第28話 代理母の手配

電話だ。

「はい、ベビーライフ社です」

「実は、私、今四十歳ですけど、三十歳前半に卵を社会的凍結保存しました。これで、子どもを産んでもらえますか」

『卵の社会的凍結保存』という専門用語をためらいもなく使用しているこのクライエントは、どんな人間なんだ。

「代理出産の依頼と受け取ってよろしいのですか」

「ええ」

「すみませんが、電話では、詳しいお話しが出来ませんので、お出で願いたいのですが、来所は可能ですか」

「忙しくて、事務所を空けられないの。来てくれる」

「いいですよ。出張料がかかりますが、よろしいですか」

「大丈夫です」

「それでは、どこに、いつ伺えばよろしいですか」

「○○公認会計士事務所、明日の午後二時ではどうですか」

「わかりました。お伺いします」

電話で簡単に訪問面接の約束が

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