第7話 旅立ち
「じゃあ、行ってくる」
村の人達に軽く挨拶をして、最後に親にそう告げた。
「もう戻ってくるんじゃないよ。あんたとは親子の縁を切ったんだ。」
「分かってる」
そう、もう俺はこの村に戻ることは出来ない。そもそも元から居場所も無いのだが。
あの日から4年間、徐々に嫌われていきながら毎日トレーニングをして、なんとか人並みの力は手に入れた。この村基準だが。
手元には適当に作った木の剣と食料...5日分くらい?もちろんお金などない。
「じゃあ、さようなら」
そうして、俺の旅は始まった。
「...ほんとに何もなさ過ぎる」
あれからかれこれ3日ほど歩いただろうか?
道中特に魔物に襲われることもなく、なんならただひたすらに歩いていただけだ。
今自分がどの辺にいるのかもわからない。
せめて食料になる動物などを狩れたらいいのだがそいつらすら見当たらない。
「どうするんだ...?村から適当に取ってきた野菜も限界があるぞ...」
飢え死にする前になんとか食べられる物を見つけたい。じゃないとほんとに序盤でゲームオーバーだ。
「ってかせめてセーブしたかったな...まあ、あの好感度でセックスなど出来る相手は村に居ないが」
セーブ機能も結局まだ1回も使えてない。
どんな感じなのかすらよく分からない。そもそもどこまでヤればセーブされるのかも分からない、入れたらセーブか?出したらセーブか?
「要らない能力だなあ...これならスタート地点をもっと簡単にしてもらいたかった」
そんな文句をブツブツ言いながら、ひたすら歩いて歩いて歩いて...
歩いているだけ。
そんな旅が始まった。
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