通釈① 一、かぐや姫のおひたち 二、つまどひ

1、『古活字十行甲本』を底本にしています。

2、おおむね、『評註竹取物語全釈』松尾 聰著(武蔵野書院)を参考書にしています。本文中、『評註』と表記しています。

3、底本の変体仮名等解釈は、『竹取物語』翻刻データ集成 https://taketori.himegimi.jp/ の『古活字十行甲本』を信頼して利用しています。

4、解読にあたって、『全訳読解古語辞典』(第三版)鈴木一雄 他著(三省堂)を用いた。

5、私説を参考として掲げる場合、★印をつけた。



一、かぐや姫おひたち


●1表

いまはむかしたけとりの翁といふもの

有けり野山にましりて竹をとりつゝ

萬の事につかひけり名をはさるきの

みやつことなんいひける其たけの中

にもとひかるたけなん一すちありけり

あやしかりてよりて見るにつゝの中ひ

かりたりそれをみれは三寸はかりなる

人いとうつくしうてゐたりおきないふ

やう我朝こと夕ことにみるたけの中に

おはするにて知ぬ子に成給ふへき人な


今は昔、竹取のおきなといふ者

ありけり。野山にまじりて①竹を取りつつ

よろづの事に使ひけり。名をば②讃岐さぬき

みやつことなむいひける。その竹の中

にもと光る竹なむ一筋③ありける。

あやしがりて④寄りて見るに、筒の中光

りたり。それを見れば三寸ばかりなる

⑤人、いと美しうて居たり。翁、言ふ

やう、「我、朝ごと夕ごとに見る竹の中に

おはするにて知りぬ。⑥子になり給ふべき人⑦な


①竹を取って籠などを編んでいたとはいえ、それで生計を立てていたとするのは早計だろう。★『翁はもとより貴族である(賤民は思い込み)』参照。

②底本「さるきのみやつこ」は、「さるみやつこ」という意味だろうか。これは翁を賤民と考え、「讃岐さぬきみやつこ」ではありえないとした後世の改変と私は考えたい。翁は貴族であり、讃岐の支配だったと考えられる。★『翁はもとより貴族である(賤民は思い込み)』参照のこと。

③底本「ありけり」を「なむ」の係り結びとして「ありける」と改めた。

④「寄りて」は「切りて」かもしれない。

⑤「人」と言っており、いわゆる赤ん坊ではないことがわかる。後に「このちご」と言っており、幼児と考えてよいと思われる。

⑥「子になり給ふべき人」は、「子」と「」をかけている洒落だという。

⑦「なめり」は、「~であるようだ」の意。


 今は昔のこと、竹取の翁と呼ばれる者が居たそうだ。

 野山に入って竹を取り、色々な事に利用していた。

 名を讃岐さぬきみやつこといった。

 その竹の中に根元が光る竹が一本あった。不思議に思って寄ってみると筒の中が光っていた。それを見ると、三寸(九センチ)ほどの幼児が、非常に美しく輝き、座っていたという。

 翁が言う。「私が朝ごと、夕ごとに世話をする竹の中においでになるのでわかった。私の子()におなりになるべき方であるようです」


●1裏

めりとて手にうち入て家へもちてきぬ

めの女にあつけてやしなはすうつく

しき事限なしいとをさなけれはこに入

てやしなふ竹とりのおきなたけを取に

此子を見つけて後に竹とるにふしを

へたてゝよことにこかねあるたけをみ

つくる事かさなりぬかくておきなやう

\/ゆたかに成行此児やしなふ程に

すく\/とおほきになりまさる三月

はかりになる程によき程なる人になり


めりとて、手に打ち入れて家へ持ちてぬ。

の女(媼)にあづけて養はす。美

しき事限りなし。いとをさなければ、に入れ

て養なふ。竹取の翁、②たけ取るに、

この子を見つけて後に竹取るに、節を

隔てて③ごとに黄金こがねある竹を見

つくる事重なりぬ。かくて翁、やう

やう豊かに成り行く。この④ちご、養ふ程に

すくすくと大きに⑤なりまさる。つき

ばかりになる程に、よき程なる人になり


①「の女」は、翁の妻だろう。この「女」を翁に対し「媼」と表記する解説書は多い。実際、私自身、各論説において、翁に対して媼としてその存在を表記している。しかし、翁よりそうとう若かった可能性もある。それで、明らかに翁の妻とわかる「女」について、以下「女(媼)」という表記とする。★『「女」=「媼」についての覚え書き』参照のこと。

②底本「たけを取に」は従来「竹を取るに」と解釈されてきたが、「この子を見つけて後に竹取るに」の「竹取るに」との重複はおかしいとみて、「たけ取るに」とした。★『「たけ取る」説』参照のこと。

③「よ」は節と節の間のこと。「余」という漢字を当てた。

④「ちご」は「赤ん坊・幼児・子ども」のこと。かぐや姫は自らの意志で地上に下りたので、「赤ん坊」は考えられない。★『『竹取物語』こそ日本最古の小説である』、★『本当の『竹取物語』を閉ざしていたもの』等、参照のこと。

⑤「なりまさる」は、次第にその状態になること。


と、手の中に入れて家へ持って来た。

 妻の女(媼)にあずけて育てさせた。

 その美しさといったらこの上ない。非常に小さかったので籠に入れて育てた。

 竹取の翁が優秀な人材を雇うのだが、この子を見つけた後に竹を取ると、節を隔てた筒ごとに、黄金が入っている竹を見つけることが度重なったのだ。

 そうやって翁は少しずつ豊かになっていった。

 この子は育てれば育てるほどすくすくと大きくなっていった。三か月ぐらいしてみると、(十二歳程度で行われる髪上・裳着という女子成人の儀式に)ほどよい背丈の子になった


●2表

ぬれは髪あけなとさうしてかみあけさ

せもきすちやうのうちよりも出さすい

つきやしなふ此児のかたちのけそう

なること世になく屋のうちはくらき所

なくひかりみちたりおきな心ちあしく

くるしき時もこの子を見れはくるしき

事もやみぬはらたゝしき事もなくさ

みけり翁竹をとる事久く成ぬいきをひ

まうのものに成にけり此子いとおほきに

成ぬれは名をみむろといむへのあきた


ぬれば、①「かみげな」と②左右さうして、③かみげさ

裳着もぎす。④ちやううちよりもださず、⑤い

つきやしなふ。このちごの⑥かたちの⑦顕証けそう

なること世になく、うちくらき所

なく、ひかり満ちたり。翁、心地ここちしく

くるしき時も、この子を見れば、くるしき

事もみぬ。はらたしき事もなぐ

みけり。翁、➇たけ取る事、久しくなりぬ。⑨いきほひ

まうの者になりにけり。この子いとおほきに

成りぬれば、名を⑩むろいむあき


①「かみげな」を翁の言葉と解釈する。「な」は終助詞の「勧誘」と考える。かぐや姫が急速に成長してしまったのを見ての翁の慌てぶりが表現されていると考えられる。

②「左右さうして」は、あれこれ指示・手配すること。

かみあげ裳着もぎは女子成人の儀式。十二歳程度から行われるという。

④「ちやう」は帳台ちやうだいの略。部屋の中に置く布のとばりで囲われた四角い小部屋。

⑤「いつく」は他動詞として「大切に世話をする・かしづく」こと。

⑥「かたち」は主に容貌をいう。

⑦「けそう」は顕証けそうとした。この場合、顔かたちが際立っていること。

➇底本「竹をとる」であるが、「たけ取る」とした。前ページ②と呼応している。★『「たけ取る」説』参照のこと。

⑨底本「いきをひ」を歴史的仮名遣い「いきほひ」に改めた。

 「いきほひまうの者」は「勢いが盛んな者」であるが、単に富豪というとらえ方はできないと考える。★『「たけ取る」説』参照のこと。

⑩「みむろといむべのあきた」は『評註』を参考に漢字を当てた。


ので、「髪を上げよう」とあれこれ(家の者に)指示して、髪を上げさせ、裳を着させた。

 帳台(室内にしつらえたとばりの小部屋)の中から出さず、大切に育てた。

 この子の顔かたちのはっきりしていることは他に比べようがなく、家の中は暗いところがなく、光が満ちていた。翁は、気分が悪く苦しい時も、この子を見れば、苦しいこともなくなった。腹立たしいことも慰められたという。

 翁は優秀な人材を雇うことが長く続いた。勢いが盛んな者になったという。

 この子が非常に大きくなったので、名前を三室みむろいむあきを呼んでつけさせた。


●2裏

をよひてつけさすあきたなよ竹のかく

や姫とつけつ此程三日うちあけあそふ

萬のあそひをそしける男はうけきらは

すよひほとへていとかしこくあそふ世

界のをのこあてなるもいやしきもいかて

此かくや姫をえてしかな見てしかなと

音にきゝめてゝまとふそのあたりの

かきにも家のとにもをる人たにたはや

すく見るましき物をよるはやすきいも

ねすやみの夜に出てもあなをくしり


を呼びてつけさす。あき、なよ竹のかぐ

や姫とつけつ。この程三日、①うちあげあそぶ。

よろづのあそびをぞしける。③男はけきらは

ず、宵程よひほどて、④いとかしこくあそぶ。(二、つまどひ)⑤世

界のをのこあてなるもいやしきも、いかで

このかぐや姫を得て⑥しがな見てしがなと、

⑦音にでてまどふ。そのあたりの

かきにも家のにも、➇る人だに、たはや

すく見るまじきものを、夜はやすき⑨

ず、やみの夜にでても、穴をくじり、


①「うちあげあそぶ」を成語とし、「管弦を奏すること」、特に合奏することとしたい。「うちあぐ」は拍子を取ることも意味する。

②「よろづのあそび」は色々なあそびということではなく、「色々な曲目」と私は考える。「あそぶ・あそび」は当時、主に管弦を演奏することを言った。

③「男はけきらはず」は、男女混合の演奏ではあったが、女がやめても男は演奏の誘いを断らなかったことと解釈する。

④「いとかしこくあそぶ」は、「非常に厳かに演奏した」と解釈する。

 ①②③④★『かぐや姫お披露目の否定(「よひほとへて」の問題)』を参照のこと。

⑤「世界」は、この場合「世の中」。「都中の」と訳した。

⑥「しがな」は「~したいものだ」の意。

⑦「音にでて」は、「噂に聞いて心引かれて」と解釈される。

➇色々な解釈があるとは思うが、「る人だに、たはやすく見るまじきものを、」を「家の者でさえ、(かぐや姫を)たやすく見ることができなかろうものを、」と解釈して、挿入文とする。

⑨「ず」は、「寝ない・寝もしない」。


 秋田は、なよ竹のかぐや姫とつけた。

 この三日間、管弦を(家人や親類などが男女混合で)合奏した。色々な曲目を演奏したものだ。(女はやめても)男は(演奏の誘いを)断らず、宵のほどを過ぎても、非常におごそかに演奏した。


二、つまどひ

 都中の男、身分が高いも低いも、どうやってこのかぐや姫を得てやろう、見てやろうと、(かぐや姫の美貌の)噂に心ひかれて色めきたつ。

 そのあたりの垣根にも家の門にも、家の者でさえ、(かぐや姫を)たやすく見ることができなかろうものを、夜も寝ず、闇の夜に出てさえ、穴をこじあけ、


●3表

かひまみまとひあへりさる時よりなん

よはひとはいひける人の物ともせぬ所

にまとひありけ共何のしるしあるへく

も見えす家の人ともに物をたにいはん

とていひかくれ共ことゝもせすあたり

をはなれぬ君たち夜をあかし日を暮す

おほかりをろかなる人はようなきあり

きはよしなかりけりとてこすなりにけり

其中に猶いひけるは色好といはるゝ

限五人思ひやむときなくよるひる来り


垣間かいま、まどひあへり。さる時よりなむ、

②よばひとはひける。人の物ともせぬ③所

に④まどひありけども、何のしるしあるべく

も見えず。家の人どもに物をだにはむ

とてくれども、ことともせず。あたり

はなれぬ⑤君達きんだち、夜をかし、日を暮らす

おほかり。⑥おろかなる人は、「⑦ようなき➇あり

きは⑨よしかりけり」とて、ずなりにけり。

その中になほ⑩ひけるは、⑪色好いろごのみといはるる

⑫限り五人。思ひむときなく、夜昼よるひる来たり


①底本「かひまみ」を歴史的仮名遣い「かいまみ」に改めた。「のぞき見る」こと。

②「ばひ」は「求婚」のこと。人々が夜も這うように来たことがその語源だとの洒落である。

③「物ともせぬ」は、「気に留めない」とした。その前の「人の」は「人が」の意だろうから、「物音もせぬ」の解釈は難しいだろう。

④「まどひありく」は「とほうにくれてさまよい歩く」の意。

君達きんだちは身分が高い人の息子。貴公子。

⑥底本「をろか」を歴史的仮名遣い「おろか」に改めた。

 「おろか」は「愚か」の意味もあるが、この場合、「いいかげんだ・並一通りだ」の意。

⑦「ようなき」は、「やうなき」で「益なき」、「えうなき」で「要なき」の説もあるらしい。確かに「用もない」ではおかしいが、「用」には「作用」の意味もあるので、ここの場合「効き目がない・あてもない」という意味ととらえた。

➇「ありく」は「歩く」こと。

⑨「よしし」は、「理由・根拠・方法・手段・由緒・風情」などが無いことだが、この場合は、「甲斐がない・つまらない」の意。

⑩「ふ」には、「求愛する・求婚する」という意味もある。

⑪「色ごのみ」は、「恋愛や風雅の情緒を解する人・粋人」だという。

⑫ここの「限り」の解釈は難しいが、「最高の」の意にとる。


のぞき見て、だれもが色めきだった。その時よりなのだが、「よばひ」(「呼ばひ」が「夜這ひ」を語源とするという洒落)とは言ったそうだ。

 人が気にも留めない所にさまよい歩いて行っても、何か収穫があるはずもない。家の者たちに、せめて何か言おうと話しかけるのだが、相手にされない。

 あたりを離れない貴公子たちが、夜を明かし、その日を暮らす者は多かった。(しかし、)並の気持ちの者は、「あてもない通いは意味がないことだったなあ」と言って来なくなったそうだ。

 その(貴公子の)中で、相変わらず言い寄ったのは、「粋人」と言われる人の中でも最高の五人。思いは止むときがなく、夜に昼に来たという。


●3裏

けりその名とも石つくりの御子くらも

ちのみこ左大臣あへのみむらし大納言

大伴のみゆき中納言いそのかみのもろ

たり此人々なりけり世中におほかる人

をたにすこしもかたちよしときゝては

見まほしうする人ともなりけれはかく

や姫を見まほしうて物もくはすおもひ

つゝかの家に行てたゝすみありきけれ

とかひあるへくもあらす文をかきてや

れ共返事もせすわひうたなとかきて


けり。その名ども、石作いしつくり皇子みこ庫持くらもち

皇子みこ、左大臣 阿倍あべのみむらじ、大納言

大伴おおとものみゆき、中納言 石上いそのかみのもろ

たり、この人々なりけり。世の中におほかる人

をだに、すこしもかたちしときては、

①見まほしうする人どもなりければ、かぐ

や姫を見まほしうて、物もはずおも

つつ、かの家に行きて、たたずみありきけれ

ど、甲斐かひある②べくもあらず。ふみを書きてや

れども③かへりこともせず。④わび歌など書き、手


①「見まほしう」は「見まくほしく」の「見まく」「く」が省かれ、「ほしく」が「ほしう」に音便化したものという。「見たいと欲する」の意。「見る」には「求婚する」というような意味もあり、内容からして、「自分のものにしたいと思う」と訳した。

②「べくもあらず」は、「~するはずもない」、「~ことができそうもない」。本文「あるべくもあらず」は、内容的に、「あったものではない」とした。

③「かへりこと」は、ここでは文の返事「返歌」。

④「わび歌」は、わびしく苦しい気持ちを詠んだ歌。

 底本「わひうたなとかきてをこすれ共」は、「わび歌など書き、手をれども」と一応解釈しておく。「こする」の用例がなさそうなので、「こ」をえん字とする。


 その各々の名は、石作いしつくり皇子みこ庫持くらもち皇子みこ、左大臣 阿倍あべのみむらじ、大納言 大伴おおとものみゆき、中納言 石上いそのかみのもろたり、この人たちだったということだ。

 たとえ世の中に多く居るような女であっても、少しでも顔かたちが良いと聞いては、自分のものにしたいと思う人たちであったので、かぐや姫を自分のものにしたいと思って、物も食べず思い焦がれながら、かぐや姫の家に行って、たたずみ、歩いてはみたが、その甲斐はあったものではない。

 ふみを書いて送ったが、返しもしない。侘び歌などを書き、手


●4表

をこすれ共かひなしと思へと霜月し

はすのふりこほりみな月のてりはたゝ

くにもさはらすきたり此人々ある時は

竹とりをよひ出てむすめを我にたへとふ

しおかみ手をすりの給へとをのかな

さぬ子なれは心にもしたかはすなんある

といひて月日すくすかゝれは此人々家

にかへりて物をおもひいのりをし願を

たつ思ひやむへくもあらすさりともつ

ゐに男あはせさらんやはと思ひて頼を


れども甲斐かひなしと思へど、①霜月しもつき

はすこほり、②つきりはたた

くにもさはらずたり。この人々、ある時は

竹取を呼びでて、「むすめわれに③べ」と伏

し④をがみ、手をりのたまへど、「をのがな

さぬ子なれば、心にもしたがはずなむある」

と言ひて月日過ぐす。⑤かかれば、この人々、家

かへりて、物をおもひ、いのりをし、ぐわん

つ。思ひむべくもあらず。⑥さりとも、⑦つ

ひに男あはせざらむ➇やは、と思ひて、⑨たのみを


①「霜月しもつき」は陰暦十一月、「はす」は陰暦十二月。最も寒い時期。

②「つき」は、陰暦六月。一番暑い時期。

③「ぶ」は、「あたふ」の尊敬語。

④底本「おかみ」は、歴史的仮名遣い「をがみ」に改めた。

⑤「かかれば」は「かくあれば」と同じ。「こういうわけだから」。

⑥「さりとも」は「さありとも」と同じ。「そうはいっても」。

⑦底本「つゐに」は、歴史的仮名遣い「つひ」に改めた。「最後に」。

➇「やは」は係り助詞だが、ここは文末に用いられ、反語の意をあらわす。「だろうか~いやない」。

⑨「たのみ」は、「頼ること・あてにすること」。


を摺り拝んでも甲斐がないと思うのだけれど、霜月しもつきはすは雪が降り、道が凍り、つきの日が照り、雷が鳴るのにも障害とせず来たのだった。

 この人たちは、あるときは竹取の翁を呼び出して、「娘を私に下さい」と伏し拝み、手をすりあわせておっしゃるのだが、「私の本当の子ではないので、思うようには従わないのです」と言っているうちに月日は過ぎる。

 こういうわけだから、この人たちは家に帰って(からも)、(かぐや姫への)物思いにふけり、(神仏に)祈りをして、願を立てる。(かぐや姫への)思いがやむはずもない。

 そうは(翁が)いっても、いずれ最後には(娘を)男と一緒にさせないはずはないと思って、あてにしている。


●4裏

かけたり。あなかちに心さしを見えあり

く是をみつけて翁かくや姫にいふやう

我子の佛変化の人と申なからこゝら

おほきさまてやしなひ奉る心さしをろか

ならすおきなの申さん事聞給てむ

やといへはかくや姫何事をかの給はん

ことはうけたまはらさらんへんけのもの

にて侍けん身共しらすおやとこそ思ひ奉

れといふ翁嬉しくもの給ふ物哉といふ

翁年七十にあまりぬけふともあすとも


けたり。①あながちにこころざしを②見えあり

く。これを③げて、翁、かぐや姫に言ふやう、

「④我が子の仏変化の人と⑤まうしながら、⑥ここら

おほきさまでやしなたてまつこころざし、⑦おろか

ならず。翁の申さむ事、➇聞きたまひてむ

や」と言へば、かぐや姫、「何事をかのたまはむ

ことはうけたまはらざらむ。へんの者

にてはべりけむ⑨身とも知らず。⑩親とこそ思ひ奉

れ」と言ふ。翁、「嬉しくものたまふものかな」と言ふ。

「⑪翁、よはひ、七十にあまりぬ。今日けふとも明日あすとも


①「あながち」は、「一方的なさま」、「ひたむきなようす」とあるが、後に「見えありく」とあるので、この場合前者だろう。

②「見えありく」は、「相手に見られるように歩き回る」という意だという。

③「げて」。底本「みつけて」は「見つけて」とする従来の解釈が自然だが、「見つけて」は「見つける・見慣れる」で、翁がかぐや姫に五人のうちひとりとの結婚を勧める動機としてはしっくりこない。「げて」は、「見続ける・見届ける」の意である。

④「我が子の仏変化の人」は、従来、「我が子の仏、変化の人」とし、「我が子の仏」を大切な人への呼びかけとしてきた。しかし、「が仏」が通常の用例であって、この用例は竹取物語以外にあるのだろうか。「わが子が仏(の)変化の人」と私は解釈したい。

 また、親である翁がかぐや姫に対して謙譲語を使うのは、かぐや姫を「仏の変化」と信じているからに他ならない。ただの「変化」であったら、どうだったろうか。

⑤「まうしながら」は、「承知しながら」と説きたい。「ながら」は、この場合、逆接「~にもかかわらず」。

⑥「ここら」は、「こんなに多く・たくさん」を意味する副詞。訳としては「ここまでの」とした。

⑦底本「をろか」は、歴史的仮名遣い「おろか」に改めた。

 「おろか」は「愚か」の意味もあるが、この場合、「いいかげんだ・並一通りだ」の意。

➇「聞きたまひてむや」の「や」は係り助詞。後に「ある」等が省かれている。

⑨「身とも知らず。」で切らずに次に続ける解釈もあるが、逆接の仮定条件の接続詞「とも」ではなく、「と」+係り助詞「も」と考える。「知らず」の「ず」は「も」の結びとして、終止形である。

⑩「親とこそ思ひ奉れ」の「奉れ」は、係り助詞「こそ」の結びで已然形をとる。命令形ではないので注意。

⑪「翁、よはひ、七十にあまりぬ」と翁は自分の年齢を言っているが、物語の集結部では地の文が、「翁、今年は五十ばかりなりけれども」と言っており、物語最大の謎とも言える。これについては、★『翁若返り説(物語にこめられたなぞなぞの解明)』を一読願いたい。


ことさらに誠意を見せつけて通っている。

 これを見続けて、翁がかぐや姫に言うには、「わが子が仏の変化の人と承知しながら、ここまで大きくなるまでお育て申し上げた精魂は並大抵ではありませんでした。翁の申し上げることをお聞きくださるだろうか」と言えば、かぐや姫は、「どんなことでも、おっしゃることは承りましょう。(自分を)変化の者である身などとは思っていません。(あなたのことを)親としか思っておりません」と言う。

 翁は、「嬉しくもおっしゃってくださるものだ」と言う。「翁の年も七十を越えました。今日とも明日とも


●5表

しらす此世の人は男は女にあふ事をす

女は男にあふことをす其後なん門ひろ

くもなり侍るいかてかさる事なくては

おはせんかくやひめのいはくなんてう

さることかし侍らんといへは変化の人

と云共女の身もちたまへり翁のあらん

限はかうてもいますかりなむかし此

人々の年月をへてかうのみいましつゝ

の給ふ事を思ひさためてひとり\/

にあひ奉給ねといへはかくや姫いはく


らず。この世の人は、男は女に①あふ事をす。

女は男にあふ事をす。そののちなむ②かど

くもなりはべる。③いかでか、さる事なくては

おはせむ」。かぐや姫のいはく、「④なんでふ

さる事かし侍らむ」といへば、「変化の人

といふとも、女の身持ち給へり。翁のあらむ

限りは、⑤かうても⑥いますかり⑦なむかし。この

人々の年月をて、➇かうのみいましつつ

のたまふ事を、思ひ定めて、⑨ひとりひとり

にあひ奉り給ひね」と言へば、かぐや姫いはく、


①「あふ」は、男女が一緒になることも意味する。

②「かど広く」。一族、家が繁栄すること。

③「いかでか」は、ここ場合は反語、「どうして~か」。

④「なんでう」を「なんでふ」に改めた。「なにと言ふ」がつまった「なにてふ」の変化形。

⑤「かうて」は「かくて」の音便化。副詞として「このようにして」の意。

⑥「いますかり」は、「あり・おり」の尊敬語。「~いらっしゃる・~おいでになる」。

⑦「なむかし」の「なむ」は、可能性のある推量「~ことができるだろう」、「かし」は念押し「~ね」。

➇「かうのみ」は、「ひたすらに」と意訳した。

⑨「ひとりひとりに」は、多く居る中のひとりの意だという。


わからない。この世の人は、男は女と一緒になる。女は男と一緒になる。その後でこそ、家も繁栄するというものです。どうして、そのことなくしておいでになれるでしょう」。

 かぐや姫が言うには、「どうして、そのようなことをいたしましょうか」と言えば、「変化の人といっても、女の身をお持ちです。翁が(この世に)ある間は、このようにしておいでになれるでしょうけれどね。この人たちの年月を経て、ひたすらにおいでになりながら求めてくださることなのだから、心を決めて、この中のおひとりと一緒になってさしあげなさい」と言えば、かぐや姫が言うには、


●5裏

よくもあらぬかたちをふかき心もしらて

あた心つきなは後くやしき事もあるへ

きをと思はかり也世のかしこき人なり共

ふかき心さしをしらてはあひかたしと

なん思といふ翁いはくおもひのことく

もの給かな抑いかやうなるこゝろさしあ

らん人にかあはんとおほすかはかり心

さしをろかならぬ人々にこそあめれ

かくやひめのいはくなに計のふかきを

か見んといはんいさゝかの事也人の心


くもあらぬかたちを、ふかき心もらで、

あだごころきなば、のちくやしき事もあるべ

きを、と思ふばかりなり。世の②かしこき人なりとも、

ふかこころざしらでは、あひがたしと

なむ思ふ」と言ふ。翁いはく、「思ひのごとく

ものたまふかな。そもそもいかやうなるこころざし

らむ人にかあはむとおぼす。③かばかりこころざし

④おろかならぬ人々にこそ⑤あめれ」

かぐや姫のいはく、「なにばかりのふかきを

か見むとはむ。いささかの事なり。人のこころざし


①「あだごころ」は、浮気心。

②「かしこき人」は、ここの場合、「身分が高い人・とうとい人」。

③「かばかり」は、「これほど・こんなにも」の意。

④底本「をろか」を、歴史的仮名遣い「おろか」に改めた。

⑤「あめれ」は「あるめれ」の音便「あんめれ」の「ん」が省かれたもの。「めれ」は、係り助詞「こそ」の結びとして「めり」の已然形。


「(私は)良くもない顔立ちなのですから、(お相手の)深い心も知らずに、(お相手に)浮気心がついたなら、後で悔しいことがあるに違いないな、と思うばかりです。世の高貴な人であっても、深い誠意を知らなければ一緒になるのは難しいのだと思います」

 翁が言うには、「(私の)思う通りのことをおっしゃるものですな。さて、では、どのような誠意ある人と一緒になろうとお思いでしょうか。これほどに誠意が並大抵ではない人たちでありましょうに」

 かぐや姫が言うには、「どれほどの(誠意の)深さを見ようと言いましょうか。ちょっとしたことです。(五人の)人の誠意は、


●6表

ひとしかん也いかてか中にをとり

まさりは知ん五人の中にゆかしき物

をみせ給へらんに御心さしまさりたり

とてつかうまつらんとそのおはすらん

人々に申給へといふよき事なりと

うけつ日くるゝ程れいのあつまりぬ或

は笛をふき或は哥をうたひ或はしやう

かをし或はうそをふき扇をならしなと

するに翁出ていはく忝なくきたなけ成

所に年月をへて物し給事きはまりたる


ひとしかんなり。いかでか中に②おと

まさりは知らむ。五人の中に③ゆかしき物

を見せ給へらむに、御 こころざしまさりたり

とて、つかうまつらむと、その④おはすらむ

人々に申し給へ」と言ふ。「よき事なり」と

うけつ。日暮るる程、⑤れいあつまりぬ。⑥ある

は笛を吹き、あるは歌をうたひ、あるしやう

をし、あるは⑦うそをふき、扇をらしなど

するに、➇翁、でていはく、⑨「『かたじけなく、きたなげなる

所に、年月をて⑩物し給ふ事、きはまりたる


①「ひとしかんなり」の「等しかん」は形容詞「等し」の連体形「等しかる」の音便。連体形につく「なり」は、断定であり、伝聞・推定の「なり」ではなさそうである。

②底本「をとり」を、歴史的仮名遣い「おとり」に改めた。

③「ゆかし」は、「心引かれる・恋しい」の意。

④「そのおはすらむ人々に申し給へ」は、従来、「そこにおいでになる人々に申し上げてください」と訳されることが多いが、後に「日暮るる程、れいあつまりぬ。」とあり、「れいの」が、「いつものように・いつものとおりに」の意だとすると、辻褄が合わない。五人はいつもどおりに家の外に通ってきたのであり、翁に家の中に招かれたわけではない。「おはすらむ」は、「(これから)おいでになるであろう」と訳すべきであると考える。

⑤「れいの」は、用言を修飾して、「いつものように・いつものとおりに」の意だという。

⑥「あるは」は、あるいは「あるいは」かもしれない。同じ意味である。

⑦「うそをふく」は、口笛を吹くことであるという。

➇「翁、でていはく」は、④の理由から、翁は家の中から出て、いつものように家の外に集まった五人に話しかけたのである。

⑨ここからの翁の言葉いついて、★『翁の五人の求婚者への挨拶の否定(会話文の法則①)』を一読願いたい。

⑩「物す」は、「いる・ある・行く・来る・生まれる・死ぬ」等の意。


等しいのです。どうやってその中に劣り勝りを判断できましょう。五人の中に、興味をひく品物を持って来て頂いた人に、誠意が勝ったということで、お仕えすることにしますと、その(今日もこれから)おいでになるであろう人たちに申し上げてください」と言う。(翁は、)「よいことです」と承知した。

 日が暮れる頃、いつものように(五人が家の外に)集まった。あるいは笛を吹き、あるいは歌を歌い、あるいは旋律を口ずさみ、あるいは口笛を吹き、あるいは扇を鳴らしなど、(それぞれが思い思いのことを)しているところに、翁が出てきて言うには、「『みっともなく、汚げな所に、年月を経てお通いくだされたこと、きわめて


●6裏

かしこまりと申翁の命けふあすとも

しらぬをかくの給君たちにもよく思ひ

定てつかうまつれと申も理也いつれも

をとりまさりおはしまさねは御心さし

の程は見ゆへしつかうまつらん事は

それになんさたむへきといへはこれ

よき事也人のうらみもあるましといふ

五人の人\/もよき事なりといへは翁

いりていふかくや姫石つくりの御子には

仏の御石のはちと云物ありそれを取て


かしこまり』と申す。『翁の命、今日けふ明日あすとも

らぬを、かくのたまふ君達きみたちに①こそ、よく思ひ

定めてつかうまつれ』と申すもことわりなり。『いづれも

おとまさりおはしまさねば、御志こころざし

ほどは見ゆべし。つかうまつらむ事は

それになむさだむべき』と言へば、これ

よき事なり。人のうらみもあるまじ」と言ふ。

五人の人々も、「よき事なり」と言へば、翁

りて言ふ。かぐや姫、「石作いしづくり皇子みこには、

仏のいしはちといふ物あり。それを取りて


①底本「も」を後世の改変とみて「こそ」とした。かぐや姫の言葉を翁が五人に伝えているので、「つかうまつれ」は命令形ではなく已然形とならねばならないと考える。一連の翁の五人への言葉について、★『翁の五人の求婚者への挨拶の否定(会話文の法則①)』を一読願いたい。

②「をとり」を歴史的仮名遣い「おとり」と改めた。


おそれおおいことです』と(かぐや姫が)申します。『翁の命は、今日明日ともわからないのだから、このように求めてくださる貴公子(のあなた方)にこそ、よく思いを定めてお仕え申し上げます』と(かぐや姫が)申すのも道理です。『いずれの方も劣り勝りはおありにならないだから、ご誠意のほどは見るべきだ』と(私がかぐや姫に)言いましたが、これはよいことです。人のうらみもないでしょう」と言う。五人の人たちも、「よいことです」と言うので、翁は(家に)入って、(かぐや姫に)それを伝える。

(※翁は五人への印象をよくするために、自分とかぐや姫の言葉を逆転させて伝えているのである。)

 かぐや姫は、「石作いしづくり皇子みこには、仏のいしはちという物があります。それを取って


●7表

給へといふくらもちの御子には東の海

にほうらいと云山あるなりそれにしろ

かねをねとし金をくきとし白き玉を

みとしてたてる木ありそれ一枝おりて

給はらんと云今獨にはもろこしにある火

ねすみのかはきぬをたまへ大伴の大納言

にはたつのくひに五色にひかるたま

ありそれをとりて給へいそのかみの中

納言にはつはくらめのもたるこやすの

貝取て給へと云翁かたきことにこそあ


たまへ」と言ふ。「庫持くらもち皇子みこには、ひんがしの海

蓬莱ほうらいといふ山あるなり。それにしろかね

とし、こがねくきとし、白きたま

として立てる木あり。それ一枝ひとえだ①りて

たまはらむ」と言ふ。「②今ひとりには、唐土もろこしにある火

ねずみかはぎぬたまへ。大伴おおともの大納言

には、たつくびに③しきひかたま

あり。それをとりてたまへ。石上いそのかみの中

納言には、つばくらめたるやす

かひ、取りてたまへ」と言ふ。翁、「かたきことにこそあ


①「おりて」は歴史的仮名遣い「をりて」に改めた。

②「今ひとりには」と、左大臣 阿倍あべのみむらじだけが名前で呼ばれていない。これについて、★『次第接近説から求婚者初期三人説を考える+五人の名前内容反映説』を一読願いたい。

③古本は「いついろ」とあるというが、「ごしき」とした。


来てください」と言ふ。「庫持くらもち皇子みこには、東の海に蓬莱ほうらいという山あります。それに銀を根とし、金を茎とし、白い玉を実として立っている木があります。それを一枝、折ってきていただきたい」と言う。「今ひとりには、唐土もろこしにある火鼠の皮衣をください。大伴おおともの大納言には、たつの首にしきに光る玉があります。それを取ってきてください。石上いそのかみの中納言には、燕の持っている子安の貝を取ってきていただきたい」と言う。

 翁、「なんと難しいことで


●7裏

なれ此国に有物にもあらすかくかたき

事をはいかに申さんと云かく姫何かかた

からんといへは翁とまれかくまれ申

さむとていてゝかくなむ聞ゆるやうに

見給へといへは御子たち上達部聞てお

いらかにあたりよりたになありきそと

やはの給はぬといひてうんして皆帰ぬ


なれ。①この国にある物にもあらず。かくかた

事をば、いかに申さむ」と言ふ。②かぐや姫、「何かかた

からむ」と言へば、翁、「とまれかくまれ申

さむ」とて、でて、「③かくなむ、④聞こゆるやうに

見せ給へ」と言へば、皇子みこたち、⑤上達部かんだちめ、聞きて、「⑥お

いらかに、『あたりよりだに⑦なありきそ』と

やはのたまはぬ」と言ひて、➇うんじて、皆、帰りぬ。


①「この国にある物にもあらず」

②底本「かく姫」を、誤写とみて、「かぐや姫」とした。

③「かくなむ」で切る解釈が多いが、係り助詞「なむ」の結びが流れる例としたい。

④「聞こゆ」は、この場合、「言ふ」の謙譲語。「申し上げる」。

⑤「上達部かんだちめ」は「かんだちべ」とも。摂生・関白・大臣・大納言・中納言・参議、ほか三位以上の貴族。

⑥「おいらか」は、「穏やか・おっとり」。「おいらかに、『あたりよりだになありきそ』とやはのたまはぬ」を直訳すると、「おだやかに、『このあたりをうろつきなさるな』とはおっしゃらないだろうか」であるが、『このあたりをうろつきなさるな』は、けっして「穏やか」な言葉とは思えない。底本「の給はぬ」は「の給ひぬ」の誤写の可能性があるかもしれない。つまり、「おだやかに(遠回しに)、『このあたりをうろつきなさるな』とはおっしゃるのだろうか」。

⑦「なありきそ」。「な~そ」の形で、禁止を表す。

➇「うんず」は、「うんざりする・がっかりする」。


あることか。この国にある物でもない。このように難しいことを、どうやって申し上げよう」と言う。

 かぐや姫が、「なにが難しいでしょう」と言うと、翁は、「とにもかくにも申し上げよう」と言って、(外に)出て、「このように、申し上げるようにお見せください」と言えば、皇子たち、上達部かんだちめ(摂生・関白・大臣・大納言・中納言・参議、ほか三位以上の貴族)がそれを聞いて、「おだやかに、『このあたりをうろつきなさるな』とはおっしゃらないだろうか」と言って、がっかりして、皆、帰った。


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