第2話 異世界転生の現実
そんなこんなで、毎日親の仕事の手伝いをして過ごしていた俺だが、せめて学園に通ってある程度は軌道に乗れるように親に話をしてみた。
「俺、学園に行きたいんだけど」
「何言ってんの????」
「いや、だから学園に」
「無理に決まってるじゃない。そんなお金ないしそもそも学園なんて貴族様しか行けないわよ」
「デスヨネ...」
無理だった。
そりゃそうだ。平民が学園なんて通える訳がなかった。
「えっと...俺将来魔王討伐したいんだけどさ、なんか良い方法ないかな?」
「そんな馬鹿なこと言ってる暇あったら働きな!大体村の周りの猪も狩れないようなお前に何が出来るんだい!」
うん。やっぱり無理だね!
俺はこのまま平民として暮らしてこの村で一生を終えよう!
いや~...なんでこんな惨めな状況なの?
こんなの異世界転生って言わないよ...
それならまだ元の世界で生まれ変わりたかったよ...
「はあ...どうしよ」
折角手に入れたセーブ能力も持ち腐れ、俺の手元に残ったのは前世のわずかな記憶のみ
その前世も大した人間じゃなかったから知識持ち込んで無双とかも出来ないし...
「もしかして異世界転生の現実ってこんなもんなのかもな...」
前世の俺も異世界転生してー!と思ってた時があったけどいざしてみたらこれが現実。
そもそもトレーニングとかしようと思ってない時点で負け組だ。
「さっきから何ボソボソ言ってんだい!そんなに魔王討伐したいなら冒険者にでもなりな!!!」
「ぼう...けんしゃ...冒険者!!!!」
なるほど!!!!!!
そうか!冒険者か!
平民が冒険者になって信頼できる味方を見つけて魔王討伐にいく!
そういうルートってことか!
なーんでそんなことに気付かなかったかな?
おバカだね俺は!
「冒険者になる!冒険者になってくる!」
「何言ってんだい!今はまだ無理だろうがい!そもそも冒険者になるためにはまず...」
「全部やるから!何でも!早く冒険者にならせろ!!!!」
「だから14歳になるまでそもそもなれないよ!!!」
「よっしゃー!やる気出てきた!とりあえず毎日筋トレだな!目指せ!最強冒険者!」
「...息子が気持ち悪すぎる」
そんな母親の声も届かず冒険者になることを決めた俺は次の日から筋トレを始めるのであった。
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