第34話【情報整理回】

【事件当日】

日鞠ひまり藤野ふじのに呼び出され、彼女とともに部室棟(美術室前)へ。

唐突に藤野が窓ガラスを割り、美術室の中へ侵入。

中からは異臭がした。そのとき、チャリンと金属音を耳にしている。


②日鞠が部室棟に入ると、受付が出迎える。

ここで部室の鍵を借りるためには、

 ①部室棟への入館の受付 

 ②鍵の貸し借りの申し込み書の記入

をする必要があると知らされる。

そこで窓ガラスを割る音を聞きつけた吉永よしなが冬夏ふゆなつと遭遇。ともに美術室へ向かう道中、日鞠が二人に状況を説明)


③瞬間記憶能力者の吉永から美術室内の説明を受ける。

 ①窓、部室ドアの小窓に黒いカーテンがかかっており、小窓の隙間は一センチ程度。

 ②入口から見て、

 入口から正面:すべての窓がカーテンで覆われている。

  そのうちの左側の窓が割られており、カーテンが半開きになっている。

 入口から右:黒板や机がある。

 入口から左:作品を展示するスペースや石膏やキャンバス、備品入れがある。

赤、青、水色のペンキが底が見えるぐらいにまかれており、少し離れたところに緑色のペンキがまかれている。

 その他

  壁にはレプリカと思われる絵画が複数ある。


④美術室内の藤野と接触。彼女は窓を割った動機を

「ペンキの海に黒戸 萌音くろど もね」のキャンバスがあったから」と話している。

黒戸、たな胡屋ごやの三名が現れ、掃除を行う流れになる。

そのとき、丹が盛大にくしゃみをしていた。


【事件翌日】

①藤野から詳しい事情を訊く。

 ①ペンキに落ちていた黒戸のキャンバスは修復不可能。

 ②黒戸、丹、胡屋の三名は幼少期より同じスクールに通い続けている。その中でも黒戸の才能が優れている。

 ③事件前日(一昨日)の鍵の返却者は胡屋。棚の鍵と部室入り口の鍵は見た目が似ている。

 ④美術室の備品入れには、講師が批評で使うためにレーザーポインターが入っている。

 ⑤教育熱心な講師は、去年に顧問が招いている。

 その分、葛飾かつしか己家みけなど緩い部活を求めていた人には不評。葛飾と己家の両名は、黒戸に嫌がらせをしている。丹は講師の指導の分、上達している。

 ⑥幽霊の噂は、去年から流れ始めている。信じて部活にこれない人も多数。前日にもオカルト研究部が美術室内にカメラを仕掛けていた。


【冬夏の調査1】

①鍵の貸し借り、入館と退館は不自然な点はなかった。

②事件当日、胡屋と黒戸の二人が参加していた朝練は実行されなかった。理由は美術室の鍵が開かなかったため。その翌日には通常通り使えていた。

③人は通れないサイズの小窓が開いていた。

④黒戸は普段、猫をモチーフにして作品を描いているが、今回の作品のみ白雪姫をモチーフにしている。

⑤事件から数日後に美術室内を見た吉永が「箱がない」という発言をしていた。その箱は掃除中にも動かさないよう藤野に言われていた。

⑥講師は黒戸に目をかけており、たびたび黒戸本人の許可を得ずにコンクールにエントリーしている。

⑦幽霊の噂はありきたりなモノ。

夕方に黒髪の幽霊が出て来て、夜までに絵を描き進められている、会ったら死ぬなどなど。オカルト研究部が事件前日の放課後に撮影した映像には、なにも映っていなかった。


【冬夏の調査2】

①葛飾と己家にはアリバイがある。

※共謀の可能性も。

②朝練の参加者はだいたい固定されている。

丹、胡屋、橋本はしもと長谷川はせがわの四名。最近になって黒戸も来るようになった。

③胡屋は朝練時に部室棟の周辺を走る。事件当日の朝、園芸部がその姿を目撃している。

④丹は猫アレルギー。


【十夜から吉永への確認】

①広まっていたペンキは満タンまで入っていたか

→いいえ。

②ペンキは緑色以外、黒板のほうを向いていたか。

→はい。

③上履きと靴の足跡はそれぞれ一種類か。

→はい。

④箱は動いたか。

→はい。

⑤美術室の小窓が開いていたのは確かか。

→はい。

⑥受付の人が持ってきた鍵で開錠されたか。

→はい。

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