつはくらめも人のあまた
のほりゐたるにおちて巣にものほりこ
すかかるよしの返事を申たれは聞給
ていかゝすへきとおほしわつらふに彼
つかさの官人くらつまろと申翁申やう
こやすかいとらんとおほしめさはたは
かり申さんとて御前に参たれは中納言
ひたいを合てむかひ給へりくらつまろ
か申やう此つはくらめ子やすかいは
○
ひ、隙なく給はせて、「子安の貝取りたる
か」と、問はせ給ふ。
ず。かかる
て、いかがすべきとおぼしわづらふに、①かの
「子安②貝、取らむとおぼしめさば、たば
かり申さむ」とて、
③
が申すやう、「この
①「かの
②④底本「かい」を、歴史的仮名遣い「かひ」に改めた。
③底本「ひたい」を、歴史的仮名遣い「ひたひ」に改めた。
◎
いを、頻繁に通わせて、「子安の貝は取れたか」と、お問わせになった。
燕は、人がたくさん上っていたのに怖がって、巣にも近づかない。(中納言に)このことを説明申し上げたならば、これをお聞きになって、どうしたらよいだろうと、お悩みになっているところに、かの
倉津麻呂が申し上げるには、「この燕ですが、子安貝は
●30表
あしくたはかりてとらせ給ふ也さては
えとらせ給はしあななひにおとろ\/
しく廿人の人ののほりて侍れはあれて
よりまうてこすせさせ給へきやうは此
あななひをこほちて人皆しりそきてま
めならん人一人をあらたにのせすへてつ
なをかまへて鳥の子うまん間につなを
つりあけさせてふとこやす貝をとらせ
給はんなんよかるへきと申中納言の給
やういとよき事也とて穴ないをこほし
○
え取らせ給はじ。あななひにおどろおどろ
しく廿人の人の
寄りまうで
あななひを④
めならむ人一人を、⑤
をかまへて、鳥の子生まむ間に綱を
吊り上げさせて、ふと子安貝を取らせ
給はむなむよかるべき」と申す。中納言のたまふ
やう、「いとよきことなり」とて、あなないを⑥
①「さては」は、「そのままでは・そのような状態では」の意。
②「あれて」。「ある」には、「散る」、「荒る」のふたつがあるが、どちらを選ぶか迷うところである。「荒る」を採っておく。
③「
④「こぼつ」は、「こわす」の意。
⑤底本「あらたに」は、「あらこに」の誤りとみる。
⑥底本「こほし」を、「こぼして」とした。
◎
(今は)悪く仕掛けてお取らせになっています。この状態のままでは、お取らせにはなれないでしょう。足場に大げさに二十人もの人が上っていれば、騒いで寄ってきません。おさせになるべき方法は、この足場をこわして、人はみな退いて、適すると思える人ひとりを、
中納言がおっしゃるには、「それはよい考えだ」ということで、足場をこわして、
●30裏
人皆かへりまうてきぬちう納言くらつ
丸にの給はくつはくらめはいかなる
時にか子うむとしりて人をはあくへき
との給ふくらつまろ申やうつはくら
め子うまむとする時はおをさゝけて七
とめくりてなむうみ落すめるさて七度
めくらんおりひきあけて其おりこやす
かいはとらせたまへと申中納言よろこ
ひ給ひて萬の人にもしらせ給はてみそ
かにつかさにいましてをのこ共の中
○
人、皆、
にのたまはく、「
時にか、子生むと知りて、人をば
とのたまふ。倉津麻呂、申すやう、「
子生まむとする時は、②
度めぐりてなむ生み落す③める。さて、七度
めぐらむ折り、引き上げて、その折り、④子安
⑤貝は取らせ給たまへ」と申す。中納言、
び給ひて、
かに
①底本「ちう納言」。
②底本「おをさゝけて」の「お」を、歴史的仮名遣い「を」とした。
③「める」は、係り助詞「なむ」を受けた「めり」の連体形。「めり」は、「~のようにみえる・~のようだ」。
④「子安貝は取らせ給たまへ」と、倉津麻呂は、これを含め、「子安貝取らむとおぼしめさば、たばかり申さむ」、「この燕の子安貝は、あしくたばかりて取らせ給ふなり」、「まめならむ人一人を荒籠に載せ据ゑて、綱を構へて、鳥の子生まむ間に綱を吊り上げさせて、ふと子安貝を取らせ給はむ、よかるべき」と、四度「子安貝をお取り下さい」と言っている。倉津麻呂には何の悪気はないのだが、こう何度も言われると、中納言は倉津麻呂が子安貝を取ったことがあるとまで思い込んでしまう。★『「まうでこ」は「まうでく」でなければならない』を、一読願いたい。
⑤底本「かい」を、歴史的仮名遣い「かひ」に改めた。
⑥「知らせ給はで」と、地の文は、ここから敬語が続くが、中納言ではなく、実は倉津麻呂のことを述べている。倉津麻呂は
◎
人は皆、帰って来た。
中納言が倉津麻呂におっしゃるには、「燕は、どういう時に卵を生むと知って、人を上げるべきだろう」と、おっしゃる。
倉津麻呂が申し上げるには、「燕が卵を生もうとする時は、尾をあげて、七度回って生み落とすようなのです。そうして、七度回ったとき(荒籠を)引き上げて、そのとき子安貝をお取らせになられませ」と、申し上げる。(※「子安貝をお取りなされ」と四回もしつこく耳にした中納言は、倉津麻呂が子安貝を取った経験さえあると思い込んでしまう)。
中納言は、お喜びになって、(寮の官人なのに)誰にもお知らせにならず、密かに
●31表
にましりてよるをひるになしてとらし
め給ふくらつまろかく申をいといたく
よろこひての給こゝにつかはるゝ人にも
なきにねかひをかなふることの嬉しさ
との給て御そぬきてかつけ給ふつさら
によさりこのつかさにまうてことの
たまふてつかはしつ日暮ぬれは彼つか
さにおはして見給ふに誠つはくらめ
巣つくれりくらつまろ申やうをうけて
めくるにあらこに人をのほせてつり
○
に混じりりて、①夜を昼になして、取らし
め給ふ倉津麻呂、かく申すを、いといたく
喜びてのたまふ。「ここに
なきに、願ひを
と、のたまひて、②
に、「
たまひて、
におはして見給ふに、
巣⑥つづれり。倉津麻呂、申すやう、「
めぐるに、
①「夜を昼になして」は、「夜も昼もなく」と解釈しておく。
②「かづく」は、この場合、衣服を褒美として左肩にかけてやること。
③底本「まうてこ」を、「まうてく」の誤とした。これについては、★『「まうでこ」は「まうでく」でなければならない』を、一読願いたい。
④底本「のたまふて」を、「のたまひて」としておく。
⑤「日、暮れぬれば、かの
⑥「つつれり」は、これまで「つくれり」と読まれていた。★『これまで「つゝ」を「つく」と二か所読み間違えてきた』を、一読願いたい。
◎
に混じって、(男たちを指揮して)夜も昼もなくお取らせになる倉津麻呂が、このように申し上げるのを、非常に喜んでおっしゃる。「ここ(わが家)に仕える人でもないのに、(私の)願いを叶えてくれることのあっぱれさよ」とおっしゃって、(ご自分の)衣を脱いで、(倉津麻呂の左肩に)お掛けになった。そして(つけ加えて)、「夜になったら、(あなたの)
日が暮れたので、例の寮においでになって、ご覧になると、たしかに燕が巣を作っていた。
(すでに寮で子安貝を取っていた)倉津麻呂が申し上げるには、「(燕が)尾を浮かせて回るので、荒籠に人を乗せて、吊り
●31裏
あけさせてつはくらめの巣に手をさし
入させてさくるに物もなしと申に中
納言あしくさくれはなき也とはらたち
てたれはかりおほえんにとてわれのほり
てさくらんとの給ひてこにのりてつら
れのほりてうかゝひ給へるにつはくら
めおをさけていたくめくるにあはせて
手をさゝけてさくり給に手にひらめる
物さはる時にわれ物にきりたり今はお
ろしてよおきなしえたりとの給てあつ
○
上げさせて、
入れさせて探るに、物もなし」と申すに、中
納言、「
て、「誰、計り、おぼえむに」とて、「われ、
て
れ
①
手を③ささげて
物さはる時に、「われ、物にぎりたり。今はお
ろし④てよ。
①底本「お」を、歴史的仮名遣い「を」に改めた。
②底本「さけて」を、「ささげて」とした。
③「ささげて」は、腕を上げることなので、巣を探るのには疑わしい。「
④「てよ」は、完了の助動詞「つ」の命令形。
⑤「あつまりて」を「集まりて」と解釈するのがふつうだが、「熱まりて」すなわち「(気持ちが)熱くなって」とした。★『下ろすのになぜ引くのか(自業自得説から考える)』を、一読願いたい。
◎
上げさせて、燕の巣に手を差し入れさせて探りましたが、何もありません」と(あっけない報告をあっさり)申し上げるのだが、中納言は、「(男たちが)下手に探るから無いのだ」と腹を立てて、「(あなたと私以外)誰もその見当(コツ)がわかろうはずはないから」ということで、「私が上って探ろう」とおっしゃって、籠に乗って、吊られて上って、じっとお待ちになっていると、燕が尾を上げて、ひどく回るのに合わせて、手を上げてお探りになると、手に平たいものがふれる時に、「私はそれを握った。今だ、下ろすのだ。翁、やったぞ」とおっしゃって、(気持ちが)
●32表
まりてとくおろさんとてつなをひき過
してつなたゆるすなはちにやしまのか
なへの上にのけさまに落給へり人々あ
さましかりてよりてかゝへ奉れり御目
はしらめにてふし給へり人\/水を
すくひ入奉るからうしていき出給へるに
又かなへの上より手とり足取してさけ
おろしたてまつるからうして御心ち
はいかゝおほさるゝとゝへはいきのした
にて物は少おほゆれとこしなんうこか
○
まりて、
して
の上にのけざまに落ち給へり。人々、あ
さましがりて、寄りて、かかへ
は
すくひ入れ奉る。からうじて、③生き
また、
おろし奉る。④からうじて、「
は⑤いかがおぼさるる」と問へば、息の下
にて、「物は少しおぼゆれど、腰なむ動か
①底本「てつな」を「手綱」と解釈する。つり革のような役目の綱だと想像している。★『下ろすのになぜ引くのか(自業自得説から考える)』を、一読願いたい。
②「
③「いきいづ」は、「生き返る・息を吹き返す」こと。
④「からうじて」は、直前にもあり重複する感がある。書写上の誤りかとも思うが、そのままとする。
⑤「いかがおぼさるる」の「いかが」の元は「いかにか」であり、「か」が係り助詞であるため、「おぼさるる」と「る」の連体形「るる」でとじる。
◎
くなって、速く下ろそうと、手持ち綱を引きすぎて、(その)綱が切れると同時に、
人々は、びっくりして近づき、抱えて差し上げた。御目は白目に半開きでおられた。
人々は、水をすくい(中納言の口に)含ませて差し上げる。なんとか息を吹き返されたので、
●32裏
れぬされとこやす貝をふとにきりもた
れは嬉しく覚ゆる也先しそくしてこゝ
の貝かほ見んと御くしもたけて御手
をひろけ給へるにつはくらめのまり
をけるふるくそをにきり給へる也けり
それを見給てあなかひなのわさやとの
給ひけるよりそ思ふにたかふ事をは
かひなしと云けるかいにもあらすとみ
給ひけるに御心ちもたかひてからひつの
ふたのいれられ給へくもあらす御こしは
○
れぬ。されど、子安貝を①ふと握り持た
れば、嬉しくおぼゆるなり。まず、②
の貝、
を広げ給へるに、
③
それを見給ひて、④「あな、
たまひけるよりぞ、思ふに
⑤「
給ひけるに、御心地も
①「ふと」は、「すばやく・さっと」、「思いがけず・不意に」の意。
②「
③底本「をける」を、歴史的仮名遣い「おける」に改めた。
④「あな、
⑤「
⑥底本「かい」を、歴史的仮名遣い「かひ」に改めた。
◎
ない。しかし、子安貝を思いがけず握り持ったので、嬉しく思われるのだ。まずは、
それを(中納言が)ご覧になって、(貝が自分で姿を変えたのだと思い)「あな、
貝ではないとご覧になると、ご気分も転じて、
●33表
をれにけり中納言はいゝいけたるわさ
してやむことを人にきかせしとし給ひ
けれとそれをやまひにていとよはく成
給ひにけり貝をえとらす成にけるより
も人のきゝわらはんことを日にそへて
思ひ給けれはたゝにやみしぬるよりも
人聞はつかしくおほえ給ふなりけり是
をかくや姫聞てとふらひにやる哥
年をへて波立よらぬすみのえのまつ
かひなしときくはまことかとあるをよ
○
して
けれど、それを
給ひにけり。貝をえ取らずなりにけるより
も、人の聞き笑はむことを、日にそへて
思ひ給ひければ、ただに病み死ぬるよりも、
人聞き恥づかしくおぼえ給ふなりけり。これ
を、かぐや姫聞きて、とぶらひに
年をへて波立ちよらぬすみのえのまつ
③かひなしときくはまことか とあるを読
①底本「いゝいけたる」を「いと異げたる」とする私の解釈について、★『中納言の段「いゝいけたる」の問題』を、一読願いたい。
②底本「よはく」を、歴史的仮名遣い「よわく」に改めた。
③「かひなし」を「貝がない」と「甲斐がない」とかけるのは、すでに「甲斐なし」の語源説が前にあるので可能だろう。
◎
折れてしまったという。
中納言は、非常に奇妙な行動(速く下ろそうと手持ち綱を強く引っ張ったこと)で怪我をしたことを、人に聞かせまいとなされたけれど、それを(気の)
これをかぐや姫が聞いて、お見舞いに送る歌、
「年をへて波立ちよらぬすみのえのまつかひなしときくはまことか」
(「年を経て、波が寄せてくるだろう住の江で、松(待つ)貝(甲斐)が無いというのはほんとうでしょうか」)
とあるのを読
●33裏
みてきかすいとよはき心にかしらもた
けて人にかみをもたせてくるしき心ち
にからうしてかき給ふ
かひはかくありける物をわひはてゝし
ぬる命をすくひやはせぬとかきはつる
たえ入給ぬ是を聞てかくや姫少あはれと
おほしけり其よりなむ少嬉しき事をは
かひありとはいひける
○
みて①聞かす。いと②
げて、人に紙を持たせて、苦しき心地
に、からうじて書き給ふ。
③かひはかくありける物をわびはててし
ぬる命をすくひやはせぬ と書き
④おぼしけり。それよりなむ、少し嬉しき事をば、
「
①この「聞かす」は、「聞かせる」の意だが、尊敬が添っていないので、女房が聞かせたものか。
②底本「よはき」を、歴史的仮名遣い「よわき」に改めた。
③「かひはかくありける」を「甲斐はかくありける」と解釈することはできない。この歌から「
④「おぼしけり」は、かぐや姫に尊敬語を使っている。地の文は、かぐや姫と中納言を同じ位置に見ているのだろう。
◎
んで聞かせる。
非常に弱った心で、頭を(弱々しく)あげて、人に紙を持たせて、苦しい気分で、なんとか(返事を)お書きになる。
「かひはかくありける物をわびはててしぬる命をすくひやはせぬ
(「貝(
と書き上げた。(そして)お亡くなりになられた。
これをかぐや姫が聞いて、少しはしみじみと感じておられた。その時から、少し嬉しい事を、「
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